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2009年7月17日 (金)

『偉大なる復活(紙ジャケット仕様) [Limited Edition] [Live]』 / ボブ・ディラン

51mcek6irol__sl500_aa240__5 5月の始め、生涯忘れられないような悲しい出来事があったショックで、今年の春に購入したCDやらDVDやらのほとんどが、今だに手付かずのままになっている。RCや清志郎関連の作品を繰り返し繰り返し流し、その合間に山口洋やストーンズ、ツェッペリンなんかを挟み込む…。そんな日々が長く続いた。いつものようにいろんな音楽を聴けるようになったのは、やっと最近のことだ。

このCDも、買ってはあったものの封を切ったのは、実は昨日のこと。でも、一発で大興奮状態になってしまった。いや~素晴らしいぞ、これは!
このアルバム、オリジナルは74年に出たレコードで、今回リリースされたのは、旧CDを紙ジャケットで再現して音をリマスターしたものだ。
自分はもともとこのアルバムには思い入れがある。何を隠そう、オレはボブ・ディランの隠れファン(笑)。今まで出たディランのレギュラーアルバムは全部持っているぐらいなのだが、そもそもディランにのめり込むきっかけとなったのが、このアルバムなのである。

オレがディランに目覚めたのはけっこう遅い。リアルタイムでアルバムを買ったのは「エンパイア・バーレスク」だから、85年か…。この「偉大なる復活」の旧CDを買ったのは、恐らく90年代初めだったと思う。
初めて聴いた時の強烈な印象は、いまだにはっきりと憶えている。一言でいうと“ディランってロックじゃん!”ってこと。みうらじゅんみたいな感想だけどね(苦笑)。ボブ・ディランっていうと、オレら世代だと眉間にシワ寄せて小難しいことをやってるみたいな感じがあった。だけど、そんな印象がこのライブでいっぺんにぶっ飛んじゃったんだよなあ…。
なんと言っても、圧倒されるのはディランの野太い声だ。ザ・バンドの躍動的なプレイに乗って力強くシャウトするディランは、まるでヴァン・モリソンみたい。
名曲の数々がスタジオバージョンとはまったく違うアレンジになっているのにも驚いた。後々わかるんだけど、ディランは時代時代のライブで定番曲も全然違うアレンジにしちゃうんだよね。その意外さ、面白さ、大胆さ。これが自分にとってのボブ・ディランの魅力の一つになっていることは間違いない。

多くのミュージシャンがカバーしてる「天国への扉」や「ライク・ア・ローリング・ストーン」も、オレはこのライブでのバージョンが一番好きだ。
やっぱりザ・バンドってのは最高にイカしたロックバンドだとしみじみ思う。ロビー・ロバートソンのパキパキしたギターも、リボン・ヘルムの力強いドラムも、どれもこれも最高!このアルバムにはザ・バンドのレパートリーもたくさん収録されているんだけど、なにしろ脂の乗り切った時期だから、素晴らしい演奏が次々に飛び出してきて、一瞬たりとも聞き逃せない。

そんなわけで、もともとお気に入りのアルバムだったところに、リマスターが予想以上に素晴らしい出来ばえときてるんだから嬉しいじゃないの(笑)。
オープニング前の観客のざわめきからして旧盤とは全然違う。まるでカーテンを一枚開けたのかと思ってしまうようなクリアな音質。サウンド的にも、ひとつひとつの音粒がくっきりと聞こえ、リック・ダンコのベースがぐっと前に出て、ガース・ハドソンのセンスのいいシンセ音は、これまで以上にはっきりと聞こえるようになった。音圧だけ上げて終りにしたようなインチキ・リマスターも多い中、この音質の向上ぶりは特筆ものだ。

それにしても、ディラン…。ああ~なんてカッコいいんだ!シャウトしてるなあ…。ロックしてるなあ…。今の枯れた味わいも深いけど、この頃の若く力強いボブ・ディランは空前絶後のカッコよさ。
演奏されているのは代表曲ばかり。演奏は最高水準。闇に煌く観客のライターの灯が映し出された抒情的なジャケットも含め、ボブ・ディランとザ・バンドの魅力があますところなく収められた名盤中の名盤だと思う。

余談になるが、このアルバムは清志郎やCHABOのファンにとってもお得感の大きいアルバムだと思う。
清志郎は、このライブや少し後のローリング・サンダー・レビューの頃のディランに、かなり影響を受けたと語っているし、ザ・バンドに関しては清志郎もCHABOも事あるごとにリスペクトを口にしている。「いいことばかりはありゃしない」は「ザ・ウェイト」っぽい曲を作ろうと思って出来たものだということは、ファンには有名な話だ。
そんなことから、ディランやザ・バンドに興味を持っても、膨大な作品群を前にどれを最初に聴いたらいいのか戸惑う人も多いだろう。そういう人にとっては、「追憶のハイウェイ64」や「ザ・ウェイト」等の代表曲、それに「アイ・シャル・ビー・リリースト」や「風に吹かれて」など、RCがカバーした曲も収録されているこのライブ盤は、入門編として最適なのではないだろうか。ロックするカッコいいディランをぜひ堪能して欲しいと思う。

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コメント

大好きなアルバムです

ある意味、バックバンドではなく

二つが対等の立場になり、実現した形だと思います

なによりTHE BANDが背中をおしている

「もっとROCKしようよ」と

僕はこのアルバムを聴くたびに思う国内のバンドは

現存する最も近い偉大なバンド

MS&HKBだと思う

投稿: NOAH | 2009年7月18日 (土) 10時18分

◆NOAHさん
>ある意味、バックバンドではなく
二つが対等の立場になり、実現した形だと思います

そうですね。両者の“もっとROCKに…”という意志が噛みあった幸福な瞬間が収められているんだと思います。
THE BANDの演奏は、自身のライブ盤よりもこっちの方がのびのびとやっているような感じさえしますね。

>僕はこのアルバムを聴くたびに思う国内のバンドで
現存する最も近い偉大なバンドはMS&HKBだと思う

なるほど!確かにHKBはメンバーの誰もがウッドストック・サウンドに敬意を持ってるし、佐野元春との関係もディラン&ザ・バンドと似てますね。
うん、シンガーソングライターとバンドとの関係と言う意味においては、MSとHKBってのは理想的に思えてきました。

投稿: Y.HAGA | 2009年7月18日 (土) 11時05分

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