ROLLING STONES「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト!<40周年記念デラックス・エディション>」とな!?
どうやら、ローリング・ストーンズの名作ライブアルバム、「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト!」の<40周年記念デラックス・エディション>ってのが11月に出るらしい。
このアルバムはストーンズの69年全米ツアーの模様を収めたもので、11月27日と28日にマディソン・スクエア・ガーデンで行われたコンサートから曲がセレクトされている。キャリアの長いバンドだから、ライブ盤も数多いストーンズだけど、これをベストに挙げる人も多いんだよね。
オレ、実はこのアルバムの良さがわかったのって、恥ずかしながら90年代に入ってからなんだ。アルバム自体は70年に発売されてるんだけど、自分が初めて聴いたのは80年代中頃だったと思う。その時は“うわー、えらいヘタクソだなあ…”って思ったんだ(苦笑)。LOVE YOU LIVEやSTILL LIFEみたいな軽いノリがなく、引きずるような重たいビートにのせてシンプルなリフを繰り返すだけに感じ、なーんか物足りなさを覚えたんだよなあ…。
ところが、90年代に入って、周りが猫も杓子もデジタルサウンドの影響を受けた、定規で縦軸を区切ったようなチャキチャキしたビートばかりになった時代にこのアルバムを聴いたら、これがイイんですよー、すごく。
チャーリーのドラミングは今よりずっとシンプル。バタバタしたビートに少し後ろにのけぞった様なタッチでキース・リチャードとミック・テイラーのギターが絡む。ミックの声は…。やっぱ若い。若くてすごく瑞々しいのだ。
そう、ここに収められたストーンズはほんと若い。若いストーンズの若々しい演奏がたくさん入っているのだ。今聞くと、ちょっとスワンプ・ロック的なタッチも感じられるなあ…。
今度出る40周年記念エディションは、これまでのアルバムの最新リマスターに加え、「放蕩むすこ」や「アンダー・マイ・サム」、「サティスファクション」なんかの追加収録曲があるらしいのだ。それだけでも貴重なのに、更にゲスト・ミュージシャンの演奏も加えられるという。
ストーンズの前座ってのは、昔からスゴイ人たちが務めていて、そこからステップアップしていくパターンも多い。若き日のスティービー・ワンダーなんかもやってんだよね、ストーンズの前座。それは「フィラデルフィア・スペシャル」っていう有名なブートレッグに収められているんだけど、スティービーの「UP-TIGHT」に続けて「サティスファクション」が演奏されたり、とにかくすさまじい演奏なのだ。
69年ツアーでストーンズの前座を務めたのは、アイク&ティナ・ターナーとB.B. キング。きっと「プラウド・メアリー」や「エヴリデイ・アイ・ハヴ・ザ・ブルース」なんかが収められるんだろう。もしかしたら、ストーンズとの共演もあるかもしれない。
加えてDVDもあるというから驚きだ。演奏シーンとMSGでのバックステージの様子が入るっていうんだけど、この時期のストーンズは、日本ではその全貌があまり知られていないだけに、いったい何が飛び出すのか…。
それにしても、ストーンズのアルバムで既存のアルバムに曲が加わった事があっただろうか?ちょっとオレは記憶にない。
これまで、いろんなアーティストが既存のアルバムに未発表テイクを加えた記念盤を出してきましたよね。ストーンズは頑なにそれを拒んできた。それは彼らのプライドだったのかもしれないけど、ファンとしてはやっぱり期待しちゃうわけですよ、そういうのを。なにしろ、ストックは他のバンド以上に膨大な量があるはず。これまで、ファンはそれを高い金を出してブートで聴くしかなかった。それが公式で出るっていうんなら、これはもう大歓迎なのだ。
こうなってくると、昔からマニアの要望の高かった、70年代初頭のライブとかも期待しちゃうなあ。
ローリング・ストーンズ、21世紀に入ってもがっつり楽しませてくれます。ほんと、嬉しいなあ、このリリースは!
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コメント
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昔からコアなファンには評価の高いアルバムですが、俺も嫌いじゃないけど、個人的には『ラヴ・ユー・ライヴ』の方が好きなんですよねぇ、オフィシャルもんだと。
今度のデラックスエディションも値が張りますよね。
ヴォリュームもスゴイから仕方ないでしょうけど。
でも、ホント、コレを皮切りにいろいろ出るといいですね。
いつか、あの『NASTY MUSIC』音源も正式リリースされる日が来るのかな?
投稿: LA MOSCA | 2009年9月23日 (水) 20:11
◆LA MOSCAさん
『ラヴ・ユー・ライヴ』は、やっぱわかり易いですよね。オレもストーンズのオフィシャルどれか一つってことだったら『ラヴ・ユー・ライヴ』です。ジャケットもカッコいいしね。
でも「ゲット・ヤー…」も捨てがたいんだよなあ、俺は。この後の数年でストーンズは空前絶後のライブバンドになっちゃうんですよね。これはその原石みたいな気がします。
ナスティー関連はどうですかねえ…。マニアはみんな聴いてるでしょうからよっぽどのモノを出さないと…。ストーンズはブートも一通り聴かないとその魅力が半分も語れないという不思議なバンド。でも、それは本来健全な姿ではないんだから、この辺すべてオフィシャルに、っていうんだったらそれはそれで納得です。
ディランが今やってる仕事がそれですよね。
投稿: Y.HAGA | 2009年9月23日 (水) 21:59
HAGAさん聞いたでしょうか?
NHK青春ラジカセで サウンドストリート 渋谷陽一 ゲスト チャボ ストーンズのライブアルバムの紹介。
復刻されましたね~
http://www.nhk.or.jp/my-fm-days/
カックイ~
俺はやっぱ「スティルライフ」が1番です。
投稿: 大内ONCHI真一 | 2009年9月25日 (金) 20:32
自分は、ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト! 1枚ものだったんでラブ・ユー・ライブの2枚組より先に入手しました。 多分87~88年くらいですかね。 MIDNIGHT RAMBLER(スペル合ってるかな?)の「かっこいぃ~」がやけに印象的で STREET FIGHTING MANの演奏もシングル曲に比べ随分ラフな感じでびっくりした記憶があります。ラブ・ユー・ライブは、ライブハウスでの演奏(LPだとC面ですかね。)以降の流れが最高ですし、1曲目のHONKY TONK WOMAN の始まり方なんかも、ロック初心者マーク男ではちょっとびっくりしちゃう感じだと思います。
ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト! とラブ・ユー・ライブは、甲乙つけがたい感じです。
STILL LIFE は、サウンドもクリアでしたし、satisfaction や time is on my side が 収録されていて非常に解りやすかった印象です。 自分は 3つのライブアルバムともほぼ平均してきいていたと思います。
投稿: サッカー野郎KOB | 2009年9月26日 (土) 10:26
◆大内ONCHI真一さん
>NHK青春ラジカセで サウンドストリート 渋谷陽一 ゲスト チャボ ストーンズのライブアルバムの紹介。
聴きました!なつかし~!これはオレ、リアルタイムで聴いてたし、カセットに録ってたから何回も聴き直した覚えがあります。で、20年ぶりぐらいに聴いたわけですが、いや~渋谷さんとCHABOの会話、ほとんど憶えてました。我ながらどうでもいい記憶力には呆れます(笑)。
これ、会話ちょっとカットされてるところもありますよね。Time Is On My Sideのコメントなんかはもっと長かったと思うんだけどなあ。でも、CHABOの声、今も殆ど変わってないことにびっくりです。
こうなったら年末の「ロック大賞」で清志郎とCHABOがゲストで来た年とかのも復刻されないかなあ…。清志郎がぼそっと「ロバート・ジョンソンがいないね…」とか言ったんですよね。その15年後ぐらいに日本でもロバジョンのちょっとしたブームが起きるなんて、当時は夢にも思いませんでしたね。
投稿: Y.HAGA | 2009年9月26日 (土) 17:18
◆サッカー野郎KOBさん
僕はStill Lifeは発売日に買いましたし、ストーンズ熱にヤラレたばっかりの頃でしたから、回数としては一番多く聴いたかもしれません。
このアルバムって、昔の曲が新しいアレンジで入ってるじゃないですか。それもスタジオ盤より数倍速くてパワフルになって…。これが当時はすごく刺激的でした。Under My ThumbもLet's Spend…も知ってましたけど、当時は同じ曲だとは思えないほどカッコいい!と思ったもんなあ。
上の大内さんの書き込みにも刺激されて、昨夜久しぶりにStill Lifeを聴き直してみましたが、やっぱいいなあ~。90年代以降のストーンズはゲスト・ミュージシャンも増えて、“ローリング・ストーンズ楽団”みたいなタッチになっていきますが、81年、82年ツアーのストーンズはシンプルなギターバンド・スタイルでの形態として頂点を極めていたと思います。
欲を言えば、この時期のストーンズを日本で見たかったよ…。
投稿: Y.HAGA | 2009年9月26日 (土) 17:33
やっぱりHAGAさんとは、微妙な年齢差があるので、ストーンズへの入り方も違うんです。 自分は、Still Life リリースの頃では、まだ洋楽は、ビリージョエル位しか聴いていませんでした。
しかもStill Lifeで聴くよりも先に映画「LET'S SPEND ・・・」を観てしまいました。 多分UNDERCOVER のリリースあとだったと思います。
>90年代以降のストーンズはゲスト・ミュージシャンも増えて、“ローリング・ストーンズ楽団”みたいなタッチになっていきますが、81年、82年ツアーのストーンズはシンプルなギターバンド・スタイルでの形態として頂点を極めていたと思います。
初来日の頃には、大所帯で自分も「なんか違う・・・」って思いましたよ。 それでも目の前で観れて嬉しかったですけどね。
投稿: サッカー野郎KOB | 2009年9月27日 (日) 19:43
◆サッカー野郎KOBさん
あれ?KOBさんって僕より歳したでしたっけ?すっかり同い年だと勘違いしてました。すいません(苦笑)。
>初来日の頃には、大所帯で自分も「なんか違う・・・」って思いましたよ。 それでも目の前で観れて嬉しかったですけどね。
僕はね、STEEL WHEELS以降のストーンズは、その前とは違うバンドに生まれ変ったような印象を持っています。ルーズでラフなイメージから、シンセやコーラスもばんばん入れてゴージャスなユニットになったっていう…。デジタル時代の隆盛でそれも仕方がないことなのかとは思ったんですが、ちょっと寂しかったことも事実。
でも、そこからストーンズはどんどんシンプルになっていって、また昔のようにラフな持ち味を取り戻していくんですよね。
オレ、何よりそこがスゴイと思う、ストーンズは。普通はSTEEL WHEELSツアーみたいなことをやったらそれが最終形になると思うよ。そこからさらに高いところに上がるんだからなあ…。B2Bツアーでのセンターステージでの演奏なんて、涙出ましたよ、マジで。奇跡です、あんなのは。
投稿: Y.HAGA | 2009年9月28日 (月) 12:56