« 思っちゃいけないことだけど思っちゃうこと | トップページ | 走れない »

2009年10月 1日 (木)

山口洋 on the road,again vol.5 / 10月1日 (木) 吉祥寺・Star Pine's Cafe

山口洋のソロライブを観に吉祥寺へ。
会場となったスター・パインズ・カフェは、今年の4月にもライブ盤のリリースに合わせたライブが行われたところだ。MCでヒロシは“オレは滅多に人を褒めないんだけど、ここのスタッフは素晴らしい”と言っていたっけ。確かにここはヒロシのライブのムードによく合っていると思う。雰囲気のある階段をゆっくりと降りると目の前に広がる洞窟のような空間は、まるでニューヨークの町中にあるライブハウスのよう。知り合い女史の粋なはからいで、この夜はスター・パインズの最前列でライブを楽しむことができた。

やっぱしギター、巧いや…。超絶的な演奏を聞かせるっていうタイプとはちょっと違うけど、アコギと足元のチビヒロシ(エフェクト・ボード)だけで、目の前に曲の光景が広がるような映像的な音色を聞かせる。

この日もライブは2部構成で行われたのだが、1部と2部ではだいぶ雰囲気が違っていたように思う。「ハピネス」から始まった1部は比較的穏やかな楽曲が並んでいたのだが、2部はシリアスな詞の乗った曲が続き、客席にはほどよい緊張感が漂っていた。
印象的だったのは、最後の曲をヒロシが歌い始めたとき客席の一部がややざわついていたんだけど、それをわざわざ止めて演奏を最初からやり直したことだ。それだけ集中して歌いたかったんだろうし、それなりのテンションを客にも求めるんだよな、ヒロシは。だからそういう意味では緊張したよ、最前列は(苦笑)。

セットリストはけっこうレアだったんじゃないのかなあ…。オレはまだまだ山口洋初心者なんだけど、「思いは叶わない」というサビが印象的だった新曲や、4ビートでトーキング・ブルース調にプレイされた曲など、初めて聴くものも多かった。

しっかし、毎回見ていて思うんだけど、この人は究極のカッコつけ男だ(苦笑)。
楽曲をじっくり聴けば、素顔のヒロシには女性的といっても良いぐらいの繊細さや不器用な優しさが内包されていることに気が付くはずなんだけど、ステージではそんなことはおくびにも出さない。突き放したような武骨なMCでニヒルな笑いを浮かべ、客席からの声援にも天邪鬼な答えを返しながらゴツゴツとギターを弾く。
でも、オレはヒロシのこのカッコつけぶりにすごく惹かれてしまうんだよなあ…。男ってのは、ある程度“伊達”で生きなきゃならない部分も必要だと思うんだ。“武士は食わねど高鼾”じゃないけど、若い時は大なり小なり誰もが虚勢を張って生きているもんじゃん?でも、齢と共に気持ちも身体も萎えてきて、それを維持していくのがだんだん億劫になってきてしまう。それはヒロシも同じだと思うんだけど、彼は自らにプレッシャーをかけてそれに抗っているのだ。恥ずかしながらそういうところはオレにもあるので、ヒロシのカッコつけぶりに、なんだかすごく共感してしまうのだ。

ただ、オレは昔から山口洋を見ているわけじゃないから確信は持てないけど、今のヒロシはだいぶステージで自然体に近いスタンスを見せているんじゃないのかなあ…。犬のワンポイントが胸に付いた赤いポロシャツ姿で出てきたのも、なんか素に近い服装なんじゃないかと思わせるものがあった。

「33」を“73”まで歌い綴ったり、「雨の後、路は輝く」の熱いシャウトには、明日からまた頑張ろうというエネルギーをもらったぜ。11月には渋谷でHEATWAVEとしてのライブもあるし、この夜のことを思い出しつつ、オレも年末まで突っ走ろうと思う。

« 思っちゃいけないことだけど思っちゃうこと | トップページ | 走れない »

山口洋(HEATWAVE)」カテゴリの記事

コメント

あたしも行ってました。
二階席で観ていたので、実はHAGAさんがどこにいるかも解ってました。
あたしはまだまだ、最前列で観る勇気はありません。隠れて観ていたいくらい。
山口さんはあたしもまだまだ初心者なのですが、初めて観た瞬間からというか、ギターの一音と歌声を聴いた瞬間に稲妻が身体を通り抜けたような衝撃を受けました。
それは今年の1月の出来事なんですけどね。
だからまだまだファン歴10ヶ月なんです。
だけど、山口さんの歌には彼の人生というか、性格が滲み出ているような気がして追いかけずにはいられないのです。
またどこかでお会いしたら、よろしくお願いします。

◆あたしも行ってました。
>二階席で観ていたので、実はHAGAさんがどこにいるかも解ってました。

そうでしたか~(笑)。オレもね、次回からは最前列はもういいっす。やっぱ、緊張するわ、ヒロシのライブは(苦笑)。それと、スタパは前の方は意外に音響が良くないんですよね。ほんとは僕も、一人の時は二階のカウンター席がお気に入りです。

山口洋に対しての印象は、僕もりんりんさんと同じです。リクオとの“HOBO JUNGLE”で蜂の一刺しのようなギターと男気溢れる歌声に衝撃を受け、去年初めて観たHEATWAVEでガツンととどめを刺された感じです。ここ数年で出会ったミュージシャンの中でも最大級の衝撃でした。僕も、山口洋とは一生付き合っていくつもりですので、りんりんさんともまた近いうちに会えるでしょう(笑)。

 豊橋の山口洋を観てきました♪ 最前列(^-^;
 私も、ここ数年しかライヴを観ていないのですが、なんだか穏やか?でも、熱い♪ なにかを乗り越えたような?ひとつ行きついたような感じを受けました。
 11月は名古屋にHEATWAVEに行きます!

◆manaさん
そうですね、僕もなんだか今の山口洋は、自然体とまではいかないまでも、肩の力がいい具合に抜けて穏やかになりつつあるような印象を受けます。それでもあえて斜に構えたMCを口にしたりするあたり、最近は“愛”を感じるようになってきました(気持ち悪がられるかな…笑)
僕もHEATWAVE、渋谷で観ます!満を持してのフルバンド、楽しみだなあ~。

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 山口洋 on the road,again vol.5 / 10月1日 (木) 吉祥寺・Star Pine's Cafe:

» House of Crazy @ 豊橋 [月夜に釜を掘り出す]
 大学に行くつもりでしたが、手術後一カ月。関西圏の人の流れについてゆく自信もなく…。大学お休み♪じゃあ、いくしかないでしょ!行っちゃいました!山口洋さんを初めて観たのもココ。(おとなしくしてろよとも思ったのですが…。椅子があるしね♪)洋さんの繰り出す音に心ふるえたのはまるで昨日のことのよう…。このハコなんだか、とても好きなんですよね。ま、リクオさんかヒロシさんかしか来たことないんですけど…(;^_^A アセアセ・・・ 開場19時前に並んだのは私含め、3名。結局、55名?(ヒロシさんのMCによると…「... [続きを読む]

« 思っちゃいけないことだけど思っちゃうこと | トップページ | 走れない »

フォト
2023年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ