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2009年11月 5日 (木)

young forever

先日、このブログで加藤和彦さんの訃報に関する記事を書いた時、K.Iさんから「日本は若者礼賛の国なので、余計にうまく年を取るのが大変なのかもしれません。」というコメントをいただいた。
これ、全く同感だ。僕も40過ぎてから似たようなことを感じることがとても多くなってきた。結局、この国の様々な情報や文化の発信先は「若者」と「年配者」をターゲットにしたものが圧倒的に多い。最近はそこに分母の多い「団塊」ってのが加わりつつあるけど、僕ら世代の前後何十年か分は、見事に抜け落ちてしまっているように感じる。

そのせいなのかどうかは知らないが、僕ら世代には、若者文化にしがみ付くか、背伸びしてシブさを目指すかの2つしか選択肢がないと思い込んでいる人がとても多い。で、誰だって老け込むのは嫌だから、汗水たらして無理矢理若作りしちゃってる(苦笑)。今流行りのアンチエイジングだのアラフォーだのっていうのも、結局はそういうことじゃないのか。あえて言うが、そういうのはとても子供っぽいと僕は思う。

今、巷に溢れる音楽は若者向けのものばかりで大人世代が聴くべきものがない、なんてこともよく言われる。確かに僕もそう思うが、こうなってしまったのは、聞き手側が必要以上に若さに拘りすぎる事も一因なのではないだろうか。
だいたい、今現在十分に若い子たちでさえ、なお若く見せようとするぐらいなんだから、日本ってのはほんとに変な国だ(苦笑)。
たとえば、和製ディーヴァと呼ばれる女性ボーカリスト。今、そんなのがたくさんいるけど、彼女たちの歌う詞って、なんでああも子供っぽいんだろう?最近superflyっていうユニットが出てきたが、聴く人が聴けばわかると思うけど、このユニットのサウンド・コンポーザーとしての仕事ぶりはなかなかのものだ。70年代ロックやソウルのエッセンスを巧く抽出し、大人でも十分に聞きこめる音作りをしている。ところが、乗っかってる歌詞がえらく子供っぽくて、僕なんかはもう、がっくりきてしまうのだ(苦笑)。
これはもうセンスの問題で、倉木麻衣なんていうギミックR&B歌手を“うまい”と思ってありがたがってる自称音楽好きがいるぐらいだから、僕が何を言ってもどうしようもないことなのかもしれないが、あれを30過ぎの女性にカラオケで朗々とうたわれたら、かなりイタイ。確実に引くぞ、オレは(苦笑)。
そもそも、歌謡曲ってのは本来狭い世代に向けて放たれるべきものではないのだ。かつて、松任谷由美や中島みゆきは、若かりし時でも普遍的な世代へ向けた歌をうたっていた。そして、彼女たちの作った歌の幾つかは世代も時代も超えて今も歌い継がれている。つまりはそういうことなのではないだろうか。

40代は体力はなくなるし、外見だって変わっていく。でも、そんなことは当り前じゃないか。加齢を否定したってしょうがないのだ。歳をとることは決して失うことばかりじゃない。僕らはそれ以上に素敵なこと、たとえば経験から身に付けた自分を楽しませる時間の過ごし方とか、若い時よりも深化した異性との接し方とかを身に着けているはず。年月を重ねたからこそ得られたそういう諸々を、僕らはもっと慈しむべきだと思う。

いい歳して女子大生に間違われた?それの何が嬉しい?外国人の女性に歳より若く見えるなんて言うと、嫌な顔をされるだけだぜ。ただででさえ幼く見える国民性だっていうのに、年齢より子供に見られて喜ぶのは日本人だけだ。
若さにしがみ付くのは勝手だけど、そういうことは大っぴらに言うようなことじゃないと思うし、僕らの住む世界を狭くしちゃうだけだ。
少なくとも僕は、エネルギー過剰な女子大生よりも、疲れたOLさんの方がよっぽど魅力的だと思います(笑)。

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日記」カテゴリの記事

コメント

どうも、お疲れ気味のOLさんです(笑)
お褒めにあずかり光栄です、なんて。

若々しくありたいのは女性のサガみたいなもんなんで、少し大目に見てあげてください(笑)。でも、そこにあまりに執着する人はちょっと痛々しいですよね…。

確かに日本は音楽に限らず、「大人(実年齢はともかく)」のための文化に乏しい国だと思います。せいぜいこじゃれたバーやレストランくらいでしょうか(苦笑)。
それで、すぐに「いい歳して」とか言われちゃうし。

でも、そんな中でも素敵に年を重ねてる人もいるし、すごいな!って思う若い子もいる。探せば結構楽しい遊びや音楽もある。これからは若者の数は減っていくし(笑)、若者迎合だけでは世の中も経済も回っていかない…はずです。「おかしいぞ」と思う人たちが少しずつでも行動していけば、もっと面白い世の中になるんじゃないかなーと思ってます。いや、思わないと、動かないとつまらない(笑)。

投稿: ayako | 2009年11月 6日 (金) 23時47分

確かに日本って「若いこと=よいことだ!」の風潮ありますね。
あと・・「年取ったオトコ=くたびれたオヤジ」みたいで
「カッコよさ・ステキさ・こうなりたい」みたいのが無いのかも。
雑誌で「チョイわるオヤジ」を囃し立ててるの見てると苦笑します。

一方で30代、40代向けの文化も育ちつつあると思います。
ボク等が10代、20代のときデビューしたミュージシャンが
齢をとって更にステキな作品を創ってる。
ビッグヒットを飛ばしたり雑誌で取り上げたりしなくても。
確実にファンはフォローしている。

元春もチャボさんもそうだし、ヒートウエイヴ、リクオ、
ソウルフラワーなんかもそうでしょう。
ボクが好きな鈴木祥子、カーネーションも年取ってからの
活動が更にオモシロいです。

逆にメディアがもっと中堅・ベテランのミュージシャン等
の活動をもっと取り上げて欲しいな。
そこから若者が「年上のステキなモデルケース」を見つけられる。
そういう善い循環が出来るような気もするんですが。

ボクも40代半ば。初めてこの齢を迎えて・・正直戸惑います。
今更若い時には戻りたくもない。
ただ「どんな大人になりたいのか?」が見えません。
肉体も精神も衰え錆びていく中で・・・どう生きたらステキか?

現在(いま)の元春の作品を聴くとそういうこと考えちゃいます。

その意味でもキヨシロー・加藤さんの逝去は

投稿: ながわ | 2009年11月 7日 (土) 08時40分

あ、ヘンなとこで文章送信しちゃいました。スミマセン

その意味でもキヨシロー・加藤さんの逝去は残念です。
年上の最高にカッコいい「おとな」のモデルケースだったので。

投稿: ながわ | 2009年11月 7日 (土) 08時41分

HAGAさん、こんにちは。
あたしの今住んでいる町は、愉快な大人たちがいっぱいいて、夜毎どこかのバーで盛り上がっていたり、ライブやイベントを計画→実行したり、とっても楽しいです。
機会があったら、ぜひぜひ遊びに来てください。

投稿: りんりん | 2009年11月 7日 (土) 09時28分

昨日の日経新聞の夕刊だったと思うのですが、「日本では20~30代前半の購買力のある層に向けてのテレビ番組が作られているが、最近また中身のある大人向けのドラマが観られるようになってきた。これはいい兆しではないか」というようなコラムが載っていました。
生活費と子どもの教育資金でいっぱいいっぱいの40代は経済の論理の中で埋没してしまっているのかもしれませんが、40代が自分に使うお金がアンチエイジングの化粧品代だけ、なんて笑えない冗談みたいな話ですよね。
「他人の目を気にして生きるなんてくだらないことさ」です。そのお金を音楽や舞台や読書など本当に自分がやりたいことに使って人生を楽しむ大人が増えれば、みんなの意識が変わるかもしれませんね!

投稿: K.I | 2009年11月 8日 (日) 14時07分

◆ayakoさん
いやあ~ayakoちゃんは疲れてないでしょう、どう見ても。あ、疲れてなくても魅力的なことには変わりないですよ(笑)。

確かに、町の中には大人のための楽しいこともたくさんあるんですよね。そういうことは雑誌やネット見てても見つからない。自分で探してピンときたらそういう人たちと連帯するようにしないとダメなんでしょうね。

投稿: Y.HAGA | 2009年11月 8日 (日) 20時20分

◆ながわさん
>雑誌で「チョイわるオヤジ」を囃し立ててるの見てると苦笑します。

僕もそう思います。少なくとも、「チョイ悪」なんてのは目指してやることじゃないですよね。なんかそういうのはすごく子供っぽいと思うなあ…(苦笑)。

ながわさんが挙げてくださったミュージシャンは、僕の好みにもろリンクしてます。そう、結局僕らがグッとくるミュージシャンって、メディアが取り上げてる中からセレクトするんじゃなくて、同時代を併走してるような感覚を持てる人たちなんですよね。

>その意味でもキヨシロー・加藤さんの逝去は残念です。
年上の最高にカッコいい「おとな」のモデルケースだったので。

そうなんですよねー。少し上の世代で悠々と歳を取ってる人がいるのはすごく勇気付けられるんですけどね。

でも、肉体や精神は確かに衰えるけど、若い時に思ってたほどのもんでもないなあ、って気もしてるんですよね、実は。筋トレを始めたり煙草を止めたりしたせいもあるんだろうけど、30代の頃より今のほうが調子いいぐらいです。

投稿: Y.HAGA | 2009年11月 8日 (日) 20時28分

◆りんりんさん
そうそう、この前のリクオライブ@南青山では、りんりんさんご常連のバーのママさんに再会しましたよ。あちらのほうから気さくに声をかけて頂いて、すごくオープン・マインドな方だなあって嬉しくなりました。
りんりんさんの町はなんかすごく楽しそうなところですよね。東京にもほど近いのになんかノリが全然違うような…(笑)。
せっかくお知り合いになれたんだし、機会があれば遊びに行きたいです!なにか面白そうなイベントがあれば、是非誘って!

投稿: Y.HAGA | 2009年11月 8日 (日) 20時33分

◆K.Iさん
>40代が自分に使うお金がアンチエイジングの化粧品代だけ、なんて笑えない冗談みたいな話ですよね。

そうですよねえ。ドラッグストアでコラーゲン入りの5000円の化粧品を買って、その日の夕食は同じお店の198円のレトルトカレーなんてのは、どう考えても変なバランスの生活スタイルじゃないかなあ…(苦笑)。

でも、ほんと他人の目なんか気にしてもしょうがないんだし、僕は僕の楽しみを見つけて飄々と生きていきたいです。時間とお金を上手く使って、40代の今の時を楽しんで過ごせたらいいなあ。

投稿: Y.HAGA | 2009年11月 8日 (日) 20時40分

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