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2009年12月26日 (土)

山口洋×おおはた雄一 / 12月26日(土) 東京・duo MUSIC EXCHANGE

山口洋×おおはた雄一 / 12月26日(土) 東京・duo MUSIC EXCHANGE
出演=山口洋/おおはた雄一
開場/開演=18時/19時

11月に入ってから突然決まった、ギター男2人によるデュオライブ。
この組み合わせを最初聞いた時、ちょっと意外な気がしたんだよな、オレは。だって、ヒロシは何をやるにも1か100かしかない熱い男。片や、おおはた君は肩の力の抜けた天然系のギタリスト。一見、水と油のこの2人、どこに接点を見つけたのだろう…。
実は、僕はおおはた雄一のライブを一度だけ観たことがある。2年前に江ノ島で行われた「海さくらコンサート」というイベントに、彼が出演していたのだ。ただ、その時の自分のブログには、おおはた雄一に関する記述があまりないことからもわかるとおり、あんまり印象に残んなかったんだよな、これが(苦笑)。その前に出たハシケンとSaigenjiの印象が強烈だったせいもあり、余計そういう印象が強く残ってしまったんだけど、僕の持ったおおはた雄一へ対するファースト・インスピレーションは、ちょっとフォーキーな線の細い音楽をやっている人、という感じだった。少なくとも、“ロック”というイメージはあまり感じられなかったのが正直なところだ。
ところが、去年あたりだったか、リクオの日記に“滅多に他人を褒めない山口洋が、珍しくおおはた雄一を絶賛している”というエピソードが書かれていた事があり、それが妙にアタマに残っていたんだよなあ。一体ヒロシはこのスキニーなギタリストのどこにこれほど惹かれているんだろう?このライブの一番の興味はそこだった。

で、1曲目のおおはた雄一のボーカルに、ヒロシがギターを乗せた瞬間、あっ!と思わされたんだよ。
なんて言うんだろう、歌に寄り添うギターはあまりにもジャストだった。ジャストすぎた。ボーカルから一歩下がったところで爪弾かれるヒロシのアコギは、物凄く琴線に触れた。ある意味、ヒロシのソロライブ以上にだ…。
2時間半の間、ヒロシは時としてワイルド、時として最近ないほどリリカルにギターを爪弾いた。おおはた君は終始飄々としていた。どっちも全然無理していない。だけど、すごく当たり前の佇まいなのだ。
何と言っても、2人とも自然ですごく楽しそうだった。これは、2人が同じギタリストだったということが大きいと思う。世代は違えど、ギターを弾きながら曲を作り、歌う表現者同士。フォーマットを同じにしているからこそ分かり合えるツボ、それが観客にもはっきりとわかるパフォーマンスだった。

ほんと、ヒロシはのっていた。嬉しそうだった。なにしろ、グレッチを手にした頻度といったら、バンドを除けば、最近の自分のライブよりずっと多かったぐらいなのだから…。ソロライブよりもエレキを弾きまくり、ギターの手数も明らかに多かった。
そしておおはた君。この日のおおはた君からは、すごく力強さを感じた。それと、ナチュラルであることの素晴らしさも…。おおはた君の普段の客層がどうなのかは知らないけれど、少なくとも“バカになれーっ!”なんて声援は出ないだろう(笑)。そんな反応にも全く動ぜず、“んー?どうすりゃいいのかな~”なんて飄々と受け流し、曲の合間には“サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ ”や“21センチュリー・ボーイ”のフレーズを弾いたりする。そこには、彼のロック少年の初期衝動が見え隠れしていた。それをヒロシは、ニヤリと笑って受け流す。とにかく、2人の佇まいがすごく良かった。すごく自然でピュアなミュージシャン・シップだった。

この佇まいは、ある意味体育会的だったと思う。おおはた君はセンパイであるヒロシをリスペクトし、普段はあまり見せないであろうロック的なアプローチに近づいて見せた。ヒロシはヒロシで、おおはた君の世界観をぐんと受け止め、時としてその中で激しく感情が揺さぶられているのを、恥ずることなく観客に見せていた。それは本当に美しい光景だったんだよ。
オレ、ちょっと嫉妬に似た気持ちを覚えたもん…。これはギターという共通の魔法の道具を持つ男同士だからこそ具現化できる世界。“体育会ギター部”部長・山口洋。副部長・おおはた雄一。そんな感じだ(笑)。

セットリストは、ムッシュの「ゴロワーズを吸った事があるかい?」といった、意外なカバーもあったけど、ほとんどは2人の代表曲を交互にやっていく形。
印象に残ったのは、ヒロシの「Life Goes On」。イントロの入り方がすごくカッコよかったし、おおはた君のスチール・ギターは痺れた。それから新曲の「Star Light」ね。オレはこの前のHEATWAVEのライブに行けなかったので、はじめてこれを聴いたんだけど、参った。圧倒された。
そこへきて、「オリオンへの道」だ。くぅ~!ヒロシ~!オレ、白状するけど泣きそうだったぜ…。

汗を流し 胸を焦がし

年末の渋谷、いろんな事があった2009年の師走に、この雑踏でこの曲を聞いている44歳の自分に、ちょっとぐっときてしまった…。

そして、おおはた君の「おだやかな暮らし」。ヒロシはこの曲をおおはた君のそばで奏でる時、涙を必死に堪えていた。ヒロシはこの曲を、2009年最も感動した曲だと断言していた。今日のこの日も、車の中でこの曲を大音量で流しながら号泣してきたところだと、そんなことを恥ずることなく言い放つ。オレは、そんなヒロシを心の底からカッコいいと思うぜ。
そして、こんな曲を作ってしまえる20代の男、おおはた雄一というシンガー・ソング・ライターに、並々ならぬ才能を感じた。

アンコールでは おおはた君が仕込んだサプライズで、山口洋の誕生日を祝したケーキが登場。おおはた君の爪弾く「Happy Birthday to you」をオーディエンスも一緒に歌い、ヒロシは照れくさそうに46本の蝋燭の灯を消した。山口洋は、マジに涙ぐみ、「46年間生きてきた中で、最高の誕生日。ありがとう!」と叫ぶ。

なんだか、夢のような、予想を遥かに上回るような初共演だった。
山口洋×おおはた雄一。これはもう、またやらないわけにはいかないでしょう!なんか、この2人の組み合わせは、ホーボー・ジャングルとはまた違った面白さと、無限の進化の伸びシロを感じる。
近い将来、この2人の邂逅が見られることを、オレは確信している。
年末の渋谷で、新しい出会いの幕開けを感じた。

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