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2009年12月13日 (日)

クレイジー・フィンガーズ「Tiger Driver 2009」 / 2009年12月13日(日)横浜Thumbs Up

2009年12月13日(日) CRAZY FINGERS「Tiger Driver 2009」 横浜 ThumbsUp
CRAZY FINGERS(リクオ/Dr.kyOn/斎藤有太)
開場18:00 開演19:00  前¥4000 当¥4500

久しぶりの生クレイジー・フィンガーズ。ツアーに出るのは2年半ぶりだそうだ。ソロに、他のミュージシャンのサポートにと、みんな超忙しいからなあ~。しかも、斎藤有太の参加はなんと4年ぶり。最近のクレイジー・フィンガーズは、リクオ+kyOn+YANCYっていう組み合わせが多くなっており、初期メンバー、伊藤ミキオと斎藤有太の合流は少なくなっていたから、この復活は個人的にとても嬉しい。

久しぶりのライブということもあって、この日はステージも客席も、久しぶりに味わうクレフィンの感触を確かめつつ、このユニットの持つ底抜けに楽しい音楽性に改めて気付かされるようなタッチがあったと思う。
この日はリハーサルが少し押し気味になり、開場は15分遅れぐらいになった。店内に入ると、いつもの音楽仲間とテーブルを囲む。サムズアップは、こうやって飲みながら食べながらライブを観られるのがいい。まあ、僕は一人でライブを観ていても全然平気なタイプではあるんだけど、やっぱりクレフィンのライブ見たいな時は、パーティー感覚でわいわい見る方が断然楽しいと思う。ご一緒してくださった女子2名に感謝です(笑)。
女子といえば、首都圏のリクオ関連のライブはいつも女子率が高いんだけど、この日はフロアを見渡すと男性の姿も結構あった。ちょっとファン層に変化があったような気もするなあ…。

19:15過ぎ、ファンにはおなじみのクレフィン・キャラの猫マスクをかぶって3人が登場。リクオは、長い髪を後ろで束ね、ブラウンのレザー・パンツとジャケットといういでたち。kyOnさんは朱色のベルベットのスタンドカラー・スーツにニット帽を被っていた。斎藤勇太は落ち着いた色合いのベルベットっぽい生地のスーツ。並びは、ステージに向かって左手にリクオ、右手に斎藤有太、中央にkyOnさんという配置だった。

ライブはおなじみの「MICK’S BLESSING」でスタート。実は、僕は奇しくもこの前の日にあったソウル・フラワー・ユニオンのライブでも、奥野のキーボードをフューチャーしたこの曲を聴いてたんだけど、当たり前だが、クレフィンの演奏はSFUのそれとはぜんぜん違う。3台のキーボードが転げ回り、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような楽しさだ。そうそう、この感じ、この感じ…。僕は、久々に味わうクレフィン・サウンドの楽しさを改めてかみしめた。

序盤は、ステージも客席も、久しぶりに聴くクレフィン・サウンドに、頭と身体をほぐす様な感じで進んでいったような気がする。「LOUISIANA BREAKDOWN」や「FUCKIN’TIME」みたいな、定番曲のオンパレードと目の醒めるようなインストの早弾き…。さすがに実力派の3人。リラックスしつつも、いい意味での緊張感もみなぎったステージ。
それにしても、ほんとに2年半ぶりなのか?と疑ってしっまうほど、3人はコンビネーション抜群だった。メンバー紹介の時には“イケメン、韓流スター”と紹介された有太が、いきなり冬のソナタのテーマを弾き出して客席の笑いをとったりして、ステージングにもプロの芸を見せてもらったし(笑)。

2部は3人での演奏以外に、2人づつの組み合わせでデュオ形式の演奏も披露された。kyOnさんがカバーした美空ひばりの「びっこの七面鳥」など、珍しい曲も飛び出した。
聴いていて気が付いたんだけど、この3人の組み合わせって実は初めてなんだよね。これまではここにYANCYなり伊藤ミキオなりがいたからなあ…。初めての組み合わせに、3人がお互いに刺激を受けながらプレイしている感覚が、客席にもはっきりと伝わってきた。

途中に休憩を入れ、演奏は実質2時間半ぐらいだったかな…。とにかく楽しかった!やっぱり、クレイジー・フィンガーズはクリスマスが迫った今の時期みたいな、うきうきしたムードに良く似合う。僕は千秋楽の渋谷BYGでのライブには行けないんだけど、この分でいったら最終日は相当に盛り上がっちゃうんだろうなあ。

それから、この日のステージからは、3人がそれぞれ通り抜けてきた2年半が、にじみ出ていたようなタッチもあったと思う。
実際、久しぶりっていう感覚はリクオにもあったようで、ツアー直前の彼の日記では、それぞれのメンバーの近況が書かれていた。なんでも、ヘビースモーカーだった齋藤有太は、手の骨折を機にすぱっとタバコを止めたというし、シガー好きで有名だったkyOnさんも、ある出来事を機に葉巻を止めたというのだ。

かつては僕も煙草吸いだったからわかるけど、男が煙草をきっぱり止める時ってのは、価値観をがらっと変えてしまうような、かなり強力な出来事が起こった時が多いように思う。だって、それまで習慣にしていたものが“健康のため”なんつう甘っちょろい理由で止められるわけないでしょ?(苦笑)。
因みに、オレが煙草を止めたのは、忌野清志郎が癌を公表した時。オレは願掛けにきっぱり煙草を止めた。以来、吸いたいと思ったことは一度もないし、たぶんもう死ぬまで煙草は口にしないだろう。

これは僕の想像だけど、ピアノマンにとって命より大事な手を怪我した有太は、それを通して何か大きな心境の変化があったのではないだろうか?
kyOnさんにいたっては、なんと自身のHPで出家したと発言している!最初、冗談かと思ったんです、俺(普通そう思うよな…)。ところが、文章にはジョークの色は欠片もないし、陽気に語ってはいるものの、かなりシリアスなタッチも見え隠れしている。きっと、これはほんとなんだと思う。
この日のkyOnさんはお洒落な赤いベルベット・スーツを身に着けていたんだけど、ヘアスタイルはもちろん坊主。でも、なかなか似合ってたんだよなあ、これが。考えてみれば、2年半前はリクオがこういうヘアスタイルだったんだよなあ。まるで、2人のルックスが入れ替わっちゃったみたい(笑)。

まあ、人間、生きていればいろんなことがあるもんだ。
クレイジー・フィンガーズというユニットが誕生したのは、つい昨日のことみたいな感じでいたけど、うーん、人に歴史あり…ですなあ…(笑)。

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コメント

初コメントさせて頂きます。
読んでいるとあの日の光景がよみがえってきました!
いや〜良いライブでしたね!!
Y.HAGAさんの言うとおり
メンバーもお客さんも日々生きていると色々あるでしょう。
でもそんなことを吹き飛ばす楽しさでした!!
というか色々ある上で最高の楽しさでした!!
それに目の前のクレフィンの姿に嬉しくて涙が出そうでした!!
私は渋谷もスタッフとしてお手伝いなので
最終日見届けてきます!!

◆美海工房ターツーさん
久々のクレフィン、楽しかったですね~!サムズアップという場所もクレフィンにぴったりでパーティーみたいなライブでした。

>私は渋谷もスタッフとしてお手伝いなので最終日見届けてきます!!

ターツーさん、すっかりリクオ・ファミリーの一員ですね(笑)。渋谷残念ながら行けませんが、きっと横浜以上にまとまった3人のプレイが聴けるんだろうなあ…。きっちり見届けてきてください!

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