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2010年2月12日 (金)

「笑っているよ」 -そして日々は続く-

http://www.youtube.com/watch?v=o_RuIXa_EJw

スゲエいい曲じゃん、これ!
ここ数年は忌野清志郎と一緒の曲作りも多かった伸ちゃんだけに、フシ回しはまるで清志郎の作ったメロディーかと錯覚してしまうほど。

それ以上にぐっときてしまったのは、歌詞。
この歌、カタチとしては三宅伸治が石塚英彦に贈った曲になってるけど、僕には最近の伸ちゃんの偽らざる心境が織り込まれているように思えてならない。

オレ、あんなことがあって以来、実は伸ちゃんのことがCHABO以上に心配だったんだ。
あの、お葬式で「雨上がりの夜空に」が流れた時、CHABOが人目も憚らず一心不乱に飛び跳ねたっていう報道があったじゃないですか。これはある人が言ってたことで、僕もそうだよな~って思ったんだけど、あれは胸が痛んだのと同時に、なんだか安心もしたんだよなあ…。それは、ああいう気持ちの発散ができるCHABOは、きっと大丈夫。そう思ったからだ。
人の目なんか気にせず、感情の赴くままに自分を開放できる人は、実は強いと思う。どんなにヘビーなことがあっても鬱々と沈みこむことはないのではないか。時間はかかるかもしれないけど、CHABOはいつしか悲しみを自分の中で昇華させることができるだろう。僕はそう確信したのだ。

でも、伸ちゃんはそういう発散の仕方はできない人なんじゃないだろうか?何があっても、人前ではニコニコと笑顔を絶やさない伸ちゃん。それだけに余計彼の辛さが伝わってきて胸が痛かった。あの笑顔の影に、いったい伸ちゃんはどれだけの悲しみを抱え込んでしまっているんだろう、なんてことを思ったんだ。
これまでも時々伸ちゃんのライブに行っていた僕だけど、特別熱心なファンとは言えない自分が、果たしてこの時期に伸ちゃんのライブに足を運んでいいんだろうか…。そんな躊躇いを覚えるぐらい、僕は伸ちゃんが心配だった。

でも、「笑っているよ」を聞いて、伸ちゃんは伸ちゃんなりのやり方で(って言うか、今までの伸ちゃんと変わりないやり方で)、必死に大きな悲しみを乗り越えようとしてるんだなあ、って思ったんだ。その真摯さ、誠実さ、強さに、僕は静かな感動を覚えた。

大事な事は言えぬまま
虹の空を見上げている
あなたのうたを口ずさむ
あなたの声が聞きたいよ

でもとりあえず笑っているよ
僕は今日も笑っているよ
夜空に大きなお月様
ずっと笑って笑っているよ


そして…。
3月5日発売の忌野清志郎の新譜「Baby #1」では、なんとCHABOのギターに乗せてタッペイくんがコーラスを付けているらしい。僕は基本的に作者不在の作品に手を入れることには否定的だけど、これは素直に嬉しい。これも、如何にもCHABOらしいやり方だなって思った。

清志郎がいようといまいと、この日々は延々と続いていく。
みんな、あの人のいない世界を必死に生きているんだな…。みんなそれぞれのやり方で悲しみから必死に立ち上がろうとしてるんだな…。そう思った。
僕もお月様を見上げながら、とりあえず笑って日々を過ごしていこう。そう思った。

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忌野清志郎」カテゴリの記事

コメント

良い曲ですよね!!
テレビやラジオで三宅さんのギターをバックに歌う石ちゃんの歌声を聞くたびに
胸が熱くなります!!
実は沖縄のライブでは三宅さん本人が歌ってくれたんですが
言うまでも無くこれまた最高でしたよ!!
僕も笑っていきます!!

投稿: 美海工房ターツー | 2010年2月13日 (土) 17時26分

いい曲ですね。
私は、清志郎さんや三宅さんについては、熱狂的なファンというわけではないので(すみません)そんなに詳しく語れないのですけれど、
でもこの曲は、なんというのか「元気が出る」とか「ほっとする」っていう言い方は違うと思うんですが、
なんだか心に響きます。
このままでもいいじゃん、今までどおり、マイペースでゆっくり歩いていけばいいんだよ、って
そっと肩を抱いてくれているう感じ…?
うまくいえないんですけれど。

リクオさんの「雨上がり」に通じるものがあるかも、って、ちょっと思いました。

うまく言葉にできなくてすみません。
でも、いい曲を知りました。
ありがとうございます。

投稿: YUMI | 2010年2月13日 (土) 18時09分

あたしもずっと、ずっと伸ちゃんの方が心配でした。
無理して入るのが明らかに分かったし、それを煽る心ない観客にも苛立ちを感じていました。
この間CHABOのライブを観ていて、キヨシローはそれぞれの人々の中でそれぞれのかたちで生きている。
だから、みんな同志なんです。

投稿: りんりん | 2010年2月13日 (土) 18時54分

◆美海工房ターツーさん
石ちゃんは、元々RCサクセションの大ファンだったらしいですけど、歌い方とか清志郎をほうふつさせるものがありますよね。伸ちゃんの作る曲も、このところ清志郎との共作が多かっただけに、清志郎節が乗り移ってるようで、じーんとしてしまいます。
でも、やっぱりまだ伸ちゃんのライブに行くのはちょっと辛いかな…。

投稿: Y.HAGA | 2010年2月13日 (土) 22時16分

◆YUMIさん
>リクオさんの「雨上がり」に通じるものがあるかも、って、ちょっと思いました。

そうですね。共通するタッチは確かに感じますね。
人生、そんなに簡単に割り切れるもんじゃないってことが、歳を重ねるにつれだんだんわかってくる…。それを何とかやり過ごすのが「美しい暮らし」かなあ、なんてことを思います。

投稿: Y.HAGA | 2010年2月13日 (土) 22時20分

◆りんりんさん
僕はあれから伸ちゃんのライブに行ってません。どうしたって、清志郎の影をそこに観ようとしてしまうと思うんです。そんなのは伸ちゃんに失礼だし、自分にも辛いだろうと思って…。

>無理して入るのが明らかに分かったし、それを煽る心ない観客にも苛立ちを感じていました。

僕も以前からの伸ちゃんファンに、なんとなくそういう話は聞いてました。客層が変わってしまったって…。
伸ちゃんは普段からニコニコと気さくに見えるから、あんなことがあってから会場に来る様になった人は、ついついそういうことを言ってしまうんだと思う。それを伸ちゃんがまた誠実に受け止めようとしちゃうってのが、痛々しくて…、っていう話でした。

この曲を聴いても、とにかく笑おうとしている伸ちゃんの気持ちが痛いほど伝わってきて、なんだか胸が熱くなります。

僕、やっぱりもう少し伸ちゃんのライブに行くのは止めときます。もうちょっと時間が経って、気持ちの整理が付いたらそっと会場の後ろの方で観ることにしますわ。

投稿: Y.HAGA | 2010年2月13日 (土) 22時31分

清志郎さんの影をそこに見てしまう…
これは私が「あの日」以来、CHABOさんからも、ファンの方からも感じてしまっていたことで、それがどうしてもダメで、実は夏以降CHABOさんのライヴにほとんど行ってなかったんです(磔磔でようやく吹っ切れた気がしたのですが)。
私は三宅伸治さんはあまり知らないけれど、ここ何年かはより清志郎さんの身近にいらした方だから、余計そうだったんでしょうね。。

石塚英彦さんて苦手だったんですが、実はこの新曲の一件でかなり高感度上がりました(笑)。

投稿: ayako | 2010年2月15日 (月) 19時03分

◆ayakoさん
ayakoさんの心境、なんだか僕もわかるような気がします。僕はCHABOが去年10月にやった「I STAND ALONE」のDVD、買ったのにどうしても見れません。ライナーノーツのCHABOのコメントを読んだだけで、もうなんか辛くて…。
DVDが見られる様になるのも、伸ちゃんのライブに行くのも、僕にとってはもう少し時間がかかりそうです。

投稿: Y.HAGA | 2010年2月16日 (火) 12時15分

こんにちわ。
三宅さんは、清志郎さんが亡くなって迷子になってしまった
清志郎さんのファンの気持ちも全部引き受けて歌っているような
気がします。
でも、そんな三宅さんを元気づけるのも、三宅さんの歌を聞きに
くるお客さんなんだと思います。
心に沁みるいい曲ですね。(中年の世代に特に)

投稿: Nyan | 2010年2月17日 (水) 16時06分

◆Nyanさん
うん、ほんとにイイ曲ですね。僕、石ちゃんも、伸ちゃんが歌にこめた清志郎への想いをわかって歌ってるような気がしてるんですよ。石ちゃんも熱烈なRCファンだしね。
こうして、それぞれの人の心の中に、清志郎はずっと生き続けるんだと思います。

投稿: Y.HAGA | 2010年2月18日 (木) 09時46分

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