『闇鍋音楽祭2010』ソウル・フラワーユニオン ゲスト:勝手にしやがれ / 2010年3月28日(日)Shibuya O-WEST
僕にとっては、今年初めてのソウル・フラワー・ユニオンのライブ。
いやあ~楽しかった!僕はこの日あんまり体調がよくなかったんで、後ろの方で静かに見てようと思ったんだけど、いざ演奏が始まったら、じっとしていられなくなってしまった(笑)。
この日のライブは「闇鍋音楽祭」というイベントとしてのものだったが、これは毎年彼らがこの時期に行っている、旬のバンドとの対バン企画。今回のゲストは「勝手にしやがれ」だった。このバンドは以前、野音で見たことがあったんだけど、昭和歌謡とロカビリーを合体させたような曲を、スカパラをもっと下世話にしたようなホーン隊を交えてプレイするのが面白く思えたことを憶えている。まずは彼らが先に出て一時間ぐらい演奏した。往年の日活映画に出てくる俳優みたいに、スーツをびしっと着こなしたドラマーがボーカルをとるってのが見た目にもけっこうなインパクト。会場は彼ら目当てで来てた人もけっこう多かったみたいで、ライブもそれなりに盛り上がっていた。
でも、それもソウルフラワーが出てきたら、雰囲気一変。一曲目の「神頼みより安上がり」からフロアは大盛り上がり大会だった。ミホちゃんの煽りにのせられ、O-EASTの狭いフロアを埋め尽くした観客がいっせいに踊り出すさまは壮観だった。
僕が立っていたのはPAブースの真ん前だったせいもあり、音響もとても良くて、各パートの音がはっきり聴き分けられたのも良かった。
ライブは新旧織り交ぜた選りすぐりのセットリスト。単独ライブよりは短かったけど、それでもアンコール含めて2時間近く演奏してくれ、個人的には大満足。「極東戦線異状なし」や「人生は素晴らしい!」みたいな最近の名曲もしっかりやってくれたのが嬉しかったなあ…。
6月に出るという新曲も披露された。これ、ちょっとタイトルを忘れてしまったのだが、奥野のキーボードがスティール・ドラムみたいな音色で、ちょっとトロピカルな雰囲気の曲調。カップリングで収められるもう一つの曲も演奏され、これは「ホップ・ステップ・肉離れ」というタイトル(笑)。高木克のスライドをフューチャーした曲で、これもカラフルなイメージ。うん、この2曲を聴く限り、今度のシングルは初夏のリリースにぴったりかもしれない。
レアな曲といえば、ミホちゃんがボーカルをとった「かもめ」だろうか。これは今年の始めに亡くなった浅川マキさんのカバー。確か、レゲエタッチのアレンジだったと思う。決して感傷的にならずに、歌そのものをしっかり聴かせようとする演奏が印象に残った。
それにしても、こういう音のいい会場で彼らのライブを堪能すると、このバンドはしみじみ演奏が巧いと感じる。ソウル・フラワー・ユニオンを“日本一のミクスチャー・バンド”なんていう人がいるけれど、ほんとそうだよなあ…。リズムパターンは多彩だし、奥野さんのキーボードもとてもカラフル。ちっちゃいワクに囚われず、世界中の音楽の出汁を煮込んで作ったようなサウンドには、ロック本来の雑食性の楽しさが溢れている。何よりも、彼ら自身が世界中の音楽を分け隔てなく楽しんでいることがよくわかり、見ているだけで嬉しくなってしまうのだ。
なんて言うんだろう、音は確かにロックなんだけど、頭で感じるノリはお祭りや宴会の興奮に近いものがあるような気がするんだよなあ…。
僕は今年も何回もこのバンドのライブに行くんだろう。
まずは6月に出るシングル、そして年末の完成予定だというアルバムが楽しみだ。
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コメント
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ソウル・フラワーユニオンのライブレポート読ませていただきました!ありがとうございます。
ディラン公演のはざまの日程で、『闇鍋音楽祭2010』の参加を泣く泣くあきらめていたので、当日の様子が手に取るように分かりました。
>音は確かにロックなんだけど、頭で感じるノリはお祭りや宴会の興奮に近いものがあるような気がする
私も同感です。
投稿: パイン・ヤング | 2010年4月 1日 (木) 22:10
◆パイン・ヤングさん
いやあ~、ソウルフラワーは確かに良かったけど、ボブ・ディラン、行きたかったなあ~。今回のディランは、行った人はみんな“良かった!”って言ってますね。12,000円のチケット代はディランへのお布施になってしまいました(泣)。
投稿: Y.HAGA | 2010年4月 2日 (金) 15:37