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2010年3月 7日 (日)

Baby #1 / 忌野清志郎

41fciuoozl__sl500_aa300_ 予想を上回る素晴らしさ!
なんて楽しいアルバムなんだろう。なんて元気なアルバムなんだろう。

1曲目から完全にやられた。「I Like You」の未発表バージョン。これしかない!って感じで鳴り響くCHABOのスライド。梅津さんたちの重厚なホーン、そしてタッペイ君と金子マリのコーラス。サウンド全体が躍動している。これが後から被せた音だとはとても思えないぐらいに…。
そして、その中を自由自在に飛び回る清志郎の声、声、声、声!なんてしなやかで自信たっぷりなんだ!この頃の清志郎の「何か新しいことをおっ始めてやるぜ!」っていうエネルギーに満ち満ちている。2010年に耳にした旧友達も、その声の持つパワーに思わず乗せられてしまったのではないだろうか…。このとてつもなくポジティブで、まるでパーティーのようなテイクを聴いていると、そうとしか思えないのだ、オレは。

「I Like You」は「BABY A GOGO」のバージョンより、断然こっちの方が好きになってしまった。この高揚感!この華やかさ!サビの転調も、あのアルバムでのシンプルな演奏だと最初違和感があったのを思い出した。こういうことだったんだな!30年経ってようやくわかったぜ、清志郎!あなたの頭の中には、最初からこのイメージがあったんですね!終盤の延々繰り返されるリフレインが、もうたまんない。たまらなく気持ちE~!ずっと終わってほしくないぐらい。
これはもう、奇跡だと思う。R&Rの奇跡。こういう事が起きるのだよ、音楽ってのは。

次の「ヒロイン」も好き。もう大好きだ!ああ、このボーカル。実に、実に、実に清志郎!「ベイビイ」じゃなくて「ベイベェ~」の清志郎。ラフでハズしてて、ふざけててふてぶてしくて、何よりも自信たっぷり。
そんなこんなで、「恩赦」も「Baby#1」も、「Young Blue」も「ニュースを知りたい」も、なんだか既発のテイクより、こっちの方がずっと清志郎らしいと感じてしまった。

10曲で約45分。この1枚のCDには全く無駄な要素がない。一分一秒も無駄がない。純度100%の忌野清志郎がここにいる。
参りました。完全にヤラレました。

清志郎のアルバムには、いわゆるバンドマンとしての一発のノリを重視したタイプのものと、ボーカリスト清志郎を最大限にフューチャーしたバックバンド的サウンドのものとがあると思うのだが、これは明らかに後者の方だろう。それも、飛び切りゴージャスな、清志郎の全キャリアを通してもベストに近いもの。
聴いた人はすぐに気がついたと思うが、清志郎の声にはエコーがほとんどかかっていない。生声に近いラフなボーカルが収められていて、そこに燻し銀のプレイヤーたちが、ノリノリのサウンドを付けている。このミックスも素晴らしいと思う。

オレ、忘れてたよ。80年代後半の日本のアルバムに良く見受けられた、こういう賑やかに隙間なく音を散りばめたサウンドを…。
90年代以降、こういう音はどっちかというとトゥーマッチに捉えられてしまった。最近は制作費が削られてることも影響してるのかもしれないが、音数は少ないのに、ミックスでパートごとの音をぶっとくして空間を埋めてるアルバムが多く見られる。
でも、やっぱりこういうゴージャスに作りこまれたサウンドにはかなわない。ライブの場を多く見ている人ほど、こういう感想を強く抱くと思うけど、これこそがロックのダイナミズム。最高に気持ちいい!ボリュームを上げて聴いていると、頭が真っ白になる。

そして、このサウンドは確実に新しいと思うのだ。完璧な89年+2010型サウンド。あの当時、もしCHABOが清志郎のアルバムでギターを弾くことがあっても、こういうスライドは弾かなかったのではないだろうか?
これは89年にベーシックができていたとしても、2010年でなければ完成できなかった音なのだ。そう思うと、すごく不思議な気分。もしや、清志郎は生きてるんじゃないだろうか?ほんとにそう思ってしまう。

とにかく、今はこのアルバムをもっと聴き込みたい。もっとこの素晴らしい音を自分の身体の中に刻み込みたい。
何百回、何千回と聴きたいんだよ、今は。

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忌野清志郎」カテゴリの記事

コメント

この記事には全面的に共感します!
ずっとずっと聴き続けてたいですよね。
あっ、勝手ながら、HAGAさんのひとつ前の記事、自分のブログで引用させてもらいました。
目の覚めるような、気が楽になるような素敵な言葉があったので・・・。

投稿: LA MOSCA | 2010年3月 8日 (月) 21時25分

本当に、奇跡ってあるんだなと思いました。
このアルバムにヤラれた一人として。

バッチリとまとまったサウンドの中で、
自由自在に「声」という名前の、
鮮やかな絵の具を塗っていく清志郎が、
頭の中に息づいています。
エコーをかけない生声の処理は大正解だと思います。
10曲、45分の中で様々な歌声を使い分けていて、
今更ながら、凄いヴォーカリストだったんだと。

先週末から何度も何度も聴いては、
リフレインの波に幸せを感じています。
とても幸せなアルバムと出会えたことに感謝。

彼は、いるんですよ。多分。なんて。

投稿: きあ | 2010年3月 8日 (月) 21時28分

◆LA MOSCAさん
>ずっとずっと聴き続けてたいですよね。

ねーっ!特にI Like Youのエンディングが延々続くところなんかいつまでも終わって欲しくない気持ちになっちゃいます。

引用、どんどんしていいっすよ(笑)。僕の好き勝手な戯言が誰かの気持ちをラクにしているのなら、こんな嬉しいことはないです。

投稿: Y.HAGA | 2010年3月 9日 (火) 09時59分

◆きあさん
>エコーをかけない生声の処理は大正解だと思います。

うん、このアルバムの清志郎の声はどれもクリアーで気持ちいいですね。さすがZAK、このミックスは良くわかってるなあ~と思います。
改めて思いますが、この時期の清志郎は絶好調ですね。のびのびしていて力強くて、自信たっぷりで。世界的に見てもハイレベルなボーカルだったと思います。なんかもう、声を聴くだけで幸せな気分になっちゃうんですよね。
きっとねえ、CHABOも梅津さんも金子マリさんもたっぺいくんも、みんな同じことを感じたと思うよ。この弾むような演奏はそんな気持ちの表れなんじゃないかな。
奇跡ですよね、ほんとに。

投稿: Y.HAGA | 2010年3月 9日 (火) 10時08分

あっ、きよし
まだ生きてる
と素直に思った

CHABOのSLIDEは見事

投稿: NOAH | 2010年3月 9日 (火) 10時49分

◆NOAHさん
オレもそう思いました。元気いっぱいで跳ね回る清志郎の声を聴いてると、ほんと元気になりますね。
今、仕事も私生活もいろいろとたてこんでイライラしてたんだけど、I Like Youを聴いてたら、そんなことで悩んでてもしゃーねえや、って思っちゃいました(笑)。

投稿: Y.HAGA | 2010年3月10日 (水) 09時40分

お久しぶりです!

まさにそのとおりっ!
何だかウマく言えないけど嬉しくなってきた!
このアルバムはもっともっと聴きこむべきだと思ってます!

投稿: ブルースマン | 2010年3月11日 (木) 22時05分

◆ブルースマンさん
うぉ!お久しぶりっす!
いいアルバムですよねー。オレ、何度も聴いてるうちに清志郎だけじゃなく、このアルバムのために頑張ったミュージシャンたちの仕事ぶりにも感動してます。
ホーン・セクションのアレンジとか、梅津さんが考えたのかなあ?もう、絶妙ですよね!正にプロ中のプロの仕事だと思います。

投稿: Y.HAGA | 2010年3月12日 (金) 09時22分

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