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2010年5月26日 (水)

Leyona Live Trip “Patchwork”2010 / 2010年5月26日(水) 渋谷クラブクアトロ

Leyona Live Trip “Patchwork”2010
2010年5月26日(水) 渋谷クラブクアトロ
OPEN/START 18:30/19:30

去年の10周年記念ライブとか、ブルース・ザ・ブッチャーのライブに飛び入りしたりとか、Leyonaのライブは事あるごとに観ているような気がするんだけど、正式な単独ライブは実はけっこう久々なのだ。この日は3月にリリースされたニューアルバム「Patchwork」に合わせた短いツアーの千秋楽。いやあ~相変わらずご機嫌だぜ、Leyona!彼女ならではの自由空間を十二分に堪能させてもらった。

開演時間を少し回ってフロアにお馴染みのI BELONG TO BANDが流れると、バンドのメンバーが次々にステージに現われる。Leyonaはブラックジーンズにピンクのタンクトップ、黒のストローハットという夏らしいスタイル。華やかな雰囲気にクアトロの空気が一瞬で変わった。
Leyonaのライブはいつもそう。サウンドだけじゃなく、場の色や匂いまで変えてお客さんを丸ごと特別な空間に連れて行ってくれる。最近はそういう彼女ならではフリーなタッチを知っているファンも多いようで、会場にはひとりで来てる女の人も目に付いた。彼女たちが人目を気にすることなくニコニコと踊ってる姿を見てると、こっちも楽しくなってきてしまう。

バンドはもう、オープニングの「Cracking」から余裕しゃくしゃくだった。前にも書いたことがあったと思うけど、このバンドはLeyona史上最強だな…。沼澤尚(dr)と鈴木正人(b)のリズム隊はファンクからブルーズまでなんでもござれ。強力なビートで観客のコシを直撃するものから、しっとりと歌い上げるバラードのバックアップまで、多彩なサウンドでLeyonaを支えていた。
そこに色を加えるのは、アイゴンこと會田茂一のギター。オレ、この人のギターワーク、かなり好きだ。世代が近いせいかもしれないけど、70年代ロックへの憧憬が隠しようもなく滲み出ちゃうのがたまらない。この日のアイゴンは、クリーム色のダンエレクトロをメインに使っていたんだけど、こいつがまたLeyonaの楽曲に良く合うのですよ。ざらっとしたトーンはファンキーなリフにもイケテるし、スワンプ的なフレーズにもばっちり。エフェクトを駆使してサイケなトーンだって作れる。最近は使ってる人をあまり見かけなくなっちゃったけど、いいギターですね、これ。欲しくなっちゃったぜ、オレ。あんなに上手く弾けないけど(苦笑)。
加えてアイゴンとLeyonaは、彼女がデビュー仕立ての頃にCSの番組で一緒に司会をやってた仲だから、Leyonaにとってアイゴンは気心知れたセンパイみたいな感じなんだろう。この日はMCの掛け合いはあんまりなかったんだけど、Leyonaにとっては、隣にアイゴンが立ってるだけで安心、みたいなタッチがきっとあるんだろうな。

そんなバンドの充実ぶりはLeyona自身もよくわかってるみたい。この日のライブは、ソロシンガーというより、バンドのボーカリストみたいな立場に自分を置きたいLeyonaの気持ちがはっきり見えた。そのひとつが彼女がギターを持つ曲が今まで以上に多くなったこと。きっと、自分もバンドの一員であるという意識が強くあるんだと思う。
Leyonaのギター、すごく上手くなったと思う。デビューしたての頃、佐藤タイジに“ギターは練習やでぇ~”って言われたらしいけど(笑)、確かにこつこつ練習したんだろう、この上達ぶりは。清志郎がそうだったしミック・ジャガーもそうなんだけど、ボーカリストで味のあるギター弾く人ってけっこういるよね。特に、ボーカリストのギターはカッティングがキレキレの場合が多い。まあ、自分が歌って合いの手を入れるわけだから、タイム感がジャストなのは当たり前かもしれないけど、Leyonaのギターもその域に達しつつあると思う。

セットリストは、新譜からの曲ばかりではなく、最近のアルバムを中心にいろいろやってくれた。だけど、個人的には、やっぱり「Stepping Stones」とか「GET DOWN」みたいな、新譜からの70年代ロックの香りがするアップテンポのヤツが印象に残ったなあ…。
実は、ちょっとこの日のライブを観てて思ったんだけど、Leyona、もうちょっと曲を絞りこんでもいいんじゃないかとも思う。この人はなにしろ上手いから、何を歌ってもサマになっちゃうんですよ。でも、あんまりいろいろやっちゃうと、逆にLeyona色が薄くなっちゃうような気がするんだよなあ…。
この日は、ライブ中盤にじっくり聴かせるタイプの曲が多かったんだけど、終盤のジャンプナンバーでフロアが一気に盛り上がったように、やっぱりみんなが彼女に求めてるのはしっとり歌いこなす楽曲よりも、ダンサブルなR&Bだと思うんだよなあ。オレもそう。そういうアゲアゲのヤツでライブ一本貫いちゃったってイイじゃん!とおぢさんは思うのであった(笑)。

とは言っても、やっぱりギターの弾き語りは素晴らしかった。それと、ちょっと胸がきゅんとしたな。
だって、Leyonaってばアコギを持って椅子に腰掛けるなり“なんて素敵な夜だろう いつも夢見てたことさ…♪”なんて歌いだすんだもんよ…。続けて歌われたのは“Good Lovin'”。こういう曲をカバーしようと思う気持ち、その気持ちがなにしろ素晴らしいと思う、オレは…。
この2曲以外にも、“ダンスミュージック☆あいつ”での「膝まづきガッガッガ」とか、Leyonaのステージを見てると清志郎の影を見ることがしばしばある。自他共に認めるRCサクセション、忌野清志郎フリークだからなあ、彼女は。清志郎の遺伝子は確実にLeyonaの細胞に入っている、そんな気がした。
MCで何度もお客さんへの感謝と、自分がこうしてライブができる幸福を語っていたLeyona。その気持ちをカタチにするかのように、ラストの曲は“Thank You”だった。
Leyonaは今年デビューから11年目を迎えたけど、自分がミュージシャンであり続けられることの喜びや、音楽と関われることへの感謝の気持ちは全然変わってないんだと思う。

これからLeyonaの大好きな夏がやってくる。また近いうちに彼女のパフォーマンスを見たい。そう思った。

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コメント

「うた」が好きです。
この曲を聞くとなんだか優しい気持ちになる。

HAGAさんもいらしてたんですね! 私は今回、沼澤さんをよく観るつもりが人の波に押されて気づけばアイゴンさんの近くに…か、かっこいい!!
山本タカシさんがいいと思ってましたが、アイゴンさんも素敵でした。気づくの遅すぎですね(笑)。

私も基本的にアゲアゲ好きなんですが、男性がLeyonaちゃんに提供する曲ってしっとりロマンチックなものが多いから(Rainy Blue、Melody、愛と微笑みと花etc.)、男性はああいうの歌って欲しい人が多いのかな〜と思ってました。
そういう意味でダンスミュージック☆あいつは異色だけどある意味いちばんLeyonaらしくて、さすが清志郎さん!ですよね。

◆おぎょさん
僕も「うた」大好きです。母性を感じます(笑)。Leyonaって、これを書いた時まだ十代だったんですよね。やっぱり才能のきらめきを感じます。

◆ayakoさん
アイゴン、カッコいいよね~!タイプ的にもLeyonaの楽曲によく合ってるギタリストなんじゃないでしょうか?

Leyona、しっとり系も悪くはないけど、そういうのが得意な人は他にたくさんいるから、もっとハスッパな感じの曲(笑)をLeyonaにはたくさん歌って欲しいと思ってるんです。
それと、いまさらながらだけど「Crappin'」は名盤だなあってライブを観てて思いました。イイ曲いっぱい入ってるもんね。

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