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2010年6月16日 (水)

【2010 FIFA WORLD CUP】2010年06月15日 日本vsカメルーン

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泣いてしまった。心から感動した。

確かに、一部の海外メディアが酷評しているように、客観的に見れば日本は美しくスペクタクルなフットボールを展開したとは言い難い。
でも、だからどうした?そんなものは決勝トーナメントの常連国に任せておけ。僕らはまだそのレベルの足元にすら到達していないのだ。今の僕らに必要なのは、どんなカタチであれ“結果”を手中にすること。選手たちはそれをわかっていたからこそ、徹底してつまらないサッカーを威風堂々90分間やってのけた。そこに僕は深く感動したんだ。

危ないシーンもあった。はっきり言うと薄氷の勝利だった。
僕が思うに、決定的なピンチは大きく言って2つあったと思う。ひとつは前半37分、カメルーンの左サイドバックにパスを刈り取られ、ドリブルで一気に上がられたシーン。2つ目は後半40分台にカメルーンが最終ラインをぐいぐい上げてきたため、日本はセカンドボールを全く拾えなくなり、あられのような波状攻撃を受けたシーンだ。
前者は中途半端なパスミスを当然のように奪われたもので、これは凡ミスと言われても仕方がない。修正の余地大いにありだ。後者はある意味相手が強引にパワープレイに持ち込んできたわけだから、しょうがないと言えばしょうがないと思う。両方とも相手シュートが外れたのは、この日のニッポンが運も味方につけていたということなんだろう。

甘々に聞こえるかもしれないけど、オレはこの2つ以外、この日のニッポンはほぼ完璧だったと思っている。パスミス?そんなもの、トライしてればいくらだってあることじゃないか!
この日のニッポンのディフェンスは本当に素晴らしかった。エトーを中へ入らせなかった長友の頑張りも、中沢&闘莉王の門番も良かったけど、オレは両サイドハーフが献身的に守備をしたことと、中盤の3人がトリプルボランチ的な連携で上手く機能したことが何よりも大きいと思う。
攻撃では右ハーフの松井大輔。以前から大好きな選手ではあったが、この日の勇敢なプレイには心から感動させられた。フランスリーグで黒人選手とのマッチアップに慣れているとは言え、黒豹のように立ちはだかるカメルーンのDF陣に、何度も何度もドリブル突破を試みる青きサムライの勇気と気迫…。本当に心打たれた。なんか、書いていてまた涙ぐんでしまうぐらいだ…。

だけど、あえて言えばこの日の試合にヒーローはいなかったのではないか。この試合に関わった全員が、魂を震わせて必死に、必死に、必死に、必死に闘っていることが見る者にもはっきりと伝わってきた。一人のストライカーが超人的な技で勝利をもぎ取ったのではなく、誰もが自分の役割を自覚し、ベンチやスタッフも含めた全員が闘って貴重な海外でのW杯初勝利をものにした意義はとてつもなく大きいと思う。

確かに、カメルーンはグダグダだった。日本にとって最も幸運だったのは、このチームでのエトーはゴールを決める役割以外に、チーム全体のオーガナイズもしなければならなかったということ。そして、ストライカーとしては超一流の彼も、そっちにおいてはそうではなかったということだ。そのため、日本にとって最高に危険であったはずの黒豹は、ほとんど右のアウトサイドに貼り付き状態になっていた。
でも、だからと言ってこの勝利の輝きはいささかも揺るがない。そもそも、選手間の関係やコンディションも含めてトータルにチームを作り上げていくのも、国際大会における大切なチーム・マネジメントだ。実際、前回大会までの日本は、実力以前にそこがダメダメだったのだから…。もし、今回のカメルーンがそれに失敗していたというのなら、そこも含めて日本はカメルーンに勝っていたのだ。

もちろん、僕らはまだ何も手にしてはいない。でも、この勝利を境に、明日から見るであろう光景はこれまでとは少しだけ違ったものになるのではないか。
実を言うと、オレ自身、最近はチームの急激な進化ばかり夢見て、目先の成果が出ないと文句ばかり言っているサッカーファンに、ほとほと嫌気がさしていた。これが日本のサッカーファンのベーシックなスタンスだというのなら、オレはもうそんなところにはいたくないとすら思った。これからは何があろうと黙して語らず、静かに熱く日本代表を追い続けていよう…。そんなことまで思っていたんだけど、この夜を境にまた考えが変わったな。

繰り返すが、これは断じて酷い試合でもつまらない試合でもなかった。1-0のスコアは本当に美しい。4年前の悪夢を払拭してくれたことが本当に嬉しい。僕たちの代表が、こんなにも魂を振るわせてくれる試合をしてくれたことが本当に嬉しい。この試合、MVPは本田でも松井でも長谷部でもない。チーム全員がMVPだ。

ゴールを決めて、ベンチの輪に飛び込む本田の写真を見るたびに、また涙が出てきてしまう…。

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