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2010年6月19日 (土)

GO!!60 CHABO with HAYAKAWA Tour 2010 仲井戸“CHABO”麗市・早川岳晴 / 2010年06月19日(土) 南青山MANDALA

実は、自分にとって今回のCHABO還暦ツアーはこれが初めての参加。以前はツアーともなれば、地方まで追っかけたりもしたんだけど、最近は仕事も普段の生活も忙しくなり、さすがにそういうことは難しくなってきた。ま、これが歳を重ねるってことなんでしょうな(苦笑)。加えて、最近は首都圏のCHABOのライブはチケットを取るのがなかなか難しくなってきている。たぶん、昨年あんなことがあって、これまでライブに来てなかった、かつてのRCファンがライブに戻って来たんだろう。どんなきっかけであれ、CHABOの音楽が多くの人に届くのはすごくいいこと。まあ、個人的にはチケットが手に入り難くなったことは辛いけど、こればっかりはしょうがない。“欲しいものがいつも手に入るとは限らない”って、ミック・ジャガーも歌ってたじゃん(苦笑)。

オレはこの状況を逆手にとろうと考えた。この日までCHABOのライブが見られないことは早くからわかっていたから、できる限り情報を遮断して、まっさらな状態で臨もうと思ったのだ。このネット社会の中、これはなかなか難しい。強固な意志とドMな性格を併せ持ったオレみたいなタイプじゃないと無理(苦笑)。
真面目な話、オレみたいに先入観なしでライブに臨みたいと思ってる地方のファンは多いと思うんだ。だから、この記事もレポじゃなくて、できる限り自分の想いを記すことにとどめたい。でも、どうしても幾つかは曲名を書くことになっちゃうと思う。全くの白紙でライブに臨みたい人は、どうかこの記事、読み飛ばしてください。ヨロシク。

この日はステージ中央やや右寄り、ボックスシートのテーブル席最前列に座った。ここは視界を遮るものが何もないんで、MANDALAで一番好きな席だ。開演前は前述した自分流のモチベーションの高め方でかなり緊張していたんだけど、すぐ後ろに知り合いのソウルシスターが座ってくれ、彼女が行って来たばかりのニューオリンズ・ジャズフェスティバルの話なんかをしてくれたおかげで、思いがけなくリラックスすることができた。ありがとう。感謝してます。

全体を通してまず感じたのは、一曲一曲の演奏時間が長いこと。序盤は比較的定番の曲が続いたんだけど、「ギブソン」なんか間奏がすごく長くなっていて、おそらく曲全体は10分以上あったと思う。CHABOのギターと早川さんのベースの絡みは、まるでギターバトル。これはバンドでもソロでもなく、デュオだからこそ産み出せるスリルだと思う。
それから、2人が頻繁に楽器を持ち替えていたのも印象的だった。ステージ袖のラックに用意された楽器は、とてもプレイヤー2人分とは思えないほどの異常な多さ(笑)。CHABOは複数のアコギにエレアコ、早川さんにいたってはでっかいウッドベースまで持ち込んでいたんだから驚いてしまう。因みにこれは輸送にも手間がかかるし、とてもデリケートな楽器だから、早川さんもあまり過酷な移動はさせたくなかったらしいのだが、CHABOがどうしてもこの音色が欲しいと無理を承知でお願いしたらしい。そこまでして地方の客に最高のライブを見せようとするCHABOの気持ちがまず素晴らしいし、それに応えた早川さんもまた素晴らしいと思う。

楽器といえば、北海道の電気屋さんに造ってもらったというベースやエレキギターを2人が使っていたのも興味深かった。MCによれば、この電気屋さんは最初、ギターを作成してCHABOに贈ったらしい(昨年のMANDALAライブで、CHABOが“雨上がりの夜空に”で使った小型のナチュラル・ウッドのギターがそれだ)。それを見た早川さんが“ベースも作れなきゃ一人前じゃないよ…”と本人に言ってベースが出来上がったそうだ。世の中にミュージシャン多しといえど、こういうパターンはあんまりないような気がする。それだけ熱心なファンが全国にいるということなんだろうな…。

演奏された楽曲はこれまでとは異なるアレンジが施されたものも多かった。特に自分が印象に残ったのは、オープンコードでプレイされた「BGM」。リズムボックスを使用して気持ち良さそうにコードストロークする様は、まるで「真夏の熱帯夜」みたいなタッチ。カッコよかった。
ポエトリーリーディングが1曲だけだったのは少し意外だったな。これは早川さんのソロ曲に「読書する男」という新作の詞を載せたもの。
カバーが少なかったのも意外といえば意外。そのカバー曲、マーサ&バンデラスの「Dancing In The Street」は中盤のハイライトだった。途中、ウィルソン・ピケットの「ダンス天国」のコーラスをお客さんに歌わせたりして、客席は大盛り上がり。これは地方でも同じように持ち上がっているそうで、CHABOは嬉しそうだった。

もうひとつ、このツアーに関してオレはどうしても気になっていたことがあった。それは、果たしてCHABOはRCサクセションの曲を演るのかどうかということ。ファンなら知っているだろうけど、CHABOは昨年10月に「I stand alone」という、ほとんど全編RCの曲で構成された一夜限りの特別なライブを行った。おそらく、一夜のうちにあれほど多くのRCナンバーをやるライブは二度とやらないだろう。あれは重要な区切りの一夜。僭越ながら、自分もこのライブで自分なりの区切りを付けたつもりでいた。
だが、あの場に足を運ぶことができなかった地方のファンは、やっぱりひとつでもいいからCHABOにRCナンバーを歌って欲しいと願うだろう。その期待にCHABOは応えるのか…。それはもしかしたらCHABOにとっては苦しいことかもしれないと思うだけに、オレは複雑な気持ちを抱いていた。
結論から言うと、CHABOは“演った”。何を演ったかはあえて書かないが、CHABOが選んだいくつかの楽曲は、オレにはすごく納得できるものだった。また、ボーカルパートのかなりの部分をお客さんに歌わせたところに、RCに対する、そして清志郎の仕事に対するCHABOの想いをひしひしと感じた。
MCでは、今RCの歌を歌うことに対する気持ち、遠くに行ってしまった盟友に関する話も淡々と語った。それまでこのライブは湿っぽさなど微塵もなく、CHABOも早川さんもお客さんも笑顔いっぱいだったのだが、このあたりから明らかにCHABOの表情が変わったと思う。そりゃそうだろう。辛くないわけがない。忘れることなんて一生できない。でも、あえてRCを演奏し、清志郎を語るその誠実さ、生真面目さに、オレは深く感動した。演奏が終わっても、拍手がなかなか鳴り止まなかったのは、そんなCHABOの気持ちがお客さん一人ひとりに伝わったからだろう。

ジョン・レノンの「MOTHER」のように、鎮魂の鐘の音から始まるあの曲をやり、本編最後は「My R&R」で締められた。最後にこの曲を持ってきたのも、自分的にはすごく納得。ぐっときた。

余韻に浸る中、アンコールに応えたCHABOは、グッズ紹介をしたあとに土曜日のライブ限定の「Take You To The Movies Tonight」を一節歌って、なんと「月夜のハイウェイドライブ」を演った!コレはオレ、ライブで初めて聴いたと思う。大好きな曲だけに嬉しかったなあ。

次の曲からは再び早川さんがステージに。早川さんが自分のアルバムを紹介するMCは最高に可笑しかった。それをペットボトルの飲み物を呑みながら聞いてるCHABOも微笑ましい。
グレッチのでっかいセミアコを抱えたCHABOは、「平和BLUES」で客席乱入!俺のすぐ前を通るCHABOに場内は大盛り上がりになった。続けて北海道の電気屋さん特製ミニギターを手にしたCHABOの、「雨あがりの夜空に」が始まると、フロアは総立ち、大合唱。興奮冷めやらぬ観客を、CHABOは「おすわり!」と言っていったん座らせ(笑)、じっくりと「ガルシアの風」をやってから、スタッフ、MANDALAのお店の人たち一人ひとりの名前を呼びながら感謝の言葉をかける。最後の最後は「Hobo's Lullaby」。
そして、「What a Wonderful World」が流れて会場はスタンディングオベーションとなる。CHABOと早川さんがステージを去った後は、本編で演奏された「Dancing In The Street」のオリジナル、マーサ&バンデラスのバージョンと続けてビートルズの曲が流れていた。

3時間半にわたる長いライブ。でも、全然長く感じなかったんだよなあ…。オープニングからあっという間に時間が流れた感じだった。これだけ集中すると身体のコンディションもライブ対応になるんだろう、トイレにも全然行きたくならなかったんだよ、オレは(笑)。

しかし、凄かったなあ…。なんかもう圧倒されてしまった。今年に入って洋の東西を問わずいろんな人のライブを観たけど、その充実度は群を抜いていたと思う。なんと濃密で力強い3時間半だったことか…。そして、力強いだけでなく、とても温かくて前向きな気持ちになれるライブでもあった。
オレ、思う。本編で演奏されてライブ後のSEでも流れた「Dancing In The Street」に象徴されるように、今回のツアーでCHABOは、観客に元気を、ポジティブなフィーリングをまず伝えたいと思っているのではないだろうかと。人生は辛く儚い。歳をとるということは悲しみの衣を一枚一枚身に纏うことなのかもしれない。でも、とりあえずこうして音楽を通してこの場にいることを喜び合おう。そんなメッセージを自分は受け取った。
CHABOとお客さんとの関係性もちょっと変わってきたような気がするんだよね、オレ。RCの歌をやった時、かなりの部分を観客にも歌わせたのは、清志郎と作った歌たちを“みんなのもの”にしようと思っているのではないかと思ったし…。

ともあれ、60を前にした男が日本中を回ってこんな凄いライブを毎夜やり続けているという事実、それだけでも驚嘆に値する事実だと思うんだ、オレは。これはもう体力だけの話じゃない。何としてでも“やり遂げる”という強い意思、それがなければこんなことは到底無理なんじゃないだろうか。CHABOは観客に音楽だけを届けているんじゃない、生き様を見せているんだなと思った。

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コメント

先日はどうもありがとうございました!
なんか、何にも考えずに話しかけちゃってましたが…(苦笑)。

本当に、時間といい中身といい、すごいライヴでしたよね。
あの密度のライヴを年間60本、加えて麗蘭やCHABO BANDまでやっちゃってるんですから…恐るべしです。私が疲れたとか言ってる場合じゃありません(笑)。そしてCHABOさんもすごいけど、あのツアーの合間にも相当数ライヴをこなしてらっしゃる早川さんも驚異的ですよね。

CHABOさんが清志郎さんの歌をどういう思いで歌っているのか、初めてご本人の口から聞けて、CHABOさんの誠意をあらためて感じることができました。今までは正直あまり歌って欲しくないと思ったりもしたんですが、今はCHABOさんがそう決めたのなら是非歌い継いで欲しいなという気持ちになり始めています。
とはいっても、「清志郎」を全く感じない、かつての(今とは少し違うニュアンスでの)濃密なライヴも恋しかったりするんですけどね(笑)。

投稿: ayako | 2010年6月22日 (火) 22時59分

◆ayakoさん
ほんとに“濃い”ライブでしたよね~。あんな凄いライブを地方の小さなお店でもやっているってのは驚異的なことだと思います。

>CHABOさんが清志郎さんの歌をどういう思いで歌っているのか、初めてご本人の口から聞けて、CHABOさんの誠意をあらためて感じることができました。

CHABOは清志郎と一緒に作った曲をやる時、観客に歌わせる場面も多かったですよね。“雨上がり…”の時には「バンドでどんどん演奏してくれ」なんてことも言ってました。
僕が思うに、CHABOはこれらの曲はもう自分たちだけのものじゃなく、“みんなのうた”にしようとしているんだと思うんです。それが清志郎を語り継ぐことなんだと…。

でも、ayakoさんの言うとおり、「清志郎」を全く感じさせないかつてのスタイルもやって欲しいとは僕も思うんですよね。このツアーが終わったら、そんなライブに戻っていくような気もしますが…。

投稿: Y.HAGA | 2010年6月24日 (木) 15時06分

「You Can't Always Get What You Want」

HAGAさん
こんばんは

漸く重い腰をあげたんですね(笑)

“月夜のハイウェイドライブ”
演ってくれたんですか♪

僕の大好きな歌で Liveでは聞いたことナイんですよ


如何せん
“夏の口笛”いまだにダメなんです...


いつか きっと お会いしたいですね。

投稿: さみしげなパイロット | 2010年6月24日 (木) 22時22分

◆さみしげなパイロットさん
>“夏の口笛”いまだにダメなんです...

僕もあの歌はちょっと辛いです。CHABOには夏を嫌いになってほしくないですね…。

投稿: Y.HAGA | 2010年6月26日 (土) 15時07分

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