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2010年7月23日 (金)

「ぼくはロックで大人になった ~忌野清志郎が描いた500枚の絵画~」/ NHK BShi 7月23日(金)20:00~22:00

とても丁寧に編集された番組だった。
昨年の5月以降、清志郎の足跡を辿るような特番がいくつも組まれたが、これはその中でも出色だと思う。なんと言っても、忌野清志郎という多彩な顔を持つ人物の生き方を追うのに、音楽ではなくその人生の折々に描かれた自画像で追っていくという手法が素晴らしい。

時代時代でNHKの保有する清志郎の映像も挟み込まれ、2時間引き込まれるように見てしまった。ゲストも豪華で、清志郎の恩師・小林先生をはじめ、CHABOや梅津さん、親友の三浦友和はもちろん、暗黒時代のRCのライブに足しげく通っていた、デザイナーの太田和彦さんなども登場した。太田さんは当時のRCのライブをカセットテープに録音しており、収録された貴重な未発表音源が再現されたりもした。日野高校美術部にもカメラが入るし、吉美佑子さんの姿も久々に見た。
驚いたのはリンコさんが持っているという初期のRCサクセションの秘蔵ノートだ。「鳩」や清志郎自身が所有していたノートは何度か観たことがあるけれど、リンコさんが所有していたものは今まで公開されたことがないのでは?そこには未だ発表されていない楽曲等も記されており、こんなものが存在していること自体驚きだった。
あと、RC活動休止時に清志郎が漏らした言葉、“まるで失恋したような気持ち…”ってのを今の今までCHABOが知らなかったって事実にも驚いた。それを聞かされた時のCHABOの表情もとても複雑で…。でも、もしや知らない方がよかったのでは…と謝るインタビュアーに“いやいや、言ってくれて良かったんだよ、もちろん”と気遣うところなど、いかにもCHABOらしくて心を打たれた。

改めて思ったんだけど、清志郎はロック・ミュージシャンやボーカリスト、バンドマンという肩書き以前に“芸術家”だったのだ。そして、芸術家の中でも、画家のゴッホや文学者のヘルマン・ヘッセのように自己をさらけ出すタイプの表現者だったんだと思う。だから、彼の絵は音楽と同じくらい自身の心のありようを映しこんでいる。僕が実際に昨年夏の個展で見た絵もたくさんでてきたのだが、こうして折々の作品の変遷を見ていくと、色彩の変化やシグネイチャーの入れ方にまでその時々に清志郎が何を考えていたかが反映されているようで、まだまだ気が付いていない大事なことがたくさんあることに気付かされた。
たとえば、90年代に出版された名著「生卵」。この絵の表紙はその当時の最新の清志郎の自画像であり、裏表紙は高校3年の時に彼が描いた自画像であったという合わせ鏡のような構成になっていたことに、当時いったいどれだけの人が気が付いていただろう?さらに言えば、裏表紙の“顔のない”自画像を描いてから、清志郎は一切自画像を描くことがなく、表紙の自画像は30年ぶりのものだったのだ。これ以降の清志郎は、思い出したように折々の画像をまた描きだすのだが、この事実はいったい何を意味しているのだろう?

僕らは、忌野清志郎が多作であったことを幸運に思うべきだと思う。何故なら、多彩な表現を残したこの不世出の芸術家には、作品を通してまだまだ知られざる事実がたくさんあると思わせてくれるからだ。
たとえ肉体は無くなろうと、忌野清志郎の残した膨大な作品群は、これからもずっと大事な何かを僕らに語り続けてくれるのではないか…。そんなことを強く思わされた番組だった。

この番組、現在予定されているリピート放送は8月1日の16:00から。また、NHKオンデマンドでも配信されるというから、見逃してしまった方は是非見て欲しいと思う。
繰り返すが、この番組はこれまで放映された忌野清志郎特集番組の中でも、かなり重要なものだと思う。

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忌野清志郎」カテゴリの記事

コメント

ありがとうございます。
全く、知らなかったので、1日見てみます。
私の知らないキヨシローに会えそうです。

膝気をつけてくださいね。
整形外科のナースなんです。
かなり、入れ込まれていたから、ちょっと心配でした。
無理しないで、楽しんで…
と思いますhappy01

投稿: セロー | 2010年7月29日 (木) 22時15分

◆セローさん
え、セローさんって整形外科にお勤めだったんですか!
今回の故障で、ストレッチが如何に大事か思い知りました。今は靭帯や臀部の筋肉を伸ばすストレッチを走る前と後に必ずやるようにしてます。若いつもりでいても、やっぱり身体は確実に歳をとっているんですね。
無理のないよう、長く走り続けられるようにケアしながら走っていきたいと思います。

投稿: Y.HAGA | 2010年7月30日 (金) 13時55分

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キング・オブ・ロック・忌野清志郎は、生涯絵を描き続けていた。本格的な油絵から漫画まで。自筆の日記、雑誌取材テープの肉声、証言から、清志郎の絵に込めた想いに迫る。  圧倒的な影響力で時代を揺さぶった“キング・オブ・ロック”、忌野清志郎。2009年に亡くなるまで、生涯にわたって、絵を描き続けていた。本格的な油絵からイラストや漫画、人生の折々に自らを見つめた自画像まで、その数は500点に及ぶ。清志郎はそれらの絵に、どんな思いを込めて描いたのか。自筆の日記、雑誌の取材テープの肉声など、数々...... [続きを読む]

受信: 2010年7月25日 (日) 21時07分

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