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2010年7月 5日 (月)

【2010 FIFA WORLD CUP】日本代表をめぐる冒険

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先週は仕事でずっと地方に。出張中は自分の裁量で時間管理ができるので、午前中を移動時間、午後に集中して仕事というスケジュールにして東北のある県を駆け回った。夜はビジネスホテルで缶ビール片手にW杯に熱中する日々。ほんとはシューズ持参で出先でも走ろうと思っていたんだけど、このところ足首に違和感があったんでここは大事をとって完全休養することに。いったんそう決めちゃうと、いくらでも夜更かしできちゃう。なので、今回はベスト4を決める試合、ほとんど生観戦しました。移動時間、ほとんど死んでましたけどね(苦笑)。

僕らの代表はベスト16で全ての冒険を終えた。実は、まだぼーっとしてるんだ、オレ。すべてを見渡すような気持ちにはまだとてもなれず、余韻に浸っていたいのが正直な気持ち。ベスト8の壁を破れなかったパラグアイ戦は確かに悔しかったけれど、あれだけ勇敢に闘った選手たちになんの文句があろうか。

僕は、僕らの代表にとても大事なことを教わったような気がする。それは、今この時に全力を出し切ること。そして、結果を手にするためにエゴを捨て一丸となることだ。当たり前といえば当たり前かもしれないが、その当たり前のことをやるのがどれだけ難しいことか、またそれが適った時はこれだけ大きなものが得られるということを、僕らの代表は身を持って教えてくれていたと思う。
そういった意味では、僕は、2010年7月の時点において日本代表はフランスやイングランドの代表よりも“いいチーム”であったと胸を張って言うことができる(強かったかどうかは別にして)。それはとても幸せなことだと思うんだ。

実際、パラグアイとの力の差は試合で表れていた以上にあったはずなのだが、僕らの代表は120分間、互角以上に闘った。がっぷり四つで南米の常連国と堂々と渡り合ったのだ、彼らは!
しっかりと守備ブロックを築き、チャンスと見るや人数をかけて攻め上がる。そこに精度の低さはあったかもしれないが、これまでの日本代表によく見られた(そして、それこそが僕らが一番イライラさせられた)中途半端なポゼッションに甘んじ、時間だけが経過するような消極的な姿は綺麗に消えていた。守備にしても、積極的な守備とでも言えばいいんだろうか、全員で何としてでもゴールを守るという鬼気迫る姿は感動的ですらあった。

もうひとつ強く感じたのは、これも当たり前のことかもしれないけれど、“勝つ”のがいかに大切かってことだ。今回、チームが劇的に変わるきっかけになったのは、初戦のカメルーン戦だったと誰もが言っていたが、ひとつの勝利がチームの状態からマスコミの見方まで、全てを良い方向に劇的に変えてしまうことを、これほど実感したことはこれまでなかったような気がする。
確かに、これはオシムさんが提唱し岡田さんが継承すると言っていた“ポゼッション・サッカー”=日本らしいサッカーではなかったかもしれない。でも、それがなんだというのだ?たとえどんなにアンチなスタイルだったとしても、勝利の美酒には適わない。この痺れるような感覚を、僕らは98年からずっと欲していたのだ。
“○○らしいサッカー”というスタイルを確立して勝利を得られれば、それに越したことはないよ、もちろん。けれど、はっきり言って日本のレベルはまだまだそこまで達していない。ならば勝利を、どんな不恰好なサッカーでもまずは現実路線で勝利を目指した岡田さんのやり方は、100%正しかったと僕は思う。

ただ、ひとつあえて言わせてもらえると、これが果たして将来にわたって日本が目指すべき姿なのか、何処かへ向かう途中の通過点であるべきなのかは、これからじっくりと検証すべきなんじゃないのか。
ちょっと危惧してしまうのは、今の流れがマスコミ・世論からサポーターまで“本田スゴイ”“岡田さんゴメンナサイ”一色になってしまっていることだ。もしかしたら、これは国技である大相撲があまりにも情けない状態だったり、頼れる総理大臣を担げないこの国の政治の不甲斐なさへの反動なのかもしれない。けれど、この手のひらを返したようなちやほやぶりが、今回の日本代表を見る目にバイアスをかけてしまう様なことがあってはならないと僕は思う。

ともあれ、今はもう少しこの余韻に浸りたい。少なくとも“あの時PKを蹴るのが駒野じゃなかったら…”なんて言ってる奴とは、オレは友だちになりたくないぜ(苦笑)。そう、互角に闘った120分も痺れたけれど、すべてが終わった後、駒野の肩を抱いて本人以上に涙を流していた松井大輔の男気にも惚れたんだからな、オレは。

「駒野を誘って死ぬまで呑ませたい…」 

これ、試合後の松井のコメント。なんて感動的なチーム愛なんだろうか…。元スポ根少年。現ヘタレおっさんランナーはこういうセリフに涙腺が決壊してしまうのだ(苦笑)。人生に二度とないかもしれない素晴らしい時間を過ごしたであろう彼らを、僕は少し羨ましくさえ思う。
たぶん、中田なんか僕以上に羨ましく思っているんだろうなあ…。今ごろ、“引退するんじゃなかった…”とか後悔してたりなんかして(苦笑)。

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