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2010年7月16日 (金)

キャリア・デザインなんて忘れてくれよ

若い連中との呑み会話しの続き。

最近の若手と話していて気付くことがひとつある。キャリア・デザインだの、キャリア・アップだの、“キャリア”っていう言葉を実に良く使うんだ、彼らは。
今の時代は大学の進路指導部ですら就職という言葉を使わないらしい。“進路指導”ではなく“キャリア・デザイン支援”。こんな具合だ。キャリア・デザインとは、各々が自分の内面を深く掘り下げることで持ってる資質を正確に把握し、将来あるべき姿を見つけてそこに到達するための具体的な目標を明確にしていくという考え方らしい。要するに、キャリア・デザインをきちんと描けば職業と人生とのミスマッチが無くなり、たとえ平凡な業務であっても満足度が高く豊かな生き方ができると、まあそういうわけだ…。

まあ、就職先を決める際はそれでも良いとは思う。だけど、いざ仕事を始めたらどうだろう。自分のキャリア・デザインとぴったり!なんて職場、そうそうないと思うんだけどなあ…。現場で優先すべきは、とにもかくにもミッションの達成だ。そのためには個人の理想なんか引っ込めなきゃならない場面がたくさん出てくる。キャリア・デザイン教育を受けた世代は、そんな時でも無意識のうちに“自己実現”みたいなフィルターをかませてしまい、理想と現実の狭間で悩んでしまうことが多いように思うのだ。

はっきり言ってしまうと、そういうのは独りよがりと言われてもしょうがないとオレは思う。実際の仕事っていうのは、複雑な業務・単純な業務、胸を張ってできる仕事・スレスレの仕事、なんでもできなきゃ始まらないのだから。
スタッフだっていろんな奴がいる。はっきり言って、ビジネス書に紹介されてるような、上から下まで一丸となって仕事に燃えてる組織なんてのは幻想なんじゃないのか?寝る間も惜しんでバリバリやってる若手がいるかと思えば、何しに来てるかわかんない上司がいたり。そんな人たちががさっと集まってるのが普通の職場の風景なんじゃないだろうか?加えて今の時代は、ひとつの職場に専任・臨時・派遣・嘱託みたいに、さまざまな雇用形態が入り乱れているのが普通になりつつある。これは、言い方を換えれば最初から仕事に対するアプローチが根本的に違う人たちが寄せ集まっているわけだ。そこで“やる気”を高めていくのは大変かもしれない、確かに。

だけどね、“だからダメなんだ、うちの現場は…”ってため息ついてる場合じゃないんだよな。こういう環境が当たり前、と開き直る図太さがないと…。
そもそも、大多数の組織ってのはエリートの集まりなんかじゃないはず。そんなのは超一流企業だってありえないとオレは思うのだ。組織の実態ってのは雑多な人々の寄り合い集団。でも、だからこそ面白いんじゃないかってオレは言いたい。デキる奴もボーっとしてる奴もいる集団で、自分がどう動き、周りをどう活かせば最大の効果を得られるかを考えていく…。これってけっこう面白いんだぜ…。そういうことをオレは若手になんとかして伝えたいと思うんだけどなあ。

“自分がこれだけ頑張ってるのに…”とか、“あの人は楽して金を取ってる…”なんて思ったって何も事態は変わらないじゃん。世の中、そんなに綺麗な仕事ばかり転がってるわけじゃないのだ。もっと汚れてくれよ、若者たち!

すいません、つい愚痴ってしまいました(苦笑)。

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日記」カテゴリの記事

コメント

Y.HAGAさん、こんばんは。おっしゃること、よーくわかります。自己実現をめざしてるうちは甘ちゃんです。与えられたミッションの中でいかに成果を出すか、しかもどんな手法でもありではなくて、そこにいかに自分らしさをねじこみながらチャレンジできるか、こそが仕事の醍醐味だと思います。時には客観的判断で自分を捨てることもあり、誰がなんと言おうと譲れないこともあり。ある先輩に「すんなり思い通りにコトが運んだらおもしろくもなんともない、相反する価値を束ねてこそ仕事やで。」と言われて納得したことがありました。うまくいかないときはいつも、だからこそチャレンジする価値がある、と思うようにしています。今の年になってすんなり納得できるけど、若い子たちもきっとそのうち理解できると思いますよ。

若いときは「理想・自己実現」を優先しがちですよね。
実力もない癖に周りを見て文句ばかり言って。
いや、これは今の若いヒト批判じゃないです。
昔の自分がそうだったんで(^^;)ゞ

HAGAさんの意見にボクもおおむね賛成です。
今45才のボクは。そんな理想だのは後回し。
先ずは目の前の仕事を片付けろ。
上司は当てにならん、先ずは自分で動け。
自分で何とかしろ。毎日そう働いてます。

ただ、そう思えるのは色々経験を積んできたから。
色々失敗したし恥ずかしい思いもしてきました。
そうやって実務をこなす力を付けたかな?
それがキャリアアップになったのかな?と思います。

多分HAGAさんの会社の若手さんも今は独りよがりでも
色々経験して「現実を見る」
「現実の中で理想を少しでも叶える」
を理解するようになりますよ。
今はムリでも30代、40代になると分かりますよ。

先輩のHAGAさんの仕事の楽しさを伝えようって姿勢は
素晴らしいですね。
きっとHAGAさんは若手に人望あるんでしょうね。
だからキャリアデザインの話もするんでしょう。

>もっと汚れてくれよ、
オレこれはむしろ上司や年上の社員に言いたいです(爆)
楽ばかりして中堅や若手に面倒を押し付けて。
それじゃ下はついて来ないよ~って。
スミマセン。愚痴をこぼしちゃいました(^_^;

うちの職場ではそれ、「キャリアパス(carrier path)」という言い方をします。
私もう、この名称が入ったときから大嫌いでして…(苦笑)
自分では意地でも使いません(笑)。

HAGAさんの職場とは事情が違うかもしれませんが、私はデザインだのパスだのって、結局は組織が若い人を「それらしい言葉(=さも自分で選んでると思わせるような言葉)」でレールに乗っけて、扱いやすくしてるような気がしてならないんですよね。
うちは、官僚体質が色濃く残る組織だからかな…。

でも、HAGAさんのおっしゃるような若い子、確かにいますよね〜。
私、キャリアパス?デザイン?とやらを無視してる=自分の将来や組織のことを考えてない、って、熱〜い新人ちゃんにお説教されたことあります(笑)。

◆goldenblueさん
>相反する価値を束ねてこそ仕事やで。

同感です。自分の思いを通すことよりいろんな価値観を束ねることの方が、実はずっと達成感が大きいものなんですけどね。
でも、考えてみたら僕だってそんな事に気がついたのは最近のことなんだよなあ…。理想に突っ走るのも、若い時には必要なのかもしれません。ただ、最近の若者は理想と現実の剥離が大きいと、諦めも早いように見えてしまうんですが…。うーん、こんなことを言うのは僕も歳とったからなのかなあ(苦笑)。

◆ながわさん
理想を持つことは大事だとは思うんですが、最近は自らの理想の重さに耐え切れなくなっている若者が多いように感じるんです。これは、不景気のせいで同期入職が少なくなり腹を割って話せる仲間が少ないことも大きいように思うんですよね。そうじゃなければ、オレみたいなおっさんを呑み会に誘ったりしないと思いますもん(苦笑)。
反面、僕は彼らのキラキラした理想が眩しくもあるんです、ほんとは。ヘビーな相談を受けて疲れるのがわかってるのに誘われるとホイホイ行っちゃうのは、その眩しさを僕自身も感じたいからなんでしょうね、きっと。

◆ayakoさん
うちもどっちかと言うと、世間的には官僚体質が色濃く残ると言われる組織にあたります。でも、だからこそ若者にはデザインだのパスだのに縛られて欲しくないと思うんですよ。そんな事に悩むぐらいなら、目先の懸案をひとつひとつ片付けていく方が組織だって活性化すると思いますし、精神的にもラクです。
悩むのも若さの特権だとは思うんだけど、それで心を病むことのないよう、もっとタフにラフになって欲しいんだけどなあ、彼らには。

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