UMISAKURA MUSIC FESTIVAL 2010 プレLIVE〜セツナグルーヴ2010〜 / 2010年7月17日(土) 神奈川県藤沢市片瀬海岸 虎丸座
7/17(土) UMISAKURA MUSIC FESTIVAL 2010 プレLIVE〜セツナグルーヴ2010〜
神奈川県藤沢市片瀬海岸 虎丸座
【出演アーティスト】リクオ 【ゲスト】小坂忠/山口洋(HEATWAVE)
【サポート】寺岡信芳(ベース)/朝倉真司(パーカッション)
素晴らしい一日だった。夏の太陽、海風、夕暮れの富士山、美味しい料理とお酒、そしてこの上なく温かくて力強い音楽。ああ、これ以上いったい何を望む?都会暮らしで溜まった澱を、一気に洗い流したような週末だった。
このライブは9/11に行われる「海さくらミュージック・フェスティバル」のプレイベントとして行われたもの。
僕はこの日、ちょっと早めに江ノ島に行った。地元在住の音楽友達から、この日出演する山口洋がいつも走っているマラソンコースを案内してもらえることになっていたからだ。本当は一泊して実際に走ってみたら、と勧められていたのだが、これは靭帯を痛めているため断念。だけど、梅雨が明けたばかりの江ノ島海岸は、ただ歩くだけでも本当に気持ち良かった。抜けるような青空の下をこんがり焼けた焼けた若者たちがサーフボードを抱えてすれ違ってゆく。遠くにはできたばかりの海の家が。そうか、ヒロシはいつもこんな風景を目にしながらラップを刻んでいるのか…。自分も脚を治していつかここを走りたいと思った。
ライブ会場で一緒にテーブルを囲んだ仲間たちも、江ノ島海岸のゴミ拾いイベントに参加したり、それぞれが夏の始まりを存分に楽しんだ様子。そんな具合に、この日は観客も会場にいいバイブレーションを持ち寄り、ライブ前からすごくいいムードが出来上がっていた。
会場の虎丸座は、今年2月のリクオ・ライブで初めて行ったハコなのだが、数ある音楽ホールの中でも1,2を争うぐらい大好きになってしまった。なんといっても、江ノ島を見下ろす展望台の7階という抜群のロケーションが素晴しい。窓の外から一望できる湘南海岸は、昼間の景色から闇が濃くなるまで様々な顔を見せてくれる。その大自然の美しさは、音楽をよりいっそう引き立ててくれるように思うのだ。
この日のライブも、まだ昼の陽が残る時間からライブがスタートしたのだが、窓の外を飛び交う海鳥を眺めながらリクオのピアノを聴くのはなんと素敵な体験だったことか!そしてライブが進み、夕暮れが近くなると遠くの空はオレンジ色に変わり、富士山が影絵のようなシルエットを映し出す。本当に美しかった。
ライブは2部構成で行われ、1部はリクオ・バンドの演奏、2部でゲストとして山口洋と小坂忠を招き入れるという流れだった。出演した全てのミュージシャンは、江ノ島の大自然の懐に抱かれるように、お互いがお互いを触発し触発されて最高のグルーヴを生み出していた。そしてステージから放たれた波動は、客席からいい感じにリターンされるという理想的なライブ空間となっていたと思う。正に一期一会というべき素晴らしい夜となった。
特に、小坂忠さんの存在感たるや、もう…。ああ、なんて素敵な人なんだろう!“粋”という言葉がこんなに似合う人も珍しいんじゃないかなあ。強面の山口洋が、忠さんの前ではまるで憧れのヒーローを前にした少年ような笑顔を浮かべているのがとても微笑ましかった。
リクオは最初から絶好調。彼は地元湘南でのライブに絶対の自信を持っている。加えてこの日はベースの寺岡信芳とパーカッションの朝倉真司という最高の仲間達を引き連れての凱旋だから、もう鬼に金棒だ(笑)。最初から飛ばす飛ばす!「マウンテンバイク」で毎度お約束の客席からの“ヒュー!”コールもいつも以上に大きかった。
寺岡信芳+朝倉真司のリズム隊も最高に気持ちのいいグルーヴを生み出していた。気のせいかストリングスが加わる時とはちょっとアレンジが違っていたようにも思う。リズムはシンプルで大人っぽいのだが、ちょっとオーガニックな味わいもあって、なんだかここ湘南の地に相応しいサウンドになっていたと感じたんだけど。
「胸が痛いよ」なんて、バンドスタイルで演奏されたのは初めて聴いたように思う。このアレンジ、好きだなあ…。必要以上に感傷的にならず、しっかりと前を向いているようなタッチ。「ムーンライトサンバ」も普段は会場が宙に浮くようなスペーシーなうねりを感じる曲なのに、この日はもっとアーシーで男っぽい演奏。やっぱりこれは場の空気、夏を迎えた海辺の町のムードがこうさせたんだろう。
リクオのライブは45分ぐらいだったかな…。終盤は「道草節」の大合唱。大盛り上がりで一部が終わった。
休憩中は夕暮れの富士山の景色を楽しみ(湘南から見る富士の山は、武蔵野で見るそれよりもえらくデカイ!(笑))、冷たい生ビールと美味しい料理に舌鼓を打ち、カウンターで個性的なマスターとのやり取りに大笑い(笑)。

2部はお持ち兼ねの山口洋が登場。この前日のブログで、彼は“久々にエレキを弾きたくなった”と宣言しており(普段のヒロシのソロライブはどちらかというアコギがメイン)、その言葉どおりステージにはグレッチがどーんと置かれてあったから、期待は嫌が応にも高まってしまう。
まずはアコギを手にして「トーキョー・シティー・ヒエラルキー」。曲が始まると一気に弾きつけられてしまった。なんか今日はいつもと違う!もちろん、アコギ一本でのソロライブもいいのだけれど、リクオバンドがそのままサポートに回ったこの日の山口洋は、完全にバンドモード。特に寺さんはヒロシの奏でる曲のツボをよく心得ており(さすが元アナーキー!)、お互いがお互いを触発してぐいぐい曲を引っ張っていった。曲後半の盛り上がりも素晴らしく、一曲目が終わってステージに声援を送りながら、早くも“いやあ~今日はとんでもない夜になるかもなあー”と感じた。
曲が進み、ヒロシが囁くように“ロックンロール!”。そして遂にグレッチを手に!なんと、曲は「NO FEAR」!げげげーっ!この曲、最近のライブではほとんど演奏していないので嬉しい驚きだった。身体を激しくシェイクし、グレッチを掻き鳴らす山口洋、むちゃくちゃカッコいい!こうやって聴くとヒロシのエレキって意外にファンキーなタッチもあるのね…。空気を激しくグルーヴさせるような極上のR&Rに客席からは大きな拍手。
最高潮の盛り上がりの中でいよいよ小坂忠さんが呼ばれる。
アロハシャツに白いパンツ、素足に白いシューズを突っかけた忠さん、カッコいいです!それに、忠さんを迎えた時のステージでのミュージシャン達の嬉しそうな顔と言ったら!そうだよなあ、小坂忠さんといえば日本のシンガーソングライターの先駆者であり、リクオやヒロシのようなホーボー・ミュージシャンの草分けだもんなあ…。僕にとっても憧れのミュージシャンで、昨年暮れに観る予定だったライブを体調不良で泣く泣く断念していただけに、やっと観られたことに胸がいっぱいになってしまった。
椅子に腰掛け、アコギを手にした忠さんの歌声は想像以上に素晴らしかった。なんと温かく豊かな声なんだろう!並のボーカリストとは説得力がぜんぜん違う。月並みな言い方で申し訳ないけど、間違いなく日本最高のR&Bボーカリストの一人だと思う。
名盤「ほうろう」からの曲を中心に歌い上げる忠さんを、リクオ・バンドとヒロシががっちりサポート。実を言うと、僕はこの急造サポートバンドのプレイぶりにもかなり驚いたんだ。1曲目「ほうろう」のゆっくりとシンコペートしたリズムなんて、まるでティンパン・アレイの名演を再現しているかのよう。リクオや朝ちゃんはともかく、寺さんや山口洋もこういうタイプのプレイができるんだなあ…。改めて彼らの懐の深さ、世代を超えて共鳴できる音楽の素晴らしさを思い知った。
忠さんはいったい何曲歌ったんだろう?ディテールはほとんど憶えていない。ただただ夢のような時間だった…。「ありがとう」も歌ってくれたし「しらけちまうぜ」もやった。忠さんの声は35年前のアルバムから少しも変わっていなかった。その傍で、リクオもヒロシも少年のように微笑みながら演奏している。それは本当に素敵な光景だったんだ。
アンコールでは黒いサングラスをかけて、サッチモの“What's A wonderful World”を歌い上げる忠さん。素晴らしかったなあ…。それに、なんだかとってもチャーミングな人でもあるんだよね、この人。ああいう歳のとりかたって憧れちゃうなあ、やっぱり。
この日は忠さんの62回目の誕生日をみんなで祝うというサプライズもあった。ステージに運ばれてきたケーキには名盤「ほうろう」のジャケットが描かれているという懲りよう。みんなでハッピーバスデーを歌い、嬉しいような照れたような表情を浮かべてそれを受け取る忠さん、ヒロシじゃないが、なんだかオレもほろりときたとです…(笑)。
最後の最後に演奏された「満月の夕」がとりわけ説得力を持って胸に迫ってきたのも、そんな忠さんのあったかさと、これ以上ないぐらいいいムードになった場の空気がもたらしたものが大きかったんだろう。
リクオが“明日の事がどうなるかなんて誰にもわからないけど、ここにいる3人は、間違いなくこれからもこうやってくたばるまで歌い続けるだろうと思います”って言っていたけど、それなら僕もくたばるまで彼らを聴き続けようと思う。それだって、この生き難い世の中で十分「光」になるのではないか?
会場が明るくなってから流れたザ・バンドの「I Shall Be Released」は、本当にこのライブにぴったりの選曲だったと思う。また忘れられない夜が増えた。
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ボクもこのライブ行きました。昼のゴミ拾いから参加しました。
実はヒートウェイヴ、山口洋はCDは持っているんですが
ライブは数年前に1回行ったきり。
先月の山口氏と直枝氏のジョイントライブで演奏は最高なものの
客のノリの悪さが至極残念でもっと盛上がるライブみたい!
と思って、このライブ最初から気合入れまくりでした。
山口選手ノリノリでしたね~。あのエレキ最高でした!
もっと曲数聴きたかったな~。
あと、渋谷であのノリで直枝さんと共演して欲しかった。
(ちなみにボク数年来のカーネーションのファンです笑)
リクオも小坂さんも本当に素晴らしかった。
そして何よりも素晴らしいのはお客のノリ。
東京のお客ってややもするとライブを醒めた目で見たり
盛り上げずに静かに見る傾向があるけどここのお客は本当に
素晴らしい。ライブを一緒に作ってましたね。
9月11日の本ライブはいけないんですが・・山口氏の
ソロライブを何時か虎丸座で見たいと思います。
投稿: ながわ | 2010年7月22日 (木) 23:29
素晴らしい1日でしたねー




"NoFear"!
私もまさかこの曲くると思わなかったので、かなりテンションあがりましたよー
グレッチを弾く洋さんはやっぱりカッコいいですね
9月のHEATWAVEツアーが今から楽しみです
そして、いつも素晴らしい記事をありがとうございます。
HAGAさんの記事読みながら、あの感動がよみがえってきました
投稿: nao | 2010年7月23日 (金) 02:34
お疲れ様でした。
本当に素晴らしいライヴでしたよね。
あんなにいきいきとグレッチを掻き鳴らす山口洋に興奮せずにはいられませんでした。
リクオさんと寺さんと朝ちゃんのトリオは最強ですね。
そして忠さんのあの貫禄。音楽は世代を超えて生きるということが証明されたような日でしたよね。
ぜひぜひ、故障がよくなったら走りに来てください。
お待ちしております。
投稿: りんりん | 2010年7月24日 (土) 01:28
◆ながわさん
>山口選手ノリノリでしたね~。あのエレキ最高でした!
ほんと、ヒロシのエレキは最高でしたね!最近はソロだといつもああいうモードが観られるわけではないので、久々のライブがあの夜だったながわさんはとても運がよかったと思いますよ!
>そして何よりも素晴らしいのはお客のノリ。
そうそう、僕も湘南・江ノ島エリアのお客さん、素晴しいと思います。去年ぐらいからリクオのライブでよくこちらに伺うようになりましたが、毎回楽しみで…。東京からだとちょっとした旅行気分になれるのもなんだかいいですね。
投稿: Y.HAGA | 2010年7月25日 (日) 19:07
◆naoさん
テーブルでご一緒させていただき、ありがとうございます!
山口洋withグレッチ、カッコよかったですね。一期一会感満載で本当に行ってよかったと思います。「楽しかったニャー…」ですね(笑)。
投稿: Y.HAGA | 2010年7月25日 (日) 19:10
◆りんりんさん
>あんなにいきいきとグレッチを掻き鳴らす山口洋に興奮せずにはいられませんでした。
ほんと、僕も音楽以上に印象に残ってるのは、少年のような笑顔を浮かべていた山口洋の姿です。本当に楽しそうでしたね!
忠さんにはほんとヤラレました。あんまり素晴しかったんで、来週のサムズアップでのライブ、なんとかして行こうと画策しております(笑)。
>ぜひぜひ、故障がよくなったら走りに来てください。
いやー、脚、予想以上に悪くてですね(苦笑)、もう丸2週間走ってません。でも、だいぶ痛みも引きましたんで、来週からは徐々にランも再開したいと思ってます。
お待ちしております。
投稿:
投稿: Y.HAGA | 2010年7月25日 (日) 19:14