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2010年12月11日 (土)

ソウル・フラワー・ユニオン『「キャンプ・パンゲア」発売記念ツアー』」 / 2010年12月11日(土)赤坂BLITZ

いやはや今回のSFUは凄かった。見るたびスゲエ!と思っちゃうSFUだけど、この日のライブは僕がこれまで見た中でも、一番気合いが入っていたと思う。バンドはいつものメンツに加え、ヒデ坊(伊丹英子)とモノノケ・サミットの大熊亘を呼び寄せ、セットリストも新旧取り混ぜ3時間という磐石ぶり。やっぱ、これは会場が赤坂BLITZだったからなんだろう。外見に似合わず意外とビビりの中川敬(笑)、柄にもなく大きな会場でやることになって、ちゃんと人が集まるか心配だったんだろうなあ(苦笑)。
ところが、ところが、蓋を開けたらフロアはお客さんでぎっしり。これはメンバー、嬉しかったに違いない。中川もゴキゲンで終始ノリノリ(わかり易い男だ…(笑))。美保ちゃんもお客さんを煽りまくりで、まるで忘年会みたいな楽しい宴となった。

僕もこの日は騒ぎまくった。もう、冒頭の3曲で頭の中が真っ白(笑)。SFUナンバーの中でも超オキニの3連発、「サヴァイヴァーズ・バンケット」→「ラヴィエベル~人生は素晴らしい~」→「ムーンライト・ファンファーレ」の流れを轟音で聞くのは本当に気持ちよかった。

この日の僕はフロアの後ろのほうで観てたんだけど、最初から会場全体が波のように揺れていた。もう明日のことなんかどうでもいい。とにかくこの場を楽しめ!エネルギーを放ち、放たれ、思い切り唄い踊れ!そんな感じで、パンク小僧みたいにピョンピョン跳ねてる奴がいるかと思えば、沖縄民謡のように掌をひらひらして踊ってる人がいたり、決まりごとがなくてみんなそれぞれのやり方でライブを楽しんでいる。とにかく、SFUのファンのノリってすごく独特なのだ。最近は慣れてきたけど最初はちょっとびっくりしたな、オレ(笑)。でも、このフリーな雰囲気に身を置く快感を覚えてしまうと、SFUのライブはもう止められない、止まらない(笑)。

ニューアルバム「キャンプ・パンゲア」からの曲ももちろん演奏された。僕はこの日会場でアルバムを購入したから、新譜は未聴状態だったんだけど、いくつかの曲は今年春の闇鍋音楽祭や夏のツアーでも演奏されていた。っていうか、最近のSFUの曲は何を聴いても、前から耳に馴染んでいた曲のような気持ちになってしまう。それだけ楽曲としてのクオリティーが高いってことなんだろう。もともとミクスチャー・ミュージックなんて言われていたSFUだけど、僕はその範疇が前よりもっと広くなったように感じる。視野がワールドワイドになって、世界中の音楽のいいところだけをどんどん抽出してる感じだ。しかも、表面をなぞるんじゃなくて自分達で一回飲み込んで咀嚼しているから、曲がすごくこなれて誰が聴いても一発で楽しめてしまうようになってるんじゃないかなあ…。
カバーの選曲にしても、SFUのかっぱらい方は節操がないというか、とても大らか(笑)。だって、スタカンの「Mick's Blessing」とマーティン・デニーの(というか、これはYMOか?)「ファイアー・クラッカー」を同じライブ内で聴けるなんて考えられないでしょ、普通?(笑)でも、SFUだと全然違和感を感じないんだな、これが。
オレ、この日演奏された「ファイアー・クラッカー」のカバー、すごく気に入った!これはメインのメロを奥野真哉が弾き、ギターやベースが合いの手を入れるんだけど、ビートの刻み方がとてもとてもツボ。たぶん、中川も奥野も高校時代にはかなりYMOを聴いていたんだろう。この感覚は同世代としてとてもよくわかる。

ヒデ坊はむちゃくちゃカッコよかった。楽器はブズーキーとチンドン太鼓だったけど、エレキを弾かなくてもその佇まいは、超ロックっぽい。いやあ~あれほどカッコよくブズーキーを弾く人を、僕は初めて見た!(笑)ヒデ坊はモノノケのステージには出ていても、SFUでプレイするのはかなり久しぶりのはずだ。でも、全くブランクを感じさせないのはさすが。今年の秋には、いろんな困難にぶち当たりつつも、辺野古でのフェスを大成功させたみたいだし、ほんとにカッコいい女性だと思う。ロック姉ちゃんの正しい歳のとり方を見る感じ…。あ、こんなこと言ったらヒデ坊に怒られるか…(苦笑)。
ヒデ坊と一緒にやるのは中川たちもやっぱり嬉しいらしく、この日はNEWEST MODELの「こたつ内紛争」も飛び出した。もう何も言うことないです。カッコよすぎです!あとはアレでしょう。タイミングがあえば是非うつみようこ嬢も!SFU+ヒデ坊+うつみようこで夏の野音なんかでライブがあったりすれば、女房を質に入れてでも観に行きますよ、オレ!(笑)

アンコールはこってりと3回。この時は、なんか異様なおっさんがステージに現れてノリノリで踊り始めた。誰かと思ったらイラストレーターの八木康男。なんか酔っ払いのタコ踊りみたいだったけど、実はこの人、細野さんの名盤「トロピカル・ダンディ」のジャケットなんかも手掛けた大アーティストなのだ。どうやら、今SFUの本を手掛けているらしい。“じゃがたら、ボ・ガンボスと来てソウルフラワーをやれるのは嬉しい”って言ってたな。これは楽しみだ。

気がついたら3時間超えの長尺ライブ。でも、ほんと楽しかったなあ~。自分でも大人気ない…”と呆れてしまうぐらい騒ぎまくってしまった(笑)。大人気ないっていえば、この日フロアの後方には子供連れもけっこう多かった。アーティストによっては、子供の入場がそぐわないようなライブもあると思うが、SFUに関しては全然アリでしょう!小さい子供がピョンピョン跳ねるその隣で、お父さんが大きな声で唄ってる姿はとても微笑ましかった。うん、オレも今度は子供連れて来ようかなあ?(笑)

すべてのライブが終わって、会場に流れたのは「死ぬまで生きろ!」だった。メンバーはとっくにステージから去り、会場が明るくなっているというのに、お客さんはほとんど帰らずにそれを大合唱している。それぞれがそれぞれのやり方でライブの余韻を楽しんでいた。これもなんか、すごくイイと思ったなあ…。
人生一度きり。生きてるだけで丸儲け。オレもせっかくの人生なんだから、死ぬまで生きよう!強くそう思った。正に年の瀬にぴったりのライブ。来年もいっぱいSFUのライブを観に行きたい。

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コメント

MCする間も惜しむかのように最初っから飛ばして、ゲストあり、コーキのメンバー加入10周年あり、奥野中心のインスト曲あり、JIGENや美保ちゃんのvo.曲あり、変なおっさんの乱入(?)ありと、濃密でてんこもりな内容の怒涛のような3時間あまりでしたね。
今回も唄って踊って盛り上がってしまったため、日頃鈍らせている軟弱な体は、翌日に喉の痛みと軽い筋肉痛を訴えましたが…
ゲスト陣が加入した「風の市」~「平和に生きる権利」~「そら」が特に素晴らしかったと思います。
ヒデ坊、かなり久しぶりに見ましたが、ホントに変わらないですよね!
来年も来月吉祥寺でのアコパルはじめ、SFUのライヴには何度も足を運びそうです。

◆フィル・カスルさん
ぶっ飛ばしてましたね~!セットリストについては、個人的に今回は完璧に近いです。強いて言えば「極東戦線異状なし」が入ってたらよかったかな…。

>日頃鈍らせている軟弱な体は、翌日に喉の痛みと軽い筋肉痛を訴えましたが…

中川も「風の市」で張り切りすぎて腰を痛めたって言ってましたね(笑)。それに比べてヒデ坊はまだまだできそうな感じで、ホント元気な姉御ですよねえー(笑)。来年、僕も吉祥寺のアコパル、モノノケに行きますよ!

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