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2010年12月12日 (日)

斉藤和義 LIVE TOUR 2010 “STUPID SPIRIT” / 2010年12月12日(日) ZEPP TOKYO

CHABO絡みのライブとか、Leyonaの10周年記念とか、イベントではちょくちょく観てるんだけど、単独ライブの斉藤和義はかな~り久しぶりだ。でも、ずっと行きたかったんだよねえ、この人のライブ。
斉藤和義に関して、ロックと歌謡曲との境界線的なところに位置付けてるロックファンはけっこう多いと思う。それはたぶんCMソングになってるようなスィートな楽曲のイメージが強いからだと思うんだけど、僕はせっちゃんって本質的にはゴリゴリにロックな人だと思っているのだ。聴きやすい楽曲の中にカッコいいギターリフが入ってて、時々びっくりするぐらいヘヴィな歌詞がのっかる…。反論覚悟で言うと、ある意味、今の若手の中では一番忌野清志郎の楽曲と似た世界観を持ってるんじゃないかと思う。

僕の記憶だと、単独ライブに行くのは2002年の野音以来だから、なんと8年ぶり!
会場に入ってまずはびっくり。だって、だだっ広いZEPP TOKYOがぎっしりなんだもん!東京は2日間公演だったんだけど、そこにこれだけの人を集めちゃうってのは凄い。いやあ~しばらく見ないうちにビックになっちゃったのねえ、せっちゃん!
2階席には有名人もけっこう来てたみたい。誰かが入ってくるたび、観客が上を見上げていた。オレは唯一、竹中直人が派手なコートを着てど真ん中に座ってたぐらいしかわからなかったけど(苦笑)。観客は若い女子率高し。でも、よく見ると同世代もけっこういて、中には頭の薄くなったおっさんや恰幅のいいおばちゃんなんかもいたんでかなり安心した(笑)。意外だったのは、若い女の子でも独りで来てる人がけっこう見受けられたこと。経験上、一人でライブに来てるような女子ってのは、男以上に熱心なファンであることが多い。こういう女性ファンをがっちり掴んじゃってるのはさすがです、せっちゃん。

この日のライブは新譜の「ARE YOU READY?」を中心に、最近リリースされたアルバムからの曲が多かった。「僕の見たビートルズはTVの中」も「歌うたいのバラッド」も「幸福な朝食 退屈な夕食」もないセットリスト。うーん、時代は変わる…(笑)。
でも、すごく楽しめたなあ。やっぱ、せっちゃんはライブの人だと確信。アルバムで聴くより何倍もロックしたせっちゃんが堪能できた。アルバムでは一人で全ての楽器を担当している曲も多いが、ライブでのせっちゃんはギターとボーカルに専念し、サイドをギター2人とベース、ドラムががっちりとサポートする。なんと、この日はトリプルギターだったのですよ!最近のライブでは、エマーソン北村さんとか、キーボードが入ってるって聞いてたんで、これはちょっと意外ではあった。でも、その分サウンドはかなりハードになっていて、個人的には大満足!やっぱ、斉藤和義はこうでないと!
せっちゃんはテレキャスター、アコギ、レスポール、フライングVと次々にギターを持ち替えて嬉しそうに弾きまくっていた。いやあ~、カッコいい!やっぱせっちゃん、ギターすげえ巧い!
それと、改めて思ったんだけど、なんて色っぽい声なんだろうねえ、この人って(笑)。MCの時なんかは「うぃーっす」みたいな、のへーっとした感じなんだけど、歌い出すととたんに甘く艶っぽくなる。まあ、これが天性のボーカリストってことなんだろうな。

少し前に化粧品のCMで使われてた「ずっと好きだった」は、3曲目ぐらいで早々と演奏された。これは、もともとのチャック・ベリー風な出だしの前に、さらにT-REX風のイントロをくっ付けるという、ライブならではのアレンジがむちゃくちゃイカしていた。これで会場をうっとりさせておき、間髪いれずに「FIRE DOG」をやったりするからたまらない。

中盤にはギターの3人によるアコースティック・コーナーも。こういうフォーキーな持ち味もこの人の魅力。ちょっとぐっときちゃったのは「名前を呼んで」。これ、アルバムで聴いた時にはラブソングだとばかり思ってたんだけど、ライブで聴いて、突然“この曲は清志郎のことを歌ってるんじゃないか?”って思ったんだ。

後半の酸欠コースも素敵だった。沢田研二の「ダーリング」のカバー、「歩いて帰ろう」、「社会生活不適合者」。いやあ~素敵、素敵。すごくわかりやすくて楽しいR&R大会だった。
アンコールでは、ポンキッキつながりでスチャダラパーのBoseがゲストで登場して「いたいけな秋」を共演した。ラップと斉藤和義って意外に合うのが面白い。

オレ、ライブを観てて“今、せっちゃんは幸せなんだろうな~”ってすごく感じた。斉藤和義はどの時期でも楽曲のクオリティはとても高くて、アルバムの出来不出来はあまりない人だと思う。だけど、その時の環境で楽曲のカラーはかなり変わるんだよね。たとえば、2003年の「NOWHERE LAND」や「青春ブルース」の頃は、迷いが感じられるというか、なんとなくダークなフィーリングが感じられる曲ばかりだが、このところの曲にはそういうタッチはあまり感じられなくなった。それは、シングルがヒットして世間に大々的に受け入れるようになったこととか、いい人たちと一緒にやれるようになったこととか、いろんな要因があるんだろうけど、一番大きな変化はやっぱり彼に新しい家族が出来たことなんじゃないかと思う。
本編最後の「罪な奴」は、正にそんな彼の日々を赤裸々に歌った衝撃曲だ(笑)。演奏はライブ全体の中でも最高にハードだったんだけど、それでもヘヴィなフィーリングは感じられないんだよね。コーラスの“オギャー!、オギャー!”は最高。フライングVをギンギンに弾き倒しながら、こういうロックを演るってのも、なんだか清志郎っぽいって思った、オレは。

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コメント

こんにちは!初コメントです。

>>反論覚悟で言うと、ある意味、今の若手の中では一番忌野清志郎の楽曲と似た世界観を持ってるんじゃないかと思う。

ボクは反論しません、agreeです(笑)
例えば、
RCの「三番目に大事なもの」
 ~ 一番大事なものは自分なのよ
 ~ その次に大事なものは勉強で
 ~ 三番目に大事なものが恋人よ
こんな世界観はせっちゃんにもありますね。
あと、「キミかわいいね」みたいに、ハッとするような同じフレーズを繰り返す楽曲も共通してると思いますよ。この曲なんか、せっちゃんがカバーしてもピッタリくるんじゃないですかね。

いいな~。
俺も観に行くつもりだったんですが諸事情で・・・。
俺も反論しません!
同じことやってる訳じゃないけど近いモノを感じます。

◆モジャン(大阪の読者ファン)さん
斉藤和義&忌野清志郎同郷説(笑)にご賛同いただき、ありがとうございます。
なるほど~。「三番目に大事なもの」的なニュアンスは確かにけっこうせっちゃんにありますよね。僕はそれが「罪な奴」の誕生でどう変化していくかが楽しみです(笑)。清志郎が正にそういう変遷を辿りましたからね…。

◆LA MOSCAさん
いいですよね~、斉藤和義。境界線ぎりぎりのところで、飄々とロックをやっているところが清志郎っぽいと似てると感じるのかもなあ…。

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