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2011年3月 5日 (土)

OK!C'MON CHABO!!! CHABO'S 60TH ANIV. / 2011年3月5日(土)ZeppTokyo

まず最初に、僕はこのイベントに最初割と淡々とした気持ちで臨んだことを白状しなければならない。
これは2月23日に出たCHABOへのリスペクト・アルバムに参加したアーティストが、カバーした曲をライブで実際に演奏するというもの。そして、CHABO本人もゲストとして出演する。
そもそも僕はCHABOのリスペクト・アルバムが作られるということ自体に違和感があった。こういうのは押しも押されもせぬ名声を得たミュージシャンズ・ミュージシャンの晩年に開催されるようなものでしょう?CHABOはまだ現役バリバリじゃんか。日本に“還暦”という風習があるにせよ、こういうのはいくらなんでも早すぎるし、なんつうか、ジジむさい(苦笑)。
この日のライブにしたって、出演者が自分の曲も演奏するというならまだわかる。それはCHABOと若手が同じ土壌で共演するということだからね…。でも、これはそうではなかった。完全に若手がCHABOのカバーだけを演奏するという。なにもそんなに無理に崇め奉らなくたっていいのに…(苦笑)。
僕は、清志郎がいなくなってから、なんだかCHABOを必要以上に日本のロックのリビング・リジェンドに据えようとする空気があるような気がしてならない。そういう見方はちょっと違うんじゃないか?忌野清志郎や桑田みたいに、全方位的に日本のロックのアイコンとなっている人なら、それでもいい。けど、CHABOはそういうタイプのミュージシャンではないと思うのだ。

ライブは定刻を15分ほど押して始まった。寺岡呼人がまず出てきて挨拶。うん、好青年なのは良くわかったよ。CHABOが激しく好きだってのも良くわかったよ。けど、“みんなでOK!C'MON CHABO!って叫んでくれ~”って、そういうのは止めてくれないか?こういうノリ、おぢさんは激しく苦手なんだよ!(苦笑)。

なーんて、シラけて観てたんだけど、始まったらすごく面白かったんだな、これが(笑)。
まず、トップのクロマニヨンズに一発で持っていかれた。「GIBSON(CHABO'S BLUES)」をラモーンズ風というか、むちゃくちゃパンキッシュに演奏してあっという間にステージを去ってゆく。スゲエ!ヒロト、やっぱロック!マーシー、むちゃくちゃクール!
さらに、斉藤和義の「うぐいす」やら、寺岡呼人の「ティーンエイジャー」やら、アレンジを変えたCHABOの楽曲が次々に演奏される。僕はアルバムを全く聴かずにライブに臨んだだけに、出てくる曲一つひとつに驚きがあった。いやあ、やるもんだなあ…。感心したり、思わずニヤリとしてしまったり。各ミュージシャンがその曲を取り上げた理由なんかを想像するのも楽しくて、あっという間にステージに惹き付けられてしまった。

彼らの演奏を聴いていて強く感じたことがひとつある。それはCHABOの楽曲の持つ普遍性だ。僕はCHABOの曲はCHABOが歌ってこそのものだとずっと思っていた。「魔法を信じるかい?」のポピュラリティも、「ホームタウン」の寂寥感も、「ガルシアの風」の説得力も、それはCHABOがあのギターで、あの声で弾き語るからこそのものだとずっと思っていた。
しかし、Leyonaの歌う「魔法を信じるかい?」は限りなくドリーミンで、まるでカーペンターズの曲を聴くようだった。さだまさよしの「ホームタウン」は彼らなりの解釈のギターで、あの寂寥感を醸し出していた。浜崎貴司の「ガルシアの風」は圧巻だった。こんなにスゴい歌うたいだったのか、こいつは…。僕はイカ天出身のバンドや“渋谷系”といわれた90年代出自のバンドには偏見があるのだが、そんな僕の先入観を引っくり返してしまうようだった。
ただ、彼らのパフォーマンスがあれほど素晴らしかったのも、それはあくまでCHABOの作った詞とメロディがもともと決定的に素晴らしかったからだと思うのだ。素晴らしい曲は、素敵なミュージシャンによって演奏されてこそ素敵に響くという、当たり前といえば当たり前だが、実はこの上もなく贅沢な時間がこの夜は流れていた。かえって「さなえちゃん」みたいなベタな曲を原曲に忠実に演った曽我部恵一とかの方が、僕にはつまんなく聞こえた。
世代や時代を超えて歌い継がれているスタンダードとは、こういうものなのかもしれないとふと思う。CHABOの世界観そのものと思っていた楽曲に、実はこんなにもスタンダードとなり得るような要素が詰まっていたということに、改めて気付かされたライブであった。

最後のゲスト、奥田民生がステージを去ると、後方のスクリーンにチャボのバイオグラフが流され、2011.3.5 ZeppTokyoの文字が。いよいよCHABOの登場だ。
1曲目はなんと「いいぜBaby」。これは久々に聴くから嬉しかったけど、なぜこの日この時にこの曲なんだろう?なんか、CHABOに謎賭けをかけられてるような気分。
弾き語りはこの1曲のみ。この後はすべてこの日のために組まれたスペシャルバンドがCHABOのバックを務めた。これが土屋“蘭丸”公平、佐藤タイジのダブルギターに伊東ミキオがキーボードで加わるという豪華なもの。おまけにギターで寺岡呼人、コーラスでLeyonaまでも入っている。
でも、なんと言っても素晴らしかったのは河村“カースケ”のドラミングだ。この人のドラミングの見事さには改めて感心させられてしまった。いわゆる“歌モノ”のバックとしては日本最強じゃないだろうか?このバンドでのCHABOが見られたとことだけでも、このライブに来て本当に良かったと思う。
この後CHABOは「ハイウェイのお月様」と「遠い叫び」、そして「早く帰りたいPartⅡ」を演る。結果的にとてもロックなセットリストになった。

ロックなモードはアンコールでも続き、一発目は「打破」。さらにお約束の「雨あがりの夜空に」で会場は大盛り上がり。
そして、最後の最後は「GET BACK」。これはちょっと感動的だった。この日は他のバンドのファンもたくさん詰め掛けており(っていうか、相対的に見れば生粋のCHABOファンより、他のバンドのシンパのほうが圧倒的に多かっただろう)、いつものCHABOのライブよりもだいぶ若い客層だったのだが、そんなお客さんが最近のCHABO色100%のこの曲で「雨あがりの夜空に」と同じぐらいに盛り上がっていたのだ!
今をときめく若いミュージシャン達がステージを埋める中、CHABOは堂々と中央でギターを弾き、シャウトしていた。そして、清志郎へのコメントも…。終わったのは9時半ぴったし。CHABOの演奏時間もたっぷり1時間半。気が付いたら予想を遥かに超えて楽しんでいたライブだった。大満足!

だだ、このイベントの意味合いを、僕の中できちんと収めるにはもう少し時間がいるのかもしれない。この日は会場にだいぶたくさんのカメラが入っていたみたいだったけど、是非テレビなりDVDなりで映像を公開してほしい。もう一回、冷静にライブを最初から観て聴いて感じたい。そう思う。

帰り道、僕はなんだか無性に嬉しかった。だって、還暦だのリスペクトだの、僕にとっては違和感バリバリのイベントであっても、CHABOはいつもどおりだったんだから。どんな場であっても、CHABOはやっぱりCHABOのまま。
そして、これは声を大にして言いたいんだけど、あんなにいっぱいミュージシャンが出てきても、やっぱりCHABOが一番カッコ良かった!それが僕には堪らなく嬉しかったのだ。

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仲井戸“CHABO”麗市」カテゴリの記事

コメント

大変お久しぶりデス。
今回のは(笑)HAGAさんはいらっしゃらないかなぁ?
とも思っておりましたが・・・
お会い出来ず残念でした。
あたし的には久々のチャボさんにheart01
大好きなアーティストのオンパレードで
ハシャギ過ぎて帰りはグッタリでした(笑)
YO-KINGはいかがでした?何も書かれてないって事は...(笑)
DVD出たら〜そりゃ買いマス。
次は、佐野元春@国際フォーラムデス^^

投稿: ぴーたー | 2011年3月 6日 (日) 22時51分

◆ぴーたーさん
お~いらしてましたか!久しぶりにお会いしたかったです。今回のライブではあんまり知り合いに会わなかったなあ…。

>YO-KINGはいかがでした?何も書かれてないって事は...(笑)

いえいえ!YO-KING、とても良かったと思います。この時一緒にやった伊東ミキオがまた良かったですよね。イントロはちょっとジャジーなアレンジになってて、“なるほど、これもアリか…”と思いました。
それよりも僕は、YO-KINGが「慕情」を取りあげた理由を考えてしまったんですよ。以前、とても悲しいことがありましたよね?あの時、YUKIさんと月を見上げながらこの曲を聴いていたのかなあ、なんて想像しちゃって…。深読みかもしれませんけど、子を持つ身としてはぐっときてしまいました。

投稿: Y.HAGA | 2011年3月 7日 (月) 10時10分

通りすがりに失礼します。
全く世代ではない若輩者ですが、近年CHABOさんのライブを見てカッコイイ~と好きになって、このイベントに行きました。
私も「いいぜBaby」が聴けて嬉しかったです。

ちなみに、CS放送フジテレビNEXTで5月1日にまず初回放送されるそうです。リピートもあるかと思いますし、フジテレビONEの方でも放送があるかもとのことです。

投稿: NOE | 2011年3月11日 (金) 10時30分

◆NOEさん
わー、若い方にCHABOさんをカッコイイ~って言ってもらえるってとても嬉しいですね。たぶん、このイベントも他のアーティストのファンで来場した若いファンも多かったと思いますけど、そんな人たちにもCHABOのアーティストとしての真摯な姿勢がきっと伝わったと思います。CS放送も楽しみですね!

投稿: Y.HAGA | 2011年3月16日 (水) 09時55分

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