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2011年5月29日 (日)

Leyona Live trip「Middle and Mellow」/ 5月29日(日)Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLESURE PRESURE

Leyona Live trip「Middle and Mellow
☆5.29(sun)@Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLESURE PRESURE
open 17:00/start 18:00
BAND ds:沼澤尚 key:エマーソン北村 b:中條卓

約2時間のライブの本編が終わり、Leyonaはバンドのメンツと一緒にいったんステージを去る。
アンコールの拍手が鳴り止まない中、やがて彼女はは独りでステージに戻ってきた。そして、センターに腰掛けると静かにギターを手に取って、スタンドマイクを口元からすっと遠ざけたのだ。いったい何が始まるのかと息を呑む場内。その中を彼女は静かに、しかししっかりと歌い出したのだ。

  雨 潸々と この身に落ちて
  わずかばかりの運の悪さを 恨んだりして
  人は哀しい 哀しいものですね
  それでも過去達は 優しく睫毛に憩う
  人生って 不思議なものですね

これは効いた。僕は席に沈み、ただただ必死に涙を堪えるしかなかった。美空ひばりの「愛燦燦」。この日唄われたどの歌よりも、どのMCよりも、このカバーには今のLeyonaの気持ちが沁み込んでいたと思う。

この日のLeyonaは、全ての曲でギターを持ち自らの手で弾き語っていた。驚いたことに、事前にバンド編成でのライブがアナウンスされていながら、あえてオープニングの数曲は彼女一人による弾き語りで行われたのだ。
自分でも“デビュー当時は自分がギターを弾いて歌を唄うなんて想像できなかった”と言っていたLeyonaだが、その姿はミニスカートにハイヒールでくるくると踊っていたデビュー当時の姿から、もう一段ミュージシャンとしてのステップを上がったことを、確実に感じさせてくれるものだった。

オープニングは「パッチワーク」。松本隆の美しい歌詞を噛み締めるように唄うLeyonaの温かい声が会場いっぱいに響き渡る。それから彼女が18歳の時に作った「うた」。いつも思うことだけど、こんな素敵な曲を18歳の少女が書き上げたなんて、未だに僕は信じられない。こんな言い方をしたらLeyonaは嫌がるだろうけど、やっぱり天才だと思う。
キーを半音下げ、凝ったアレンジが施された「Town to Town」なども唄われ、この弾き語りのパートだけで、観客はあっという間にLeyonaワールドに惹き込まれていた。
エマーソン北村とのデュオスタイルで歌われた、シャーデーのカバー「キス・オブ・ライフ」も良かったなあ…。
それから、CHABOのカバー「魔法を信じるかい?」。これはなんと言ってもエマーソンのレゲエアレンジが素晴らしかった。さすが元ミュート・ビート!

そして、沼澤尚と中條卓が加わり、バンドスタイルになるとサウンドにぐっと厚みが増す。考えてみたらこのバンド、佐藤タイジ大先生(笑)がいないだけで、完璧にシアターブルックなんだよね。これまでもいろんなバンドマンがLeyonaのバックを務め、それぞれに魅力的だったけど、今のバンドは完成度で言えば群を抜いている。
沼澤さんのドラミングは相変わらずスリリング。クールにベースを弾く中條卓とのリズム隊は鉄壁だ。その上をエマーソン北村のキーボードが自由自在に飛び回る。この人のプレイは、あえて音数が少ないのが逆にすごい。ボーカリストの色を決して崩すことのないキーボードプレイヤーなのだ。
そんな完璧なバンドサウンドを従えてギターを弾くんだから、Leyonaもさぞかし気持ち良かったんだろう。つい力が入ったのか、この日は自前のピックを2枚も割ってしまったと言っていた。そんな彼女はギターアンプのネットに貼り付けてあったピックを手にする。それは清志郎からもらったピックだそうだ。アンプにはもう一枚ピックが貼ってあって、それはCHABOのものだそうだ…。

ライブは僕の聴きたかった曲をほとんどやってくれた。「Sweet Baby Love」のウエストコースト・ロック的なバンドサウンドは最高に気持ちよかったし、久々の感のある「beautiful day」はLeyonaがテレキャスター・カスタムを手にしてちょっとサイケな香りのするトーンを弾き出していたのが印象的。「Tone」や「travellin'man」もリリース当初とはアレンジを変えてあって、聴き応えがあった。

あっという間の2時間半。でも、とても充実したいいライブだった。
渋谷でのこれまでのLeyonaのライブといえば、DUOやAX、クアトロといったスタンディングのフロアで、満員の観客が気持ちよさそうにゆらゆら揺れている印象があったんだけど、この日はゆったりと椅子に腰掛け、じっくりと歌を噛み締めるようなタッチ。いつもと比べれば、全体的にやや大人しめの感があった。これは会場が悪名高き(?)PLESURE PRESUREだったということもあるのかもしれないが、僕はあえてLeyona自身がこういうライブをやりたかったんだと見ている。「愛燦燦」のカバーは、そんな気持ちを象徴するようなセレクトだったんじゃないかなあ…。

ライブを観てよくわかった。やっぱり、3月11日の出来事は、Leyonaの心にも様々な影を落としていたのだ。この日、LeyonaはMCでこんなことを言っていた。“こうしてライブができ、お客さんの前で歌が唄えるということ。それがどんなに幸せなことなのかを今、改めて実感しています”。それから、少女の頃に母親から教えられたという、生きていく上で忘れてはいけない3つの大切なことも語ってくれた。それは“決して奢らないこと”“感謝の気持ちを忘れないこと”“いつも笑っていること”だったという。
なんかねえ、こんな話を聞きながらまた泣きそうになっちゃったんだよ、オレ。なんて素直でストレートな子なんだろうと…。でも、そう思ったのは僕だけじゃなかったはず。ステージにいたキーボード奏者のエマーソン北村も、LeyonaのMCに目をしばたいていたのを僕は見逃さなかった。
少女の頃を過ぎて歌手になった今でも、Leyonaは母親の教えそのままにステージに立っている。そんな彼女の誠実さが強く伝わってきた。セクシーな衣装に身を包み、パワフルな歌声で観客をノックアウトする歌姫だけど、そのハートは歌手になることを夢見ていた少女の頃のままなんだろう。
デビュー当時から彼女に魅了され、ライブを観続けている僕だけど、最近のLeyonaは人間的な成長ぶりが著しいと思う。年下の女の子にこんなことを言うのもなんだけど、包み込むような母性を感じるようになってきたなあ、彼女…。

まさか、Leyonaに美空ひばりの歌で泣かされるとは夢にも思わなかったよ…。
「愛燦燦」。いい歌だなあ…。

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コメント

僕も行きましたよ!

美空ひばりのVoiceがLeyonaのVoiceと似たところがあると、
Leynaのカヴァーを聴いて、気づかされたのは、僕だけでしょうか?
それとも、あれはあくまでもLeyonaの歌唱力でしょうか?
まさに“Middle and Mellow”な1曲でした。

シャーデーのカヴァーも良かった。
ギターのカッティングも骨太になってきた感じがします。

これからのLeynaが楽しみですね!?

投稿: 樹木 | 2011年6月 1日 (水) 00時17分

◆樹木さん
Leyonaと美空ひばり、僕は2人の歌への“気の入れ方”に共通するものを感じました。唄の巧い歌手はたくさんいますけど、2人の歌唱の説得力はテクニックという言葉では語れないものがあると思います。
ギターもそうで、決して上手ってわけではないんだけど、彼女の息遣いそのもののようなカッティングは独特の魅力がありますよね。もしかしたら、CHABOの恩返しではCHABOとのギターの絡みも聴けるかもしれませんね。

投稿: Y.HAGA | 2011年6月 2日 (木) 14時37分

私も行ってました。
2列目という最高の座席でしたsmile

美空ひばりの「愛燦燦」は感動のあまり涙が頬を伝いました。
Melodyでは、その涙が溢れてきてしまいました。

心に沁みるすてきな歌声でしたね。

投稿: ちゃこ | 2011年6月 5日 (日) 23時33分

◆ちゃこさん
お!実は僕、3列目の通路側(ど真ん中)だったので、ちゃこさんとかなり近い席だったかも。
今回のLeyonaはダンサブルなタッチより、じっくりと聴かせるライブだったように思います。初期の頃と比べると、ミュージシャンとして一回りも二回りも大きくなった姿が感じられる、素敵なライブでしたね。

投稿: Y.HAGA | 2011年6月 6日 (月) 13時55分

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