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2011年7月23日 (土)

CHABOの恩返し③ Leyona with 仲井戸“CHABO”麗市 / 2011年7月23日(土)南青山MANDALA

今年のCHABOは、春から“CHABOの恩返し”というシリーズライブを行っている。これは、寺岡呼人の呼びかけで実現したリスペクトアルバム「OK!!! C'MON CHABO!!!」に参加したミュージシャンを、恩返しの意味をこめて自分のソロライブに呼んで共演するというもので、既にさだまさよし、寺岡呼人とのライブが行われている。Leyonaは3人目の“恩返し”になるわけだけど、僕は最初の2回は行けなかったんで、これが恩返しシリーズ初見だった。
だから、恩返しライブがどういった構成で行われるかということも含めて楽しみだったのだが、意外だったのは、僕はてっきり最初から最後までCHABOとゲストが共演するものだとばかり思っていたのだが、ライブは1部がLeyona、2部がCHABOとそれぞれのソロの時間がきっちり分かれていたこと。欲を言えば共演をもう少したくさん見たかったなあ…。ただ、これは見方を変えればそれぞれのパフォーマンスの違いがより際立つ部分もあった。まあ、これはこれで良いのかもしれない。

開演時間を10分ほど回り、場内にビーチボーイズの「サーファーガール」が流れる中、ステージにCHABOが登場してくる。CHABOは小声で歌を口ずさむなど、とてもゴキゲンな様子だった。そして、恩返しライブの趣旨を紹介してからLeyonaをステージに呼び込む。

この日のLeyonaはギター片手に完全な弾き語りスタイル。
1曲目は1stアルバムからの「Thinkin'」だった。土の香り漂うギターとボーカルが非常にカッコ良し!Leyonaは、間奏でギターを叩いてパーカッシブな響きを出したり、ベース音を強調したり、ひとりメンバー紹介をやったり(笑)変化自在なステージングを展開。初めてLeyonaを観るCHABOファンをばっちり惹き付けた。MCはグダグダだと自嘲気味に語る彼女だけど、その朴訥振りがいいのよ、おぢさんは(笑)。
それにしても、彼女のギターの腕前はここ最近格段に進歩したと感じる。ひと言で言ってLeyonaのギターはとても男前(笑)。キレのいいカッティングがとてもパーカッシブで気持ちいいのだ。リズム感のいいLeyonaのことだから、一人で演る時もこういうビートを自然と欲するんだろうなあ…。
そして、ボーカルもギターに引っ張られるようにますます力強くなったと思う。MCで彼女はこんなことを言っていた。“これまでステージで緊張する経験がなかったんだけど、ギターを弾くようになってからは、緊張の更に上の状態になってしまう”。その状態、彼女曰く“ACDC”だそうです(“汗だくだく”ってことね(苦笑))。でも、この緊張感がますますボーカルを磨いたんじゃないかなあ?

続いては「ハーモニー」と「風をあつめて」。ハスキーだけどよく通るしなやかなボイスが会場いっぱいに響き渡る。更に「パッチワーク」。これ、狙ってたかどうかわからないけど、偶然にも松本隆作詞の楽曲メドレーになってた。こうして聴くと、改めて松本さんの歌詞は映像的な表現が多いことに気が付く。そんな歌詞がLeyonaの温かい声にのって届くと、“ああ、やっぱり日本語っていいなあ~”ってしみじみ思っちやうんだよなあ…。

ハイライトは「L-O-V-E」から「LOVE」へのメドレーあたりかな。MCは相変わらずとっちらかってたけど(苦笑)、「LOVE」ではコーラスをお客さんにも歌わせ、会場が温かい空気でいっぱいになった。この辺の持っていき方はさすが!
ラストは美空ひばりの「愛燦燦」。これ、この前の彼女のライブでもアンコールで歌われてぐっときちゃったんだけど、オレ、この日もかなりヤバかった。素晴らしいわ、これ。なんつったらいいんだろう、彼女の歌う「愛燦燦」には、僕が久しく忘れていた母性を感じてしまうのだ。
10以上も歳の離れているおっさんの胸をこんなにも焦がしてしまうLeyonaってのは、本当に不思議なシンガーだと思う。21世紀の歌姫であることは間違いないのだが、ムード歌謡の歌手のような昭和の匂いも感じるし、時としてとても年下のシンガーだとは思えなくなる。
そういえば、後にステージに出てきたCHABOも似たようなことを言ってたっけ。このライブのリハは、同じスタジオを時間で区切ってそれぞれが交代で使うというシチュエーションだったらしいのだが、先にリハを終えたLeyonaはスタジオを出る際、CHABOに“それではお先においとまさせていただきます”と書き置きしたそうだ。CHABOは“今時の女の子が「おいとま」って使わねえだろう?普通”って言ってた。確かに(笑)。でも、なんだかLeyonaならそんなエピソードもうなずけちゃうような気がする。

気が付くと、Leyonaのステージは1時間を超えていた。もう、ほとんどソロライブ一本分。Leyonaファンの僕としては大満足だった。

短いインターミッションの後、いよいよCHABOの登場。
ベンチャーズの「PIPELINE」のフレーズを爪弾きながら登場してきたCHABOは徐々にテンポアップ。それを客席でしっかりとリズムキープしていたお客さんがいたみたいで、CHABOは“同世代とお見受けしました”と最初からゴキゲンだった。2曲目は珍しく「うぐいす」。これ、シュールな歌詞といい、シンプルなギターリフといい、大好きな曲だ。久しぶりに聴けて嬉しかったなあ…。

びっくりしたのは、古井戸のナンバー「Wisky Romance」が歌われたこと。これ、オープニングに波の音を被せたりしてて、今の季節を強く意識したアレンジになっていた。それと、これはサーファーガールLeyonaと一緒にやるライブっていうイメージもあったんだろう。こういうセレクトで一期一会感を出すのも、CHABOの生真面目さが表れてるような気がする。コーラスの“ウキウキ…”は、早川岳晴とのデュオで演った時、早川さんが照れてできなかったというエピソードも語られて、なんだか笑ってしまった。

シリーズライブになると、必ず何か自分に課題を課すCHABOだが、恩返しシリーズでは共演者の曲を必1曲はカバーすることにしたらしい。さて、CHABOがLeyonaの曲から何を選んだかと言えば、これがなんと「travellin' man」!うーん、また難しい曲を(苦笑)。キーが合うのか?と心配したら意外に大丈夫だった。サビはさすがにキーを下げてたし、メロディーもだいぶ崩してはいたが、スライドばりばりでかなりブルージーなアレンジを施し、原曲とは違った面白さがあった。

カバーはもう一曲。今度来るブライアン・セッツアーに併せてか、ストレイキャッツの「Lonely Summer Nights」。これは出だしでCHABOのオリジナル“ティーンエイジャー”を歌いだしてしまうという珍しいハプニングがあった。でも、これは僕らとしたらとても得した気分。CHABOも照れ隠しもあってか、その後軽くワンフレーズ弾き語りをサービスしてくれ、客席は大喜びだった。
それにしても、CHABOは昔からストレイキャッツ、大好きだよね。僕はこのバンドってそんなに入れ込んだことがなく、その良さに気が付いたのもずいぶん後。だけど、CHABOは80年代からこのバンドを押してたんだよね。

僕的には、この日のCHABOのソロパートでのハイライトは「SUMMER SUMBA」だった。リズムボックスをバックに軽快なサンバのビートが弾き出され、CHABOもすごく気持ちよさそうだった。僕自身、これを聴くのはすごく久しぶりな感じだ。もしかしたら、ソロで聴くのは初めてかも…。今の季節にぴったりな選曲で立ち上がりたくなっちゃうぐらいだった。
で、この後に「IN MY LIFE」~「忙しすぎたから」をメドレーでやったのが、なんだかすごく良かった。CHABOの描く夏ってのは、ただ明るく燦燦と太陽が降り注ぐだけじゃない。ちょっとダークな感じやら、眩しく暑いがゆえの虚しさやら、来るべき秋に向けて内省的になっていくタッチやら、微妙な陰影のある夏だったりするのだが、それがこのメドレーで見事に表現されていたと思う。それに、なんつったって「忙しすぎたから」だからね…。どうしたってGLAD ALL OVERでの清志郎とのアコースティックセットのことを思い出さないわけにはいかない。
「IN MY LIFE」は、最近、ジョン・レノンに関する映画の試写会に行ってきたと言う話しの後で演奏された。これはたぶん、8月に公開予定の“ジョン・レノン,ニューヨーク”のことじゃないかと思う。これ、なぜかあまり情報がリリースされないのだが、僕も気になってる映画なのだ。これに続いて“楽しい夕べに~♪”だからなあ…。かなり効きましたぜ。なんか、ちょっと泣きそうになった…。

ラスト2曲は“最近の出来事”に対しての、歌を通してのメッセージだったと僕は受け取ってる。
まずは「悲しみをぶっとばせ!」。そして、古井戸の「きまぐれラプソディー」。この曲を歌う前、CHABOは“この歌の主語を「今の日本」にしてみたら…”みたいな事を言っていた。CHABOは決して声高に世論を憂いたり、政治的なことを具体的に歌う人ではないし、僕もそれでいいと思っているのだけれど、このMCには今のCHABOの胸のうちが垣間見れたような気がする。

アンコールはお持ちかねのCHABO+Leyonaの共演(CHABOは“Lei-Leyo”って言ってたな(笑))。
まずは土曜日にライブをやる時のお約束、「Take You The Movies Tonight」をやってから、Leyonaのデビュー曲「オレンジ」をプレイ。たぶん、これはこの日足を運んだファンなら絶対聞きたかった曲だろう。素晴らしかった!この曲のCDシングルには、このライブと同じ形態でのCHABOとのデュオバージョンがカップリングされているが、この日の演奏はそれよりも更に良かったと僕は思う。これはきっと、Leyona自身の成長の証でもあるんだろう。RCサクセションに憧れて広島の三原から出てきた歌の巧い少女は、10年のキャリアを経て、こうして憧れの人と堂々と共演できるまでになったのだ。

そんな気持ちで聴いたからか、「魔法を信じるかい?-Do You Believe In Magic?-」は、格別の感慨があった。なんでも、この前日に行われたライブではLeyonaが感極まって歌につまるシーンもあったという。この日はそれはなかったけど、高鳴る胸の鼓動を抑えながらとても丁寧に歌いこんでいるように見えた。サビの部分、スタジオバージョンだと清志郎が歌ってるパートは客席もコーラスを歌い、会場全体がとても優しい空気に満ち溢れた。
“夢を大切に…”というメッセージを歌うミュージシャンはとても多いが、Leyonaは存在自体がそれを具現化しているという幸せなミュージシャンなんじゃないかなあ?もちろん、そこに至るまでにはいろんな苦労もあったのだと思うが、広島の田舎町から夢を抱いて東京に出てきて、大好きなCHABOや清志郎に可愛がってもらえ、こうして憧れの人と同じステージに立てるなんて、やっぱり魔法みたいなこんだよなあ…。彼女は、いろんな意味で音楽の神様に愛されている人なんだと思う。

その後は、CHABOのリクエストということで「パパママリバティー」。これは2ndアルバムに収められた曲だけど、もしかしたらライブで聴くのは初めてかもしれない。いい歌詞だと思う。っていうか、Leyona、なんていい子なんだろうと思ってしまう(笑)。子どもにこんなことを歌われたら、親としては泣いてしまうよ、もう(苦笑)。

そしてそして、RCクラシックの「いい事ばかりはありゃしない」。これは昨年の“WE LOVE 吉祥寺”でもプレイされたけど、CHABOとLeyonaが共演する時の定番になりつつあるのではないか。CHABOのギターは言わずもがなだが、エンディング近くでのLeyonaのブルースハープも素晴らしかった。

最後の曲はスティービー・ワンダーのカバーで「A PLACE IN THE SUN」。これは数年前の浜田省吾のライブでもオープニングで歌われてたっけ。Leyonaもアコースティックギターを手にし、Leyonaが英語、CHABOが日本語でという構成で歌われたのだが、2人の祈りがこめられているようでかなりぐっときた。確か、オリジナルの詞は“誰にとっても「陽のあたる場所」が必ずある”みたいなニュアンスだったかな。

ライブはトータルで3時間超え。温かく優しいライブだったと思う。

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コメント

梅田AKASO 行って来ました
大好きな Leyona。もう何日も前から興奮してました
浪速でも緊張してたみたいで‘ACDC’でしたよ(笑)
ホント ギターいい感じですよね
初めて聴いた「愛燦燦」良かった
久しぶりの「うぐいす」に「SUMMER SUMBA」
この夜は 自身まったくブレずに集中できました

やっぱり二人とも“夏”が似合います!

投稿: ひであき | 2011年7月29日 (金) 15時17分

僕も恩返しシリーズ初参加でした。
…っていうか、正直、このふたりセットで見たかった。
それは、もうHAGAさんが記された通り、このふたりの関係が、
どうしても観ないわけにはいかない衝動に駆られたからです!

内容もHAGAさんが全部記してくれてます。
気持ちも同じ気持ちです。

調子に乗って、9月のLeyona&TheBandのチケットを早くも手に入れてしまいました。

これからの恩返しの方は、見送っています。お目当ての組み合わせはあるんですけどね…。

でも、やはりCHABOさんのソロ・ライヴは、南青山MANDARAがいいですね。“第2のふるさと”というだけあったような気がします。

マンスリーライヴを演った時のMANDARAコラボTシャツは、今でもお気に入りです。

投稿: 樹木 | 2011年7月31日 (日) 01時04分

◆ひであきさん
>ホント ギターいい感じですよね

Leyonaのギターは思い切りがいいですよね。巧く弾こうってことじゃなく、気の向くままにじゃかじゃか弾きまくってて気持ちいいです。ボーカリストの弾くギターの香りがぷんぷんしますよね。

投稿: Y.HAGA | 2011年8月 1日 (月) 10時54分

◆樹木さん
>…っていうか、正直、このふたりセットで見たかった。

そうですね。CHABO+Leyonaってのは、他の“恩返し”のメンツとはちょっと違ったタッチがありますよね。清志郎との関係にせよ、これまでのCHABOとの関わりにせよ、他の人たちよりも明らかにお付き合いが“濃い”と思います(笑)。このセット、これで終わりにせずこれからもちょくちょくやって欲しいと思ってます。
僕も9月のLeyona&TheBand、行きますよ!今度のライブはもう少しロックっぽくやるような予感がします。

>やはりCHABOさんのソロ・ライヴは、南青山MANDARAがいいですね。

そうですね!かつてのパワーステーションやティアラこうとうがそうだったように、CHABOは気に入った会場はしつこく何度でも使う人なので(笑)、これからもMANDALAでたくさん演ってくれると思います。個人的にもアクセスが良くて好きだなあ、あそこ。

投稿: Y.HAGA | 2011年8月 1日 (月) 10時55分

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