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2011年8月 5日 (金)

奇妙な世界

下のエントリーに自己レス。

今日の朝の日本テレビの番組「ZIP!」に、件のRock in Japan Fes.が取りあげられていた。それが“毎年家族連れの多い、子どもも楽しめるロックフェス”という切り口だったのには驚愕した。出演者に日本人ミュージシャンが多いこと、会場に子供も楽しめる施設が併設されていることがその理由だったのだが、それを言うなら、会場では通常の放射線量である0.10マイクロシーベルトよりも高い値が検出されているという事実と、子供が内部被曝する確立は大人より高いというリスクも併せてきちんとコメントすべきだったのではないか。
そんなのは、朝のワイドショー的な番組には相応しくないのかもしれないという判断だったのかもしれないが、楽しいことだけでなく、状況が状況なのだからそれに伴うリスクもきちんと情報提供することは、報道機関の説明責任として、絶対に必要だったと思うのだ。

こういう番組を見るたび、僕は胸が締め付けられそうな気持ちになる。
今、原発からの危険区域として国が定めたところ以外には、公の場で危険性に関して声をあげることはタブー視されるような空気があるのを感じる。だからこそ後藤の発言は重く、意味があるのだ。僕は彼の態度に最大限の敬意を表する。客を集めるのが前提である出演者の立場で、こういう発言することがどれだけ勇気のいることか…。

大人ならかまわない。大人ならリスクを自分で考え、自己責任で自分の行動を判断できるのだから…。しかし、大人に連れて来られた子供は、自分の意思でそこにいるわけではないのだ。子供の安全は、大人とは完全に分けて考えなければならないと思う。
少なくとも、勢揃いしたタレントがこうもにこやかに、量の多少はともかく、明らかに放射性物質が存在している場所を“家族向けのフェス”なんて言うのは一体どうなんだ?結果的に、これは内部被曝の可能性のある所への子供たちの参加を積極的に誘っているようなものではないか。これを朝の全国ネットで流すって…。これが報道機関としてのあるべき姿なんだろうか?

愕然としてしまった。激しく怒りを感じる。

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コメント

テレビに出る権利がある人等なのに、酷い。
結局他人事なんだ。
話すことを話さない。
其じゃまるで いや、人殺しだ。
伝えることが仕事なのに伝えないんじゃどうにもならない。
勇気いることは解ってる。
きっといろいろ言われる。
でも、それでも言わなくちゃ駄目なんじゃないんですかね。

◆霧矢氷骸さん
自覚しなければならないのは、3.11以降、僕らが住む世界は確実に変わってしまったっていうことだと思います。特に、野外活動を行う時は、常にそのリスクを考えて動かなければならないことになってしまった…。酷い世界だとは思いますが、それが現実なんです。報道機関はそれをきちんと伝えなきゃダメだと思います。

あのタレントたち、仮にあのフェスに参加した子ども達に晩発的な放射能障害が起きたら、どう責任を取るつもりなんでしょうか?その無知と想像力の無さに、呆れ果てます。

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