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2011年11月28日 (月)

エアロスミス・ジャパンツアー / 2011年11月28日(月)東京ドーム

前日に人生初のフルマラソンを完走した興奮も冷めないまま、筋肉痛に悲鳴を上がる身体を引きずって東京ドームへ。今日は7年ぶりに来日したエアロスミスのライブを観に行くのだ。
今年の春、まだ3.11東北大震災の余韻も生々しい中、彼らがいち早く来日公演を行うことを発表してくれた時は、驚いたと同時に本当に嬉しく思ったものだ。あの頃は、先の見えない原子力事故の影響もあり、外タレが軒並み来日を避けていた時期。僕は、もう日本は大物俳優が映画のキャンペーンに来たり、ミュージシャンがワールドツアーの一つとして来てくれる国ではなくなってしまったんだなあ…、なんて思ってしまい、とても哀しい気持ちなっていたところだったのだ。その後、レディ・ガガとかシルヴィ・ギエムが敢然と日本に来てくれたけど、ロック界の大物ミュージシャンでいち早く来日の意思を示してくれたのは、エアロスミスが一番早かった。

考えてみると、今回に限らず、僕は人生の節々でずいぶんと彼らのロックに力をもらっている。ストイックなロックファンの間では、80年代以降復活してからのエアロは商業的になってあんまり好きじゃないなんていう人もいるようだけど、僕は昔のエアロも今のエアロもどっちも大好き。なにしろ、あの70年代の落ちぶれぶりから考えたら、パーマネント・バケーションの完成度は奇跡みたいなもんだ。人生、どん底まで落ちたってなんとかなるもんだ。エアロを見てるとそう思えた。
音楽に関していうと、エアロスミスのロックってのは、僕にとってはローリング・ストーンズとレッド・ツェッペリンを足して二で割り、もう少し食べ易いように全体に砂糖をまぶしたようなもの。理屈抜きにハードでロックしてて、下品で猥褻で、大衆的で下世話。もう60過ぎてるっていうのに、外見も含めて全くシブい方向に向かわないのが堪らなくカッコいい。
そういえば、走り始めたばかりの頃も、トレーニングしながら一番多く聴いていたのはエアロスミスだった。僕は特に彼らのライブ盤が大好きで、ブートも含めて何枚もライブを持っている。それを爆音で耳に流し込みながらアドレナリンを沸騰させた夜がいったい何度あったことか。彼らのロックは、僕にとってはエナジー・サプリメントみたいなものなのだ。

久しぶりに見たスティーブン・タイラーとジョー・ペリー。アリーナ席最前列でありながら最右端というとんでもない席だった僕からは、二人は遥か彼方にしか見えなかったんだけど、それでも本当に本当にカッコよかった。さすがに顔の皺からは年輪も感じるけど、ステージアクションにしても、パワフルなシャウトにしても、プレイぶりからはまったく衰えを感じない。
日本のファンを勇気付けるように、何度も何度も花道まで走ってきてシャウトするスティーブンと、相変わらずクールな表情で低く下げたギターをかき鳴らすジョーの姿は、神々しくさえあった。本当にこんな時によく来てくれた!と胸がいっぱいになってしまった。

セットリストはハードロッキンな曲を中心にしたもので、僕的には大満足だ。まさかのオープニングDRAW THE LINEから、バンドはアクセル全開。エアロのライブに来たのは9年ぶりなんだけど、あの時より今回の方がずっと良かった。アルバムでいうとパーマネント・ヴァケイションやパンプからの曲が多かったのも、個人的には嬉しい。
マラソンを走った翌日だから、さすがに身体中の筋肉が悲鳴を上げていたんだけど、こんな極上のロックンロールを前にしたら、そんなの屁でもない。最初から最後まで立ちっ放しでガンガンに盛り上がってしまった(苦笑)。普段はどうしても小さな小屋でのライブが多くなってしまうから、こういう大会場でのスペクタクルなロックショーを見ると、やっぱり燃えるなあ~!ロックってイイ。やっぱしロックしかねえや!しみじみ思ってしまった。

印象に残った曲をいくつか書いておきたい。まずはLIVIN' ON THE EDGE。これまではあんまり好きというわけではなかった曲なのだが、まるで今の僕らのことを歌ってるみたいではないか、これ。この曲がこんなに胸に迫ってくる日がくるなんて夢にも思わなかった。
BABY PLEASE DON'T GOをはじめとする中盤のブルースも強い印象があった。最近は映画の挿入曲になるようなバラードに人気があるけど、オレたちはずっとブルースを忘れてないぜ!と言わんばかりのプレイぶり。これがあるからエアロは信用できる。
それからI DON'T WANT TO MISS A THINGに続けて演奏されたCRYIN'には、なんだかものすごく心を揺さぶられた。もともと大好きなバラードなんだけど、この日この曲をシャウトするスティーブンを見てたら、なんだか泣けて泣けて仕方なかった。

最後の最後、WALK THIS WAYの演奏時には、日の丸がスクリーンに大写しになる。そして、日本を励ますメッセージをスティーブンが叫んで2時間30分のショーは終わった。
もう一度言うが、本当に素晴らしいライブだった。ものすごく元気をもらった。なにより、来日を敬遠する外タレが多い中、こんなにも気合の入ったストロングなロックンロール・ショーを演ってくれたその心意気が嬉しいじゃないか!エアロスミスのライブでうるっとくるっていうのも我ながら変な話だと思うんだけれど、何度も何度も花道に降りてきてシャウトするスティーブン・タイラーの姿を見ていたら、胸が熱くなって感謝の気持ちでいっぱいになってしまった。
ロックってやっぱしスゲエよ…。言葉も文化も違う60過ぎのおっさんのやってることなのに、こんなにも力をくれるんだからさ…。なんだか、忘れかけていたロックのエネルギーをまた信じたい気持ちになった夜だった。

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コメント

HAGAさん、久しぶりに書き込みします。
エアロ福岡公演、さっき終わったところです。怒涛のアンコール6曲、元気を貰いました!メンバーの日本に対する想いがでた特別なライブでしたね!

◆My R&Bさん
お久しぶりです! エアロ福岡公演のセットリスト、某所で確認しましたが、なんじゃっこりゃああああ!!!!(笑)
アンコール6曲は凄いですね。しかも、ここでCrazyとMama Kin持ってきますか、普通?本編のNo More No Moreも含め、このセットはかなり僕好み。羨ましい~!

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