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2012年4月14日 (土)

山口洋 MY LIFE IS MY MESSAGE -solo2012 / 2012年4月14日(土) 横浜・THUMBS UP

今回のツアーは、MY LIFE IS MY MESSAGEと銘打たれ、昨年の3.11以来、山口洋が行っている南相馬市への復興支援の一環として行われているもの。そういう意味では、このライブが普段のそれとは意味合いが違うものになるであろうことはわかってはいた。
だけど、あんまり震災支援の色が色濃いライブってのはどうなんだろう、という気持ちが個人的にはあった。この気持ちを言葉にするのは難しいんだけど、僕は地元が福島ということもあり、復興支援と銘打たれたイベントに対して自分のスタンスをどう置いたらいいのか、いまだにわかっていないところがあるのだ。
震災から1年経ったけど、僕はいまだに東京に住んでいる人間として被災地を支援しなきゃという気持ちと、自分のふるさとが放射能という見えない怪物に汚されてしまった被災者意識の間で揺れ続けている。ライブを観るにしても、これだけのことが起こったんだから、ミュージシャンがそれにまったく触れないのは不自然だと思う反面、それが意味を持ち過ぎちゃうのもどうかと思う気持ちの両方の気持ちが僕の中にはあるのだ。
ただ、やっぱりライブは音楽を聞く場であるというのが優先順位の一番目。これは動かせない。大体、あんまり重くなりすぎちゃうと、それは今の自分の中で消化しきれなくなってしまうだろう。そう思っていた。
山口洋という人は、そういう重たいライブをやってしまう可能性だってある人。正直に言うと、いろんなことを考えてしまって、このライブに対して僕はなんとなく気が重かった。

でも、それは杞憂だった。ライブは震災を意識する曲やMCがありつつも、それを洋独特のユーモアでカバーするという程良いバランスで進行していった。1曲目の佐野元春のカバー「君を連れてゆく」で、洋がちょっと照れながら歌詞を変えて歌ったのを見て、僕はほっと肩の力が抜けたような気持ちになった。山口洋は決してこのライブを重たいものにしようとは思っていない。それが確信できたからだ。
そう、このライブはともすればシリアスな空気になってしまいそうなテーマを、山口洋が不器用なジョークと苦手なMCで和やかにしようと一生懸命だった。それでいて伝えなければならないことはちゃんと伝えるという強固な意志も感じられ、僕はなによりその誠実さに心を打たれた。

ツアー途中だから、あんまり詳しく書くことは避けるけど、ライブの途中に山口洋への質問コーナーまであったのには驚いた。これは自分が見てきた南相馬の現状をなんとか会場の人に伝えようという姿勢の表れだと思う。山口洋がこういうことを得意としているとはとても思えないし、見方によってはとてもダサいものになりかねない。それをあえてやっていることからも彼の一生懸命さが伝わってきた。

歌われた曲も、今歌わなければならない歌ばかりだったのではないか。「オリオンへの道」も「満月の夕」も演ったし、「出発の歌」も演った。
これらの曲を聴いていて、僕は山口洋が知り合いのいる南相馬市をピンポイントで支援しようと思ったのは、自然な流れだったんだろうと思った。彼の歌にはもともと再生をテーマにしたものが多いが、そんな歌を歌い続けていた彼にとって、目の前に巨大な喪失感を抱いた人々が映ったのなら、何かをしないわけにはいかなかったのだ。

このツアー、関東近郊だと既に千葉でライブが行われており、5月には東京・吉祥寺での公演を控えている。僕はこの日の横浜だけを観るつもりでいたのだが、ライブを見ていて考えが変わった。
正直言って、この日は被災地支援と純粋な音楽とがどんな按配で展開されていくのかということが気になっていたから、ライブ全体の流れにばかり目がいってしまい、本当の意味で音楽を楽しむことはできなかったような気がする。それはもちろん山口洋のせいでもなんでもなくて、自分自身のこだわりのせいなんだけど、なんとなく消化不良だったことは否めない。もっと素直な気持ちで音楽を楽しめばよかったなあとちょっと後悔している。

リベンジしたい。5月の吉祥寺、行こうかなあ…。

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山口洋(HEATWAVE)」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。ボクは千葉に行ってきました。
ロックンロールダイアリーを読んでいて、
いったいどんなライブになるんだろうと思っていたのですが、
最初の「君を連れてゆく」があまりに素晴らしく、
すぐに音楽の世界に入っていきました。

でも、それでもいつもより多めのMCに、
山口洋の「がんばっている感」が漂っておりました(笑)。

最後は、「満月」でした。
自然発生的に、みんなで歌っていたんです。
山口洋が、マイクから離れると、客席の歌声だけになって…。
いつも妻と2人で見に行っているのですが、
ライブ終わって、妻が、「今日の満月は美しかった」と言ってましたが、ボクもそう思いました。

なんて、つらつらと書いてごめんなさい。


ボクも自分にできることを、と思い、
仲間とこんなことをしています。
よろしかったら、覗いてみてください。

http://www.facebook.com/pages/IGNITION/229768560371154


投稿: Raku | 2012年4月18日 (水) 19時09分

◆Rakuさん
話の内容から察するに、千葉も横浜も大体ライブの内容は同じみたいですね。あのセットリストは、今歌うに相応しいものを厳選してるような気がしました。
「満月」で観客が口ずさむ場面は横浜でもそうでしたよ。あの内容のライブの締め括りとして、観客が山口洋のメッセージを受け取ったからこそああいう場面が自然と生まれるのではないかと思います。

投稿: Y.HAGA | 2012年4月19日 (木) 20時27分

ボクも行きました。このライブ。
ヒロシの意外と上手いトーク、後半の我慢大会(笑)
何より選曲、ホントに楽しめて、感動しました。

やっぱりHAGAさんいらしてたんですね。
ここで写真を見てたので、そうじゃないかな~?と
思ったんですが話しかける勇気無くて(^^;)ゞ

でスミマセン。
トークコーナーでヒロシに話しかけたのボクです(^^;)ゞ
舞上がって言いたい事の半分も言えず後で落込みましたが(笑
でも311以来、明日何が起こるかワカンナイから
話したい人には話そう、言いたい事はハッキリ言おう。
そんな思いがありました。
上手く話せたか?は兎も角、話して良かったと思います。

あの場で話したように福島絶対行きます。
ヒロシがあれだけ頑張ってるんだからボクも自分が出来ること
やれること精一杯やろうと思います。

投稿: ながわ | 2012年4月20日 (金) 23時07分

◆ながわさん
ああ、やっぱりあれはながわさんだったんですね!名乗ってらしたんで、僕もいつもブログにコメントくれるあの人かなあ~と思ってました。とても気持ちの伝わるいいお話だったと思います。

僕はあの日、仕事から駆け付けたんでスーツ姿でカウンターに座ってました。
もし、これからどっかで見かけたら、遠慮なさらずお声掛けください。

ながわさんに勇気づけられたんで、僕も5月の吉祥寺でのライブに行けたら、何か発言してみようかなあ~なんて思ったりしてます。僕は福島出身なんでちょっと重い話になりそうなんですが…。

投稿: Y.HAGA | 2012年4月23日 (月) 11時31分

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