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2012年5月27日 (日)

JAPAN BLUES & SOUL CARNIVAL 2012 / 2012年5月27日 (日)日比谷野外大音楽堂

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かれこれ20年以上も続いているジャパン・ブルース・カーニバル。僕も皆勤とはいかないまでも、気になる出演者がいる年はまめに足を運んできた。今年はメインがジョニー・ウインターだ。長年まだ見ぬ強豪(笑)と言われてきたジョニーも、去年ついに奇跡の初来日を果たしたのだが、僕は用事で見ることができなかった。それがこんなにも早く再来日を果たすとは。しかも盛り上がることでは定評のあるブルース・カーニバル!とっぷりと日の暮れた野音にジョニーのギターの爆音が轟くのはさぞかし気持ちいいだろう。だいたい、ジョニー・ウィンターを日本で見る機会が、これからもそうそうあるとは思えない。これは見逃せないぞと思った。

開演時間の4時きっかりに後藤ゆうぞうがステージに登場。この人の司会はブルース・カーニバルの名物だ。コテコテの司会進行を見るのは2年ぶり。なんか懐かしいなあ~この関西ノリ(笑)。
この日は“ゴトウゆうぞう ワニクマ・デロレン&マキ”として、出演バンドのトップバッターも務めていた。バンドはドラム、ベース、キーボード、ギター、トランペット、サックスとかなり大編成。ギターは、こちらもブルース・カーニバルではお馴染みのカメリア・マキちゃんだ。この人、後藤ゆうぞうのアシスタント役でずーっと出てるけど、何年経っても全然変わらない。今年は軽くウェーブをかけた髪にシックな黒のロングドレスと、装いは大人っぽくなったんだけど、およそブルースとは不釣り合いなお嬢っぽい雰囲気は相変わらず。そんな彼女が赤のES335を抱えて淡々とブルージーなフレーズを刻むのがイイんだなあ、これが(笑)。
ゆうぞうもMCで言ってたけど、このイベント、2年前から“BLUES & SOUL CARNIVAL”と銘打ったのに、今年の出演者にソウル畑の人は一人もいない(苦笑)。で、この日唯一のソウルはこのバンドで演ったマーヴィン・ゲイの「What's Going On」だった。うん、良かったぞ、これ!何せバンドはソウルを演るのに十分なゴージャスな編成。サックスのソロは美しいし、ゆうぞうのボーカルもなかなか。震災や原発事故のことも盛り込んだ日本語詞もGOODで、サビの「What's Going On! → どないなってんねん!」の関西弁直訳詞もうまい!と膝を叩きたくなった。
ゆうぞうバンドは30分ぐらいの演奏だったけど、楽しかったなあ。後藤ゆうぞうもマキちゃんも、毎年カーニバルに出るんだから、これからもバンドで出してあげればいいのに、と思った。

2番手は近藤房之助。この人を見るのは久しぶりだ。なんだけど、僕はどうもこの人のブルースが好きになれないんだよなあ…。この日もあんまり気持ちを揺さぶられませんでした。なんつうんでしょうか。偉そうに言わせてもらえれば、余裕がありすぎてつまんないのよ、房之助は…。いわゆるヴォーカリストとしては上手い部類と言えなくはないのかもしれない。だけど、ブルースって巧いだけじゃダメじゃん。アクの強さというか、どん詰まり感がないので何となくもの足りなく思えてしまう。ギターも無難なフレーズをさらっと撒いてる感じで、どうしてものめりこめない。まあ、ブルースを肴にビール飲んで盛り上がろうって人にはいいのかもしれないけど…。観光地ブルースってこんな感じなのかなあ、なんてふと思ってしまった。
でも、KOTEZのハープは素晴らしかったと思う。さらりと綺麗にまとまった演奏にわざと揺さぶりをかけ、客席を挑発するようにハープを吹きまくっていたのはさすがだ。近藤房之助バンドの演奏も30分ぐらいだったかな。

さてさて、セミファイナルのサニー・ランドレス。この人は凄かった!僕は見てないけど、以前ソロでブルース・カーニバルに出たことがあるらしい。後藤ゆうぞういわく、その時はえらい地味だったらしいが(苦笑)、この日はトリオ編成のバンドを引き連れて大爆発してた。ベースは昔からずっと一緒にやってて勝手知ったる仲だというし、ドラムはいわゆるドカドカ系。迫力満点だ。ゆる~い空気が充満していた野音が一気に引き締まった。
僕はギターに関してあんまり詳しくないけど、サニーさんのスタイルが独特だってことは嫌でもわかる(笑)。痩せた身体で胸までギターを抱え上げ、左手にはスライドバーをハメっぱなしでガシガシ弾きまくる。どういうテクを使ってるのか知らないが、バーをつけっぱなしでばんばんタッピングやってるし、右手もむちゃくちゃ速い。でも、テクに溺れるわけじゃなくてグルーブ感もばっちりなのだ。あっけにとられて眺めていたら、あっという間に終わってしまった。たぶん45分ぐらいだったかな。まるで雷に打たれたような演奏でした。

さて、本日のメインイベント。ジョニー・ウィンターがステージに登場してきたのは18:30頃。野音は陽が暮れかかって実にいい雰囲気。実は、僕の席はステージに向かって右斜め前で、舞台袖が良く見えるところだったから、サニー・ランドレスが出ている時にも、ジョニーが椅子に腰かけて袖から見ているのに気が付いていた。その姿には軽くショックを覚えたなあ…。噂には聞いてましたが、やっぱ歳とりましたわ…。ま、そりゃそうだ。例のライブ盤が出た時なんて、オレ小学生だったもんね(苦笑)。
出番前にはクルーがステージセットをいろいろ組んでいたが、ジョニー専属のクルーはジーンズにTシャツ、黒のベストにサングラス、頭にはテンガロンハットといういでたちで、まるで若かりし頃のジョニーのコスプレだ。思わず笑ってしまった(笑)。
大御所ブルースマンの登場のほとんどがそうであるように、ジョニー・ウィンターのステージも、まずはバックバンドが先に登場してきて客を煽る。これに総立ちで応えるお客さん。うーん、素晴らしいレスポンス。ブルース・カーニバルに来るお客さんは、お約束をよくわかってらっしゃるのだ(笑)。僕もこの時点で新しいビールのプルトップを引き抜いてエンジンをかける。

大盛り上がりの中、ジョニー・ウィンターが遂に登場!
初めて観るジョニーは、腰は曲がり足取りもおぼつかないぐらいだった。でも、介添の力は借りず、一人で椅子まで歩いていくと、いきなりギターを弾きまくる。うわっ!レコードと同じ音!馬鹿みたいな感想ですが、これが第一印象(笑)。1曲目のインストは「Hideaway」。こういうお祭りには最適な曲といっていい。その後も「Good Morning Little School Girl」やら「Got My Mojo Working」やら、ブルースのマスターピースというべきジャンプナンバーを立て続けにプレイする。残念ながら、僕の位置からはギターを弾く手元はよく見えなかったんだけど、ギターの音は若いころと少しも衰えていないし、ボーカルも思ったよりずっとしっかりしていた。
観客も席を立って前に突っ込んでったりして、ステージ下はとんでもない騒ぎ。Got My Mojo Workingのサビは、もちろん大合唱だ。こういう反応はやってる方も嬉しいに違いない。終盤には 「Johnny B. Goode」まで飛び出しての大R&R大会。ジョニーの連れてきた女性クルーも、このとんでもない盛り上がりにびっくりしたみたいで、ステージ袖から客席にカメラを向け、盛んにシャッターを切っていた。本編最後は「It's All Over Now」だったかな。原曲をけっこう崩してるんで曲が進まないと何をやってんだかわかんなかったんだけど(苦笑)。でも、すごいノリ。楽しい!
当然これだけじゃ観客は満足せず。アンコールの一発目はジョニー・ウィンター・バンドで。そして最後はサニー・ランドレス、KOTEZ、後藤ゆうぞう、カメリア・マキを加えての「Dust My Broom」だった。ギター4本。ソロはサニーとジョニーがそれぞれ回し、KOTEZのハープソロもフューチャー(機材トラブルでアタマの音が出なかったのが残念)するという豪華版だった。このセッションに果敢に三線で加わった後藤ゆうぞうの意気も素晴らしい(笑)。

と言うわけで、8時前にはすべてのステージが終了した。セッティングの時間を差し引けば、事実上の演奏時間は3時間ぐらいかな…。以前のカーニバルからだいぶ出演者の数が減ったこともあり、ちょっとスケールダウンしちゃったような気がしないでもない。ただ、このカーニバルは観客のノリが相変わらず素晴らしい。外タレをこれだけ盛り上げちゃうのは、やっぱ観客の年齢層が高いことが関係してるんだろう。口の悪い言い方をすれば、おっちゃんたちの外タレ信仰がいい形で表に出ているのだ。

ただ、このイベント、マナーの悪いお客さんも年々増えている。前に行きたい気持ちはわかるけど、パンクロックのギグじゃあるまいし、乱入するようなカタチでステージに駆け寄るのは見苦しい。今年は外国人とトラブルになり、胸ぐら掴まれてビビりまくってる奴もいてむちゃくちゃカッコ悪かった。いい大人のクセして本当に情けないと思う。盛り上がるのと悪ノリするのは違う。盛り上がるなら他人に迷惑をかけないようにやってもらいたいもんだ。

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