SHIBUYA-La.mama 30th Anniversary『relation』ソウルフラワーユニオン,ROCK'N'ROLL GYPSIES LIVE / 5月28日(月)渋谷La.mama
ラ・ママに行くのなんていつ以来なんだろう?もしかしたら20年以上経っているかも。ここはいわゆるロック系の出演者が多いハコ。なので、最近の僕の嗜好からはちょっと外れていたんだと思う。それがどういうわけだか、ソウル・フラワー・ユニオンとロックンロール・ジプシーズという異色の組み合わせが、ここで実現することになった。聞けば、ラ・ママはもう開店から30周年経ってて、これはその記念ライブだということだ。移り変わりの激しい渋谷で30年もライブハウスを続けるのは大変なことだったに違いない。
久しぶりのラ・ママだったが、地下の階段を降りたら一気に記憶が蘇った。いや~全然変わってない…。客席に突き出たL字型のステージ、真ん中やや左にどーんと立ってる邪魔な柱(苦笑)。そして何といってもこの狭さ!こんなにステージと客席が近いところでソウルフラワーとジプシーズが見られるなんて…。僕はフロアやや後方の一段高くなったところに立ち位置をキープ。ここならバンド全体を見渡せるしね。なんだか、始まる前から異常に胸が高鳴ってきた。
定刻から30分近く遅れ、ステージにはまずソウルフラワーユニオンが登場してくる。6人の配置はステージに向かって中央に中川敬、その右に高木克、左がジゲン、ドラムの伊藤が左奥。お囃子のミホちゃんは右奥が定位置で、奥野のキーボードは右のフロア前列にはみ出すような形で配置されていた。僕は、ラ・ママの狭いステージに6人がどう乗っかるのかも興味深かったんだけど、なかなか苦労の後のわかるセッティングだなあ、これは(苦笑)。
セットリストは最近のソウル・フラワーがライブでやってるものを1時間に凝縮したような感じだった。ほとんどがアッパーな曲で、それをこれだけ小さなハコでやるのだから盛り上がらないわけがない。後ろの方にいるミホちゃんも、曲のヤマ場になると前に出てきてお客さんを煽る。フロアはぴょんぴょんハネる人たちで凄い熱気に包まれた。いやあ~小さなハコでのライブってやっぱりイイ…。ライブというよりギグといった方がしっくりくるような感じか。ロックのライブの原点って、やっぱりコレだよなあ、としみじみ思った。
気が付いたんだけど、ラ・ママは音響もなかなか良くて聴き易い。きっと音響スタッフの技術が素晴らしいんだと思う。改めて良いライブハウスだと思った。
ソウル・フラワーのステージでの最後の曲は、中川が23年前に初めてラ・ママに出演した時と同じ曲ということで、ニューエスト・モデルの「こたつ内紛争」。うーん、素晴らしい。人に歴史あり(笑)。
しばしのセッティングタイムの後、いよいよロックンロール・ジプシーズの登場だ。ジプシーズを観るのはものすごく久しぶり。たぶん、2003年に下北沢で1stアルバムが出た直後のレコ発ライブを観て以来だと思う。あんまり久しぶりなんで、僕はベースが井上富雄から市川勝也にチェンジしたのも知らなかったぐらい(苦笑)。
ソウル・フラワーのライブがお祭りみたいなノリだったこともあって、ジプシーズはぐっと渋めな印象。世代的にもソウル・フラワーより一回り上ってこともあるけど、正に大人のロックンロールバンドという感じだ。こちらもやってる音楽はアッパーな曲ばかりなんだけど、観客もやたらに飛び跳ねないで、花田、下山、池畑という博多の玄人ロッカーの演奏をじっくり聴き込んでいるような感じだった。
久々に見る花田はやっぱしカッコいい。痩せた体躯で長い髪を縛った姿はまるで素浪人だ(笑)。そしてレスポール・ジュニアが実によく似合うんだよなあ、この人。なんか日本人じゃないみたい(笑)。少し前に体調を崩していたと聞いたときは心配だった下山も、元気そうでほっとした。花田と下山が並んで立つ姿はやっぱり絵になる。市川のベースも良かったなあ…。全然派手さはないんだけど、バンドのボトムとして絶妙の安定感を感じた。池畑さんがどんどん行くタイプだから、これぐらいシンプルに徹する方が全体としてはいいバランスなんだと思う。
「ラヴ・ハート」から始まったロックンロール・ジプシーズのステージは1時間を少し超えた。最近はアルバムも聴いてなかったから知らない曲も多かったんだけど、ジプシーズの曲はストーンズ・タイプのR&Rが好きな人なら、誰でもすんなり耳になじむような王道の作り込みをしてあるものがほとんど。どれも初めて聞いたような気がしない。それをほとんど切れ目なく、畳み掛けるように演奏する。これはほんと快感だ!後半はなんだか恍惚としてしまった(笑)。
ひときわ声援が大きかったのは、やっぱりルースターズ時代の「NEON BOY」とか「Do the Boogie」。日本の誇るR&R都市博多が生んだ最強のロッカーたちが繰り出す極上の音を、こんな目近で聴いているのだ。いやあ~なんて贅沢な時間なんだろう…。
ギターソロは曲によって花田も下山もやるけれど、どちらかというと下山の方が多い。それと、やっぱり下山のギターはニューウェーブの香りを残しているというか、フリーキーなトーンもちらりと顔を覗かせたりして花田との違いが良くわかった。
ロックンロール・ジプシーズはアンコールもあり。まずはジプシーズだけで、R&Rの定番「Walking the Dog」を。そして、ソウル・フラワー・ユニオンの中川と伊藤、奥野を呼び出す。出ました、花田+下山+中川という豪華3ショット。おまけに奥ででんと構えているのは池畑さんだ。
演奏されたのは、キース・リチャーズもカバーしたジミー・クリフのHARDER THEY COME。カラフルなレゲエタッチの演奏が楽しい。メインボーカルはもちろん花田だけど、中川も2番ではボーカルを聴かせてくれる。いやあ~この先、こんな場面はそうそう見られないだろうなあ…。
全編2時間半ぐらい。もうちょっとそれぞれのバンドを長く観たかったとも思うけど、まあ、このぐらいで丁度いいのかな…。極上のロックンロール・ギグをがっちり堪能した夜だった。
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こんにちは。これまた、仕事で涙を呑んだライブでございます……(泣)。
どっちもベテランだけあって、要所を抑えたライブだったみたいですね。
話は変わりますが、5月の最後の週末に裏磐梯に、
先週末の木曜~金曜に南相馬に行ってきました。
投稿: Raku | 2012年6月 5日 (火) 19:04
◆Rakuさん
> どっちもベテランだけあって、要所を抑えたライブだったみたいですね。
考えてみれば、けっこう強引な対バン企画ですよね(笑)。2つのバンド、観客のノリが微妙に違ってて面白かったです。
福島、行きましたか…。僕は先週末、父が上京してきて子供たちも連れて食事をしました。白河の現状を聞くと一言「みんな元気ないよ…」。切なくてそれ以上何も聞けませんでした。
ほんとは子供を連れてこっちが福島に帰りたいのに、そんなことすら躊躇ってしまうのが悲しいです。
投稿: Y.HAGA | 2012年6月 7日 (木) 10:01