【PV】 桜の木になろう / AKB48
まあ、偏見持たずに見てみてよ。
なかなかイイと思いませんか、これ。
このPV、実は監督が「歩いても 歩いても」や「奇跡」の是枝裕和さん、カメラを回してるのが鋤田正義さんという豪華な布陣で撮られている。最近まで僕もこの映像の存在を知らなくて、鋤田さんの写真展に行って初めて見たんだけどね…。
僕の中では、AKB48なんてもうモーニング娘以下の存在で、歌手でもなんでもないとまで思ってたんだけど、これはちょっとヤラれたなあ…。
これを見て、やっぱりAKBから一番初めに一人立ちした前田敦子ってのは突出してると思った。鋤田さんも、彼女たちと会って、前田敦子はあまり笑い顔を見せず陰影があるから芝居向きだと思ったそうだ。だったら、PVの中には彼女の一番綺麗な笑顔を撮って入れてあげようと閃いたらしい。それが、桜が散る中で亡くなった友だちと前田が微笑み合っているシーンだ。これはほんとに素晴らしい。青春真っ只中の女子高生の屈託の無さと、少女が大人になる直前の哀しさなんかも微妙に表現されているようで…。前田敦子と鋤田さんが共鳴し合ったからこその名シーンだと思う。
たぶん、リアルに卒業間近なニキビ面の高校生たちなんかが見ると、このPVは僕らおっさん世代以上にぐっとくるものがあると思うんだ。これからの人生で彼らが壁にぶつかった時、この映像を思い出して踏み堪えるようなこともきっとあるに違いない。それは素晴らしいことなんじゃないかなあ…。
AKB48という巨大なシステムの中で、いったいどれだけの大人たちが蠢いているものなのか、僕には想像も付かない。たぶん、その中には金のことしか頭にないクソみたいな連中も大勢いるんだろう。
だけど、売らんかなの歌ばかりが溢れているように見えるこの時代においても、さまざまな制約と抗いながら人々の心を震わせるような表現を作ろうと頑張っている人たちが確かにいることを、このPVは教えてくれている。
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