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2013年5月

2013年5月23日 (木)

「矢野顕子、忌野清志郎を歌うツアー2013」/2013.5.22(水) 渋谷公会堂

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「矢野顕子、忌野清志郎を歌うツアー2013」のファイナル、渋谷公会堂公演に行ってきました。
実は僕、イベントでは何度か観てますけど、矢野顕子の単独ライブを観るのは初めて。今回足を運ぼうと思ったのは…言わずもがなの理由です(笑)。

いやもう、予想をはるかに超えた素晴らしいコンサートでした。オレ、CHABO以外の人が歌う清志郎の歌で、これほどぐっときたのは初めてかもしれません。この人がどんな曲を歌っても自分流に表現してしまうってことは、もちろん知ってましたが、これほどまでとは…。しかも、ぶっ飛んでても原曲の片鱗はちゃんと残ってるんですよね。何より、これだけ崩しまくってても、曲が全然難しくなってない。すごく楽しくてのびのび。矢野顕子の歌う清志郎SONGSには、とても自由な風が吹いてました。
唄ってるアッコちゃん自身も、曲の中に入り込んで思い切り遊んでるのが客席にもビンビン伝わってきました。今更ですが、矢野顕子スゴいわ!音楽家としての圧倒的な力量を感じましたね。

この日はモノマネの清水ミチコがゲストで登場。これも予想に反して(と言ったら失礼ですが)すごく良かったんです。「丘を越えて」や「帰れないふたり」なんかを演ったんだけど、もちろん清水さんはアッコちゃん本人や井上陽水のモノマネで…(笑)。こんなの、ちょっと間違えたらキワモノ企画になりかねないじゃないですか。ところがところが、全然違和感なかったんですよ。清水ミチコ、お世辞抜きにピアノも歌もめちゃめちゃ巧い。何より、矢野顕子のことが心から大好きなことが伝わってきて観てて胸がほっこりしました。

矢野顕子が清志郎のどの曲を歌うのかも興味あったけど、けっこう最近のものが多かったなあ…。それに“清志郎の書いた曲で私が一番優しさを感じる曲”と言って「セラピー」が歌われたのも意外だった。コアなRCファンでも、これが大好きだって人にはあったことないもん…。やっぱ、こういうのは音楽家ならではの感性なんでしょう。

そう、このコンサートがかくも素晴らしいものになったのは、矢野顕子が彼女流に清志郎の曲を解釈することで、単なるトリビュートとか、偲ぶ会的なものを超えた、純粋に音楽的な感動を呼び起こしたからだと僕は思うんだよね。
ノスタルジックとかメランコリックってのは、人間の感情の中でも最も共有しやすい部分だと思うんだけど、あんまりそういう気持ちに振り切っちゃった表現ってのは、僕はあんまり好きになれないんです。それはやり方としてちょっと甘いというか、ずるいと思う。そういう安っぽい表現は音楽に対して失礼だし、音楽のコアの部分からからはどんどん離れていっちゃうと思うんです。
もちろん、矢野顕子個人は清志郎に対する感傷的な想いだってあるはず。でも、この夜の彼女は、そういう気持ちを抑えながら一人の音楽家として清志郎の楽曲に誠実に向き合ったんだと僕は思うんです。矢野顕子という稀代の音楽家が、忌野清志郎というこれまた稀代の音楽家に対峙し、音楽の持つ力だけで清志郎への想いを昇華しようとしたのが、このツアーだったんじゃないかと僕は思います。そして、そんな彼女の想いは、満員の観客にもちゃんと伝わっていたと思いますよ。
音楽ってのはスゴイよなあ…。こうやって、ここにはいない人とも繋がれるんだもんなあ。昨夜の渋谷は月が綺麗でした。アレはきっと清志郎が笑いながら僕らを見てたに違いありません。

2013年5月 6日 (月)

2013年5月6日(月・祝) / ThumbsUp 15th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 祝! ThumbsUP「3人でSHOW」@横浜・THUMBS UP 出演:仲井戸"CHABO"麗市、Leyona、沼澤尚

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この3人、CHABO×Leyona、沼澤尚×Leyonaの組み合わせは何度かアリ。沼澤尚×Leyonaなんてユニットで小さいツアーを廻ってるぐらいだから、お互い気心しれてるところもあるはず。
でも、3人一緒ってのは去年イベントで数曲演奏しただけなんだよね。だから、フルサイズのライブをどういう組み合わせでやるのかがまずとても楽しみだった。結果としては、1部がLeyona×沼澤。休憩を挟んで2部がCHABO×沼澤。アンコールが3人で共演という構成。まあ、アンコールと言ってもCHABOのライブはいつも長いから実質的にアンコール以降は第3部だけど(笑)。いずれにしても、沼澤尚は出ずっぱりだったわけで、この日のライブのキーは沼澤さんが握ってたような気がするなあ…。

1部のLeyona、いやあ~やっぱイイ!ボーカルの巧さは言うまでもないけど、ギターの腕前が一段と上がった。何より思い切りがイイもん、彼女は。沼澤さんに対しても物怖じせず、大胆なカッティングで絡んでいくのはほんと気持ちが良かった。なんつうか、小股の切れ上がったステージングなんですよね(笑)。とっちらかったMCもめちゃキュートだし、おぢさんはもう目尻が下がりっぱなしでござったわ(笑)。
いつもいつも言うことですが、Leyonaの声は本当にエモーショナル。この時代、ボーカル教室出身で~すみたいな、ただ歌が巧いだけの歌い手はいくらでもいる。だけど、木目の温もりが感じられるようなローファイなボーカリストはなかなかいないと思うのだ。Leyonaには間違いなくそれがある。

CHABOはいつもよりだいぶリラックスした感じ。これは、この会場でライブをやることへの安心感もあるんだと思う。サムズアップはステージと客席が近く、盛り上がるライブはとことん盛り上がるんだけど、CHABOはこの会場ととても相性が良くて、いつも大声援で迎えられて、ライブもめちゃ盛り上がる。この日もCHABOが姿を現すだけで大歓声。そんな良いムードの中、CHABOには沼澤とのセッションをとことん楽しもうというタッチが感じられた。
キックオフが「you gotta move」、続けてMG'Sの「Green Onion」と、序盤はいつも以上にブルース、R&B色の濃い展開。中盤にはボサノバタッチの「おいしい水」なんかも挟んで、ちょっとここ最近なかった選曲が面白かった。圧巻は沼澤さんのドラムソロが炸裂した「ボルテージ」。千手観音みたいなスティックさばきに圧倒された。

アンコールはLeyonaを中央に据えてのトリオセッション。これは本当に楽しかった。LeyonaがCHABOや清志郎を大大リスペクトしてることは有名な話。それだけに、久々にCHABOと共演することに緊張しつつも嬉しさを隠し切れない感じだった。「魔法を信じるかい?」なんて、見てるこっちまでほのぼのしてしまったもんなあ…。CHABOのギターでデビュー曲「オレンジ」を歌ったシーンは、デビュー当時から彼女を見てる僕にも胸に迫るものがあった。加えて「君が僕を知ってる」や「ブン・ブン・ブン」まで!うーん、たまんねえ…。
途中の休憩を除いてもトータルで3時間近いボリューム。見所いっぱいでホント楽しかった。

余談だけど、サムズアップは知り合いと飲んだり食べたりしながらライブを観るスタイルのお店だ。僕自身も、この日はCHABOのライブを観に全国遠征してた頃に知り合った友達と10年ぶりぐらいに再会したり、いつもライブを一緒に観てる友達のお子さんとの初対面があったり、近くの席にいたお客さんが偶然にも同郷で、故郷の話や昔のライブの話(R&Rオリンピック!)で盛り上がったりと、嬉しい出会いがいっぱいあった。
家で音楽を聴くのももちろんゴキゲンだけど、街に出ていろんな人と直接繋がるのもライブの大きな魅力だと僕は思っている。そういう意味でも、ここは素敵なことが起こりそうな予感を感じさせるところなのだ。
横浜サムズアップ、やっぱ大好きなお店!ここには間違いなく音楽の神様が住んでます。

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