仲井戸"CHABO"麗市×石田長生 ひ、ひさしぶりの共演サンキューヨンキュー / 2013年6月9日(日)南青山MANDALA
このライブは、CHABOも勿論よかったんだけど、久々に観る石やんのギターと歌心に心臓を鷲づかみにされましたね。この人のギターは、一言でいうととてもカラフルなんですよね。音の輪郭がはっきりしていてまるで原色の絵の具みたい。もう、ステージに出てきて一音ならしただけで“おおっ!”となってしまいました。
この日はアコギのみを何本か使い分けてましたが、大胆なカッティングと繊細な指使いにもうクラクラ。お馴染みのドクター・ジョンのカバー「IKO IKO」は、ギターのボディを叩いてパーカッシブな音を出し、南青山の地下をニューオリンズのエキゾチックな酒場に早変わりさせる…。そうかと思えば、生まれ育った大阪南の町と一時住んでいたアメリカ南部とを掛け合わせたタイトルの新曲「MINAMI」で限りない旅愁を抱かせる…。とにかく、一曲一曲が強い印象を残す曲ばかりで、CHABO目当てで来たと思われるお客さんも、あっという間に石やんの世界に惹きこまれてました。
中盤では栗原清志(清志郎じゃんく、石やんはそう呼んでました)に対する想いもチラリ。お馴染み「安楽荘」の話(空の上には亡くなった偉大なミュージシャンたちの住んでる「安楽荘」があって、そこでは夜な夜なセッションが繰り広げられてるってな話)に続け、そこへ日本人として初めて入居したことを許された人がいるってことで演奏された「世間知らず」はヤバかったなあ~。石やんは昔からこの曲が大好きでことある毎に歌ってるけど、こんなカタチで歌われるとほんとヤバい。オレ、もう少しで涙腺が決壊しそうだったっす。
石やんon stageはたっぷり一時間。観客からは大きな大きな拍手。ここ最近は誰かとの共演ライブが多いCHABOですが、僕が知る限り、これまでのゲストの中でも石やんが一番大きな拍手をもらってたかも…。
対するCHABOも一時間ソロ。こちらはいきなり「幻想の旅人の歌」からという意外な出だし。やっぱイイねえ~。2曲目は“6月しかやらない曲を…”ってことで「ねえHISAKO」。観客からの“ヒューヒュー”という冷やかし(?)に照れながら歌うCHABOが可愛い(笑)。
ぐっときたのは“石田が清志郎の曲をやってたから、オレもRCやっていい?”と言って歌われた「たとえばこんなラブソング」。驚いたことに、これは曲が出来た当初のアレンジで演奏された。このアレンジで演奏したくなった理由、なんかあったのかなあ?
誰かと共演するときは必ずゲスト曲のカバーをやるCHABO。この日選んだのは「タマナの木の下で」。波のSE入りで演奏されたこの曲は夏のムード満点だった。その他にも「キューバの歌」とか、この日のCHABOは最近あまりやらなかった曲をやってくれてた。声もよく出ていた感があったなあ。やっぱ、このところライブが続いてるからか?ミュージシャンはオフが長いよりプレイし続けてる方が調子が良いんでしょうね。
CHABOのソロ最後は新曲「川」。過ぎ去りし日々を慈しむ気持ちと、いなくなってしまった人を愛おしむような曲調で強い余韻を残す曲でした。
アンコールがまた良かったんだな。出だしは殆ど打ち合わせしてないという即興ブルースでの共演。これは二人がギターで絡むだけでなく、即興でボーカルも挟み込むのが面白い。が、こういう展開になれば、やっぱ関西人石やんには適わない(笑)。「ねえHISAKO」の歌詞を借りて“すぐに行くよ、助けに行くよ、ねえCHABO”は巧いなあ~と思わず感心。CHABOはだんだんネタが切れてきて、最後はやけくそ気味に“BAHOの人~!”って叫んでたのが笑えた(笑)。
そしてなんつっても「ティーンエイジャー」ね。これは石やんが大好きなCHABOの曲で、アレンジは多分石やんが普段やってるバージョンなんだと思うんだけど、これがCHABO以上にオリジナルなタッチびんびんで…。いやあ~泣けたなあ…。
そのあとは二人の共通項ザ・バンドのカバー2連発なんだから、もうたまりませんっ!CHABOボーカルの「トワイライト」、そして石やんの「The Weight」。石やんの方はサビのコーラスを観客も一緒にコーラス。なんか、すごく幸せな気持ちになったなあ…。
最後の最後は石やんのボーカルでじっくりと「Brothers&Sisters」。ぴったり3時間。素晴らしいライブでした。
“次の共演はまた10年後にMANDALAで…”なんてCHABOは言ってたけど、そんなこと言わずに時々こうして一緒に演るべきじゃないだろうか、この二人は。同じ時代を生きたギタリスト同志、お互いがお互いを戦友と認め合う者同志の、少年の日に戻ったようなキラキラした瞳が、なんだか僕のは眩しかったです。
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