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2018年11月17日 (土)

エイサーとじゃんがら念仏踊り

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「沖縄の伝統芸能エイサーの起源は、福島県いわきに伝わるじゃんがら念仏踊りであるー」。この話を初めて聞いたのは、数年前にSNSでお付き合いさせていただいているいわきのライブハウスSONICの社長、関さんにお会いした時だった。なんでも、いわき出身の浄土宗のお坊さん袋中上人が、仏教を勉強しに中国(当時の明)に渡ろうとしたが、何故か琉球に流れ着き、そのままそこに滞在して布教した際に念仏踊りを伝えたのが始まりなんだとか。

そして、先月いわきを訪れた際、地元ご出身のFBフレンド村田さんのご案内で、袋中上人の菩提寺である能満寺を訪れることができ、この話がますますリアリティを持って感じられるようになってきた。

実は、今年の春に沖縄の桜坂劇場のプロデューサー野田さんにお会いした時にも、エイサーとじゃんがらの話を何気なくしてみたところ、この話をよくご存知でびっくりしたことがある。いや、びっくりしたというより福島県出身の僕にとっては、ある種の衝撃だったのだ。だってこんんな話は福島ではほとんど知られていない。もともと僕の故郷福島市といわき市は中通りと浜通りで地域が異なり、文化もかなり違うのだが、おそらくいわきでもエイサーとじゃんがらが繋がってるなんてことを知ってる人はあまりいないだろう。

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福島県人として、この謎のお坊さんをもっと知っておかなければ…。そんな気がして買い求めたのがこの本。

いやあ、読んでみてまたまたびっくり。袋中上人は僕が思っていた以上の高僧だった。

この人、修行のために3回も明に渡ろうとしている。いずれも失敗しているのだが、それも当たり前。折しも彼が渡明しようとしていた1600年頃は、豊臣秀吉が朝鮮出兵を繰り返して諸国との関係が悪化していた安土桃山時代。そんな時に明に行こうとするなんて、よっぽど強い意志がなければできないだろう。

琉球に流れついた袋中さんは、琉球政府の高官である馬幸明にいたく気に入られ、琉球の歴史を記した本の編纂を懇願されて『琉球神道記』という大著を残している。晩年は京都に住んで布教に勤しみ、彼が復興したお寺の数々は今も残っている…。

当然だけど、安土桃山の頃の琉球は外国だ。琉球王国は中間貿易で大変な活況を呈していたというが、そこにみちのく人が一人で降り立ち、多くの民衆が帰依する信仰を起ち上げたっていうのは痛快だ。少なくとも、内弁慶と言われがちな現代の東北人とは全く違うキャラ。

だけど、このバイタリティー、新しいものに飛び込んでいく柔軟さは、今のいわきの地にも流れているような気がする。最近思うのだけれど、福島は会津・中通り・浜通りの3地方でかなり住んでる人の気質が違う。理由はわからないが、浜通りの人は三地方の中で一番新しいものに対する抵抗が薄いような気がするのだ。たとえば、常磐ハワイアンセンターのような施設は、僕の育った福島市では考えられなかったと思う。

沖縄では袋中上人の名前は有名で、2003年には渡琉400年でいろいろな催しが開かれたらしい。3.11後に浜通りから多くの人が離れた時も、移住先に沖縄を選んだ人がかなり多いと聞いた。音楽の現場では、沖縄と福島はASYLUM in Fukushimaというイベントで繋がっている。そういう見方をすれば、袋中上人の結んだ沖縄と福島の縁は今でも続いてると言えるのかもしれない。

福島、わが故郷。でも、知らないことがいっぱいあるなあ…。ちょっと福島の郷土史に興味が出てきている。

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コメント

wikiでググるとじゃんがら踊りよりもこのお坊さんが沖縄に布教した時期の方が
ほんのちょっと古いから、じゃんがら踊りの元になったなんらかの念仏踊りを
このお坊さんが沖縄で広めてエイサーの元になった・・・
ってのが正確な気がする

だからじゃんがら踊りとエイサーは親子関係ってよりは
いとこ関係に近いんじゃないかなぁ

投稿: あ | 2019年8月18日 (日) 18時30分

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