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2020年8月30日 (日)

大坂まゆみさん

音楽をはじめとする様々な表現に敏感な人は、イコール他者に対する想像力・共感力が強い人だと僕は思う。
時としてソングライターは、自分の生きる場所とは全く異なる世界を歌う事があるが、感受性豊かな聞き手なら、歌と自分との距離を想像と共感で縮め、それを「自分事」として受け止める事が出来る。それこそが芸術や表現の持つ素晴らしさ。想像力こそは人間が神から与えられた最も素晴らしい力の一つなのではないだろうか。逆の言い方をすれば、ジョン・レノンが「IMAGINE」を歌う事が出来たのは、彼が人類の想像力と共感力を信頼していたからこそだと僕は思う。

大坂まゆみ選手が、自身の出自に関わる問題で、アメリカで起こっている事件に対し抗議の意思を示したことについて、賛否両論が起きた。またかという感じでうんざりだ。
これは「音楽に政治は持ち込むな」と同じ次元の話。一人のアスリートとしての彼女と、一人の黒人女性としての彼女は同一だ。そこに分断があるべきではないし、この「他人事」を「自分事」として引き寄せる力が正に想像力なのではないだろうか。

「彼女の考えには賛同するが、準決勝をボイコットしたことは理解できない」と言う意見を口にする人は、神が与えし想像力をもう少し働かせるべきだ。

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