ピチカート・ワン・イン・パースンの「前夜」を聴いた
一段と寒い朝。気温は15度台だったらしい。
今日から対面とオンラインを併用した授業が始まる。学生にとって半年ぶりに通学が始まるが、実際にどのぐらいの学生が来るかは蓋を開けてみないとわからない。駅が混み合い近隣住民に迷惑をかけてはまずいので、しばらく様子を見ることになった。
駅に立つが、薄手のジャケットでは肌寒く、もう一枚着てくればよかったと後悔する。が、学生らしき姿はほとんどなく、業務終了。
午後も学生の入構チェック。手指の消毒とサーマルカメラで検温した上、決められた導線通りに教室に行かせる。やり過ぎなぐらいに徹底した感染防止対策。
結局、自分の持ち時間で来学した学生は4人。全体でも20人弱だった。天気が悪く、対面からオンラインに切り替えた学生もいたのかもしれない。
その他、授業料減免の書類関係を整えて仕事を終え、6時ごろ事務所を出る。
帰りの電車の中では、イヤフォンからピチカート・ワン・イン・パースンの「前夜」を聴く。
ピチカート・ワンは、元ピチカート・ファイブの小西康陽さんのソロプロジェクト。正直、ピチカート・ファイブにはあまり思い入れがなかったのだが、ソロになって出た「わたくしの20世紀」というアルバムには心を動かされた。哀しい恋の終わりや強烈な死の匂いのする曲を、小西がチョイスした多彩なボーカリストが歌った一枚。暗く内省的だったが、それは不特定多数向けの音楽というより、自分自身に向けて差し出された誰かからの手紙のようで、心の奥の深いところに置いておいた感情に強く揺さぶりをかけるものだった。
あまりライブをやらない人だが、去年の10月に東京と大阪のビルボードライブで一回ずつ公演が行われ、僕も足を運んでいる。
折しも、ライブの日は関東に台風19号が上陸する直前だった。街から人が消え、イベントも次々に中止になる中、小西さんはライブを決行した。だからアルバム・タイトルが「前夜」なのだろう。
と、同時にリリースされたタイミングは、新型コロナウィルスで世界中が外出自粛だった時期。あの夜と同じように街から人が消えた。そういった意味でこれは「前夜」ダブルミーニングなのだと思う。
アルバムに「地球最後の日」という曲が収められているが、ライブは全編にわたってそんなムードだった。荒ぶる世界において、シェルターの中で音楽を楽しむ時間を慈しんでいるような空気感が、そのままの形で真空パックされている。自分もその場にいたわけだけど、まるで遠い日の出来事のようで不思議な気持ちになった。
アルバムの残り一曲を残して帰宅。自分が妻のビニール傘を使っていた事が判明し、一気に現実に引き戻され、少し気まずい空気に。
夕食はクリームシチュー。
秘密のケンミンショーを観終わると、眠気が襲ってきて11時ごろ就寝。
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