ソウル・フラワー・ユニオン

2012年5月28日 (月)

SHIBUYA-La.mama 30th Anniversary『relation』ソウルフラワーユニオン,ROCK'N'ROLL GYPSIES LIVE / 5月28日(月)渋谷La.mama

ラ・ママに行くのなんていつ以来なんだろう?もしかしたら20年以上経っているかも。ここはいわゆるロック系の出演者が多いハコ。なので、最近の僕の嗜好からはちょっと外れていたんだと思う。それがどういうわけだか、ソウル・フラワー・ユニオンとロックンロール・ジプシーズという異色の組み合わせが、ここで実現することになった。聞けば、ラ・ママはもう開店から30周年経ってて、これはその記念ライブだということだ。移り変わりの激しい渋谷で30年もライブハウスを続けるのは大変なことだったに違いない。

久しぶりのラ・ママだったが、地下の階段を降りたら一気に記憶が蘇った。いや~全然変わってない…。客席に突き出たL字型のステージ、真ん中やや左にどーんと立ってる邪魔な柱(苦笑)。そして何といってもこの狭さ!こんなにステージと客席が近いところでソウルフラワーとジプシーズが見られるなんて…。僕はフロアやや後方の一段高くなったところに立ち位置をキープ。ここならバンド全体を見渡せるしね。なんだか、始まる前から異常に胸が高鳴ってきた。

定刻から30分近く遅れ、ステージにはまずソウルフラワーユニオンが登場してくる。6人の配置はステージに向かって中央に中川敬、その右に高木克、左がジゲン、ドラムの伊藤が左奥。お囃子のミホちゃんは右奥が定位置で、奥野のキーボードは右のフロア前列にはみ出すような形で配置されていた。僕は、ラ・ママの狭いステージに6人がどう乗っかるのかも興味深かったんだけど、なかなか苦労の後のわかるセッティングだなあ、これは(苦笑)。

セットリストは最近のソウル・フラワーがライブでやってるものを1時間に凝縮したような感じだった。ほとんどがアッパーな曲で、それをこれだけ小さなハコでやるのだから盛り上がらないわけがない。後ろの方にいるミホちゃんも、曲のヤマ場になると前に出てきてお客さんを煽る。フロアはぴょんぴょんハネる人たちで凄い熱気に包まれた。いやあ~小さなハコでのライブってやっぱりイイ…。ライブというよりギグといった方がしっくりくるような感じか。ロックのライブの原点って、やっぱりコレだよなあ、としみじみ思った。
気が付いたんだけど、ラ・ママは音響もなかなか良くて聴き易い。きっと音響スタッフの技術が素晴らしいんだと思う。改めて良いライブハウスだと思った。
ソウル・フラワーのステージでの最後の曲は、中川が23年前に初めてラ・ママに出演した時と同じ曲ということで、ニューエスト・モデルの「こたつ内紛争」。うーん、素晴らしい。人に歴史あり(笑)。

しばしのセッティングタイムの後、いよいよロックンロール・ジプシーズの登場だ。ジプシーズを観るのはものすごく久しぶり。たぶん、2003年に下北沢で1stアルバムが出た直後のレコ発ライブを観て以来だと思う。あんまり久しぶりなんで、僕はベースが井上富雄から市川勝也にチェンジしたのも知らなかったぐらい(苦笑)。
ソウル・フラワーのライブがお祭りみたいなノリだったこともあって、ジプシーズはぐっと渋めな印象。世代的にもソウル・フラワーより一回り上ってこともあるけど、正に大人のロックンロールバンドという感じだ。こちらもやってる音楽はアッパーな曲ばかりなんだけど、観客もやたらに飛び跳ねないで、花田、下山、池畑という博多の玄人ロッカーの演奏をじっくり聴き込んでいるような感じだった。

久々に見る花田はやっぱしカッコいい。痩せた体躯で長い髪を縛った姿はまるで素浪人だ(笑)。そしてレスポール・ジュニアが実によく似合うんだよなあ、この人。なんか日本人じゃないみたい(笑)。少し前に体調を崩していたと聞いたときは心配だった下山も、元気そうでほっとした。花田と下山が並んで立つ姿はやっぱり絵になる。市川のベースも良かったなあ…。全然派手さはないんだけど、バンドのボトムとして絶妙の安定感を感じた。池畑さんがどんどん行くタイプだから、これぐらいシンプルに徹する方が全体としてはいいバランスなんだと思う。

「ラヴ・ハート」から始まったロックンロール・ジプシーズのステージは1時間を少し超えた。最近はアルバムも聴いてなかったから知らない曲も多かったんだけど、ジプシーズの曲はストーンズ・タイプのR&Rが好きな人なら、誰でもすんなり耳になじむような王道の作り込みをしてあるものがほとんど。どれも初めて聞いたような気がしない。それをほとんど切れ目なく、畳み掛けるように演奏する。これはほんと快感だ!後半はなんだか恍惚としてしまった(笑)。
ひときわ声援が大きかったのは、やっぱりルースターズ時代の「NEON BOY」とか「Do the Boogie」。日本の誇るR&R都市博多が生んだ最強のロッカーたちが繰り出す極上の音を、こんな目近で聴いているのだ。いやあ~なんて贅沢な時間なんだろう…。
ギターソロは曲によって花田も下山もやるけれど、どちらかというと下山の方が多い。それと、やっぱり下山のギターはニューウェーブの香りを残しているというか、フリーキーなトーンもちらりと顔を覗かせたりして花田との違いが良くわかった。

ロックンロール・ジプシーズはアンコールもあり。まずはジプシーズだけで、R&Rの定番「Walking the Dog」を。そして、ソウル・フラワー・ユニオンの中川と伊藤、奥野を呼び出す。出ました、花田+下山+中川という豪華3ショット。おまけに奥ででんと構えているのは池畑さんだ。
演奏されたのは、キース・リチャーズもカバーしたジミー・クリフのHARDER THEY COME。カラフルなレゲエタッチの演奏が楽しい。メインボーカルはもちろん花田だけど、中川も2番ではボーカルを聴かせてくれる。いやあ~この先、こんな場面はそうそう見られないだろうなあ…。

全編2時間半ぐらい。もうちょっとそれぞれのバンドを長く観たかったとも思うけど、まあ、このぐらいで丁度いいのかな…。極上のロックンロール・ギグをがっちり堪能した夜だった。

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2011年8月21日 (日)

ソウル・フラワー・モノノケ・サミット『もののけ盆ダンスツアー2011~おいらの船は300トン』ゲスト:遠藤ミチロウ、上間綾乃 / 2011年8月21日(日)<東京>Zher the Zoo YOYOGI

今回の盆ダンスツアーは、僕がこれまで体験してきたモノノケ・サミットのライブの中でも、一番印象に残るものだったかもしれない。春から被災地での演奏を数多く行ってきた中川と、出身地が原発事故に直面してしまった遠藤ミチロウの組み合わせ。これは考えようによっては、かなりヘヴィなものになりそうな気もする。だが、僕はきっとそんな風にはならないと確信していた。きっと中川は、ソウル・フラワーらしい前向きな明るさに満ちた空間を作ってくれるだろう。そう思っていたし、事実そういう夜になった。
もしかしたら、震災後に足を運んだライブで、これほど心から笑い、楽しめたのはこれが最初かもしれない。そしてそれは、ライブの楽しさが原発事故のことを一時忘れさせてくれたという意味ではないのだ。ミチロウは原発事故で苦しむ地元の事を淡々と語っていたし、中川も被災地での様子を語りかけた。震災のことや原発事故のことは、ライブ中も一時も頭から離れなかったのだ。にもかかわらず、腹の底から笑い、声を上げて歌えるライブだったのだ。これってけっこうすごいことだと思わないか?亡くなった人を偲び、直面しているヘヴィな状況も乗り越えるために、今、笑い、歌う。オレ、思った。“盆ダンス”いわゆる日本の盆踊りっていうのも、そもそもはこういうものだったのではなかったかと。

オープニングは上間綾乃。この娘は昨年もモノノケ・ツアーに参加していたのだけれど、いかにも沖縄の女子らしい美貌とパンチのある歌声がgood!数曲島唄を歌っただけだったけど、モノノケのオープニングには最高にいい感じ。なんと言っても、おぢさんとしては、こんな若くて可愛い子が最初に出てくるだけでスイッチが入ってしまう(笑)。

しばしの間を置き、遠藤ミチロウが登場。実は、僕はミチロウのライブをモノノケと同じぐらい楽しみにしていた。ミチロウを観るのは、数年前に上野水上音楽堂で行われたイベント以来なのだが、何しろ、今夜は3.11以降はじめて見るミチロウだ。
歳は15も離れているが、僕とミチロウは同郷だ。僕は福島県福島市生まれ。ミチロウはその隣町、二本松の出身。僕の故郷もミチロウの故郷も、今回の原発事故でめちゃめちゃになってしまった。あれから5ヶ月も経つというのに、いまだに福島の人々は放射能に苦しめられている。
ミチロウをずっと見続けている人によれば、震災後のミチロウの発言・行動は、それ以前とは大きく変わったという。このライブの5日前にも、ミチロウは福島市で「プロジェクトFUKUSHIMA!」というイベントを主催し、犬猿の仲といわれていた坂本龍一をも呼び寄せた。
誤解されることを承知で言うと、僕は今回の原発事故に関して自分が抱えこんでしまった痛みは、同じ出所の人間にしかわかりあえないものなのかもしれないと思う。もっと言うと、この痛みは今福島にいる人たちの痛みともまた違う。もしかしたら、ミチロウの感じている痛み、悲しみ、怒りこそ、今の僕が共鳴できるものなのではないかという予感があったのだ。

そのミチロウ、還暦を迎えたとはとても思えない引き締まった肉体にまずは驚かされる。そして、まるで鶏の首を締め上げるようなバキュームヴォイス!まるで自分の喉に剃刀の歯を立てるような叫びに心臓を鷲づかみにされた。
ライブは「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました」からスタート。生々しく、粗野なコトバが石つぶてのように放たれる。この瞬間から、もう僕の耳は目は、そして脳みそはミチロウに釘付けになってしまった。
たった一人でアコギを抱え、全身黒の衣装で毒々しい言葉が散りばめられた歌を次々に歌ってゆくミチロウ。しかし、歌の合間に語られるMCはとても丁寧で、胸が痛くなるぐらいに清々しい。これは、彼の口調から懐かしい東北訛りが聞き取れることも関係していたのかもしれない。
「プロジェクトFUKUSHIMA!」のために福島に帰った時、実家に寄って放射線量を測ったら、毎時3mシーベルト/hだったこと。昔懐かしい場所に行っても、表面上は何も変わっていないのに、測ってみると高い放射線が検出されてしまうことなどが訥々と語られたのだが、とりわけ僕は“自分は田舎が嫌で飛び出したのだが、こんな事故があってからは故郷のことを思わずにはいられない”という言葉が胸に刺さった。僕も、若い頃は田舎が嫌で嫌で仕方がなかった。そして、町を出て東京で生活の基盤を築いた結末がこの原発事故だ。あの日以来、地元に危険なリスクを担わせてまで、のうのうと暮らしていた自分が酷く汚れた存在に思えてしまう。そういった意味では、“一人ひとりの脳みその中に原発があるんだと思います”というMCの後で歌われた「原発ブルース」は強烈だった。
ライブが進むうち、以前はあまり理解できなかった遠藤ミチロウの歌世界は、実は故郷や親の世代、既成のものに対する愛憎半ばする複雑な気持ちを歌ったものだということにも気が付いた。もしかしたら僕の解釈は間違っているのかもしれないが、少なくとも僕をはじめとする地方出身者の心の奥に潜む複雑な気持ちを、これほど“きちんと”歌っている人を、僕ははじめて見たような気がする。わずか30分程度のステージだったが、遠藤ミチロウのライブは、僕に強烈な印象を残した。

インターナルの後、いよいよモノノケ・サミットの登場だ。「寅さんのテーマ」が会場いっぱいに流れる中、メンバーがステージに登場してくると、一気に華やいだ感じになった。モノノケ・サミットはメンバーが多くてそれぞれがバラエティにとんだ格好で楽器を持っているから、出てくるだけでステージがカラフルになるのがいい。
今回のセットリストは、中川がアコパルで被災地を回った経験が色濃く反映されており、東北の民謡が多かったのが特徴。これは福島生まれの僕にとって、とても親しみを感じた。東北とは言っても「斎太郎節」や「ドンパン節」は、地元の民謡ではない。だけど、やっぱり土台に流れる血はみちのくのリズム。これはいくら都会派を気取っても(別に気取っちゃいませんが(笑))、隠しようがない。ステージの演奏にあわせて手もみで拍子をとると、身も心も軽くなって自然と笑みがこぼれてきてしまう。

そんな東北の民謡に加え、「聞け万国の労働者」や「釜ヶ崎人情」のような労働歌を挟み込んだセットリストは絶妙だった。モノノケのライブではお馴染みの「ああわからない」なんて、今聞くと国の一大事にちっとも肝心なことをやってくれない政府のお偉いさんを歌ってるみたいに聴こえてしまう。これが大昔の歌なんだからなあ。いつの時代も庶民の目は心理を突いているってことか…。

昨年に続いて、上間綾乃も大太鼓でバンドに参加。2曲で歌も聞かせてくれる。この時、綾乃ちゃんは前に出てきてヒデ坊と並んでボーカルをとるんだけど、これがなんともカッコいい。特に「安里屋ユンタ」は、ビート感があって完全にロックだと僕は思ってるんだけど。

「お富さん」もぐっときた。僕がこの歌のすごさに気が付いたのは、数年前に観た「夕凪の街 桜の国」という映画から。原爆投下後の広島を描いた映画で、麻生久美子演じる主人公が「お富さん」をよく口ずさむ。僕は歌の意味がいまだによくわからないんだけど、あの明るいタッチで“死んだはずだよお富さん 生きていたとはお釈迦様でも知らぬ仏の…”と歌われると、“死”というヘヴィな事実を突き抜けようとするたくましさを感じずにはいられない。

被災地の子供たちのために中川が選曲したという「アンパンマンのマーチ」も演奏された。これ、アコパル・ヴァージョン、リクオ&ウルフルケイスケ・ヴァージョンと3パターン聴いたが、僕はモノノケ・ヴァージョンが一番好き。音数が多いから、こういうマーチっぽい感じは良く合う。チンドン囃子の入ったマーチ、なかなかよかです。やなせたかしさんだって聴いたら絶対気に入ると思うなあ(笑)。
最後は気仙沼のおっちゃんたちに“これを演るとはツウだ”と言わせるための選曲という(笑)、必殺の「おいらの船は300トン」でオーラス。

アンコールでは、モノノケ・サミットのツアーTシャツを着たミチロウも加わり、ミチロウの曲を2つ共演。まずは、ボブ・ディランの曲にミチロウが歌詞をつけた「天国の扉」だ。壮絶…。これはかな~りぐっときた。やっぱりミチロウ、凄いや…。サビをコーラスする中川もヒデ坊も、きっとこみ上げてくるものがあったんじゃないかなあ…。そして、原発との別れをこめて歌われた「仰げば尊し」。ミチロウ、気持ちがビシビシ伝わってくる凄いステージを見せてもらったと思う。

いったん引っ込んだ後、すぐにダブルアンコール。最後はモノノケだけで「さよなら港」で楽しい夜は終わった。
なんだか、時間の経つのがあっという間に思えた楽しい宴。終わったあとは祭りの後の寂しさに似た気持ちになったなあ。

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2011年7月18日 (月)

ソウル・フラワー・アコースティック・パルチザン『街道筋の着地しないブルース』発売記念地方巡業 / 2011年7月18日(月・祝)渋谷CHELSEA HOTEL

中川敬 アコースティック・ソロ・アルバム 『街道筋の着地しないブルース』発売記念地方巡業 ~アコースティック編~
ソウル・フラワー・アコースティック・パルチザン(中川敬・リクオ・高木克)
◆2011年7月18日(月・祝)渋谷CHELSEA HOTEL
 開場18:00 開演19:00

この日のライブは、渋谷にあるチェルシー・ホテルというライブハウスで行われた。僕にとっては初めての会場だったんだけど、入ろうと思ったとたん、ぎょっとしてしまった。それは入り口のカウンターの上に、鹿の頭の剥製が飾ってあって、入ってくる客をぬぼーっと見下ろしていたからだ。個人的な話なんだけど、僕は動物の剥製、それもこういうケモノを首チョンパしたようなやつが大の苦手。だって、こういうのって絶対そいつが生きてる時の“気”が入ってると思うぞ。目なんか会わせようものなら、何かを訴えかけられているようで、もう気になって気になって…。断言するけど、こんなものを自分の手で作った人間は、絶対ちゃんと成仏できないと思う(苦笑)。
おまけにこのチェルシー・ホテル、内装も仰々しくて、まあ寂れたホテルみたいというか、中世のお城みたいというか、お化け屋敷そのものというか…(苦笑)。おい、中川!なんでこんな場所でライブやるんだよ。悪趣味だぞっ!正直言って、ライブ前からテンション下がりまくりだった(苦笑)。

ところが、いざライブが始まったらそんな気持ちはきれいに吹き飛んでしまったんだなあ…。特に、この日の中盤、彼らが被災地で演奏してきたという民謡や昭和歌謡が始まったあたりでは、バンドのサウンドに会場の場末なムード(笑)がぴたりとハマり、まるでひなびた猟師町のキャバレーで、地元のハコバンのライブを観ているような感じだった。むーん、中川、もしかしてこれがネライだったのか…(笑)。

この日のアコパルのライブは、中川敬のソロアルバム発売に合わせたツアーの最終日ではあったが、それ以上に被災地でのライブを何度か行って、その空気をそのまま東京に持って帰ってきた凱旋公演という色合いが濃かったと僕は感じた。彼らが被災地で演奏したという民謡や昭和の歌謡曲は、僕にとってはSFUやリクオのオリジナルよりも強く印象に残ったぐらいだ。
東北人なら誰でも知ってる(僕なんか音楽の時間にうたった記憶がある)「斎太郎節」や「おいらの舟は300トン」は、如何にもこのユニットの演奏らしくて楽しかった。これらは被災地でも大ウケだったというが、そりゃそうだろうよ。ロン毛のロックロックした兄ちゃんが、三味線片手に“松島の~♪”と唸られた日にゃ、じいちゃんばあちゃん、大喜びに違いない。
中川のボーカルが、また民謡によく合うんだよなあ…。いやあ~たいした歌手です、この人。決して上手くはないかもしれないけれど、尾藤イサオの系譜を引き継ぐ正統派昭和無頼歌謡(そんなジャンルあるのか?)のNo.1ボーカリストじゃないだろうか?
中川と比べると、リクオはちょっと洗練された感じなんだけど、やっぱり昭和歌謡の匂いはたっぷりだ。「夜霧よ今夜もありがとう」は、ウィスキーの水割りの匂いが漂ってくるようだった。やっぱり、昭和40年代生まれというバックボーンは大きい。このあたりは僕もそういう背景を持ってるからよくわかる。なんのかんの言っても、昭和歌謡のカッコつけたやさぐれ感は、今でも憧れ。隠そうにも隠しようがないのだ、こういうのは(笑)。

そして、極めつけはなんと言っても「アンパンマンのマーチ」!これは、避難所で暮らす子どもに向け、中川がセレクトした曲だったらしいが、素晴らしかった。もう、これは是非シングルカットして欲しい!(笑)実際、避難所で演奏する前に、中川の子ども4歳と近所の子どもを集めて公開リハ(笑)をやったらしいが、その時点から大ウケだったそうな。僕も男の子の父親だから、もちろんこの歌は知っていたんだけれど、歌詞を真剣に聴いたのはこれが初めて。じっくり聴くとほんとに良い歌詞なんだ、これ!なんつったって“愛と勇気だけが友だち”なんだからなあ、アンパンマンは!子どものいない若いファンはどう思ったか知らないが、僕はなんだか涙が出そうになってしまった。

そういえば、うちの下の子は、原発事故がどうしようもない状況になりつつあるのをニュースで見たとき、“なんでこういう時にウルトラマンが来ないの?!”って言ったんだよなあ…。上の子は、放射能で汚染された牛肉が出回ったと聞いた時、“バイオなんとか(の技術)で、大丈夫な肉、じゃんじゃん作っちゃえばいいじゃん!”って言ったんだよなあ…。
子どもの無邪気なひと言って、大人がはっとさせられることがいっぱいある。オレ、思ったもん。原発は怪獣みたいなもんだったんだなって…。僕らは、科学だなんだって言いながら、そんな怪獣をやっつけることのできる技術なんて、最初から持ち合わせていなかったのだ。
でも、きっと僕らはやり直せるだろう。被災地でこの歌を聴いて“痙攣したように跳ね回っていた(中川談)”子どもたちは、きっと大きくなったらアンパンマンのように愛と勇気を持って、ふるさとの復興に力を尽くすに違いない。もしかしたら、その中からは最終処理が決まらない放射性廃棄物を駆除できる技術を発明しちゃう未来の科学者だって生れるかもしれないじゃないか!
被災地で「アンパンマンのマーチ」を聴いて笑顔を見せる子ども達の姿には、きっと大人たちも励まされたことだろうこういうことが明日への活力へと繋がるのだと思う。こういうことが歌の力なんだと思う。

もちろん、彼らのオリジナルだって素晴らしかった。「海へゆく」や「寝顔を見せて」、それに「荒れ地にて」なんかは、歌詞が復興へむけて立ち上がる人々の姿に重なって感動してしまった。
高木克っちゃんも存在感ばっちり。今回は、特にスライドギターに格段の冴えを見せ、中川の野太い歌声やリクオの力強いピアノに一層鮮やかな彩を加えていた。インストの「叩いて 擦って よろめいて」のペダルスチールも素晴らしかったなあ…。

リクオは特に新曲が素晴らしかった。“テレビもない、お金もない、ユニクロもない…。自由はある。何して遊ぼう…。”とうたわれる歌(ごめん、タイトル忘れちゃった…)は、大きな悲しみを経験した僕らの心の深いところに、すとんと降りてくる。それから、この日僕がはじめて聴いた曲、震災直後に彼がブログで告白していた“震災直後に歌を忘れていた”状況から、やっぱり音楽しかないと歌い出すまでの心の動きを綴った歌があったのだが、これがかなりぐっときた。ずばり、名曲!。これはこれまでのリクオのレパートリーの中でも、とても大きなものになりそうな予感がする。

きっと、3人は言葉にできないようなヘビーな状況も目の当たりにして来たに違いないだろう。でも、そんな話はいっさいせず、どこまでも前向きになれるような音楽を奏でていたのが素晴らしかったと僕は思う。「満月の夕」ですら、その響きはどこまでも力強かったし、アンコールでリクオの唄った「イマジン」は、忌野清志郎の日本語詞をベースにしながら、更にリクオ流の解釈が加えられて、3.11以降の世界に向けた明確なメッセージを投げかけていたと僕は思った。

2時間40分。目の前の日々はヘビーでも、決してあきらめず、笑いと歌を忘れずに少しずつ前に進もう…。そう思わされた温かいライブだった。
みんながひとつになったり、日本中が頑張っちゃったりするのは、テレビが言うほど簡単なことではないと思う。それでもきっと大丈夫。だって、夢を見ているのは、きっと僕一人じゃないんだから…。

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2011年1月20日 (木)

ソウル・フラワー・アコースティック・パルチザン ライブ / 2011年1月20日(木)東京・吉祥寺 弁天湯

ソウル・フラワー・アコースティック・パルチザン(中川敬・リクオ・高木克)
ソウル・フラワー・ユニオン ニューアルバム『キャンプ・パンゲア』発売記念地方巡業 ~アコースティック編~ in 風呂ロック
開場18:00 開演19:00
料金;前売3,500円/当日4,000円 (税込・ドリンク別・整理番号付)
*キッズチケット 前売1,700円/当日2,000円 (税込・ドリンク別)

いやあ~面白いライブだった。風呂ロック!これまでいろんなライブに行ったけど、さすがに風呂場でライブ観たのは初めて(笑)。この「風呂ロック」というイベントのことは前から噂で聞いていて、機会があれば是非行ってみたいとは思っていた。それがソウル・フラワー・アコースティック・パルチザンのツアー千秋楽という願ってもないシチュエーションで行なわれるんだから、これは楽しみだった。大衆浴場とソウル ・フラワー、なんとなく合いそうではないかっ!(笑)。

会場となった弁天湯は、藤村女子高の裏手にあるごくごく普通の銭湯だった。思い出したんだけど、この辺って昔、ぐゎらん堂や吉祥寺ウニタがあったあたりだ。一本外れた通りにはブラック系の珍盤を置いていた芽瑠璃堂もあったし、このエリアは古くからの中央線音楽ファンにはなかなか思い出深いところ

なにしろ、会場が銭湯なので僕らは靴を脱いで入場することになる。すると、右手に男湯、左手に女湯の暖簾が目に飛び込んできた。今日のライブはどっち側から見ても良いってことらしい。オレ?そりゃあ、当然女湯のほうでしょう!こんな機会でもなければ、女湯の暖簾をくぐるなんてこと、絶対にあり得ないからね(笑)。
なんかわくわくしながら、板の間の脱衣場を通っていざお風呂場へ…。ガラス戸を開けて中に入ると、正面には銭湯の定番・富士山の壁絵がバーンと目に飛び込む。かまぼこ型の天井、蛇口の付いた洗い場。お湯の入ったお風呂こそ無いけど、これはもう何処から見ても銭湯だ(笑)。観客は洗い場に立ち、風呂の上に作られた特設ステージを見上げる格好でライブを観るようになっていた。行く前は“どういう形でライブ観るんだろう?ひょっとして全員裸で風呂に漬かりながら観たりして…”と、半ば本気で思ってたんで、ほっとしたような残念なような…(苦笑)。洗い場の蛇口をひねるとちゃんとお湯も出てくる。なので、僕らは荷物を置く時、蛇口に触らないよう気をつけなければならない。うーん、こんなことに神経を使うライブってのも珍しい(笑)。

ライブは開演時間きっかりに始まった。メンバーは洗い場の人垣を掻き分けるようにしてステージに登場してくる(笑)。
この日の会場は銭湯だから防音なんて無いに等しい。窓はガラス戸一枚だし、換気のためか通気口もたくさんある。アコースティック主体のサウンドではあっても、これでは音は外へ丸漏れだろう。たぶん、ご近所への配慮からか、この日は9時までにはライブを終わらせることになっていたんだと思う。普段はMCの多いアコパルだけど、この日は極力MCを自重していた。

セットリストは、ソウルフラワーの定番に昨年末にリリースされたばかりの“キャンプ・バンゲア”からの曲を加え、リクオの代表曲もそこに織り交ぜていくという構成。アコパルで聞くSFUの曲は、なんか素朴な香りがしてイイ。それに、やっぱ銭湯というシチュエーションは、アコパルにぴったりだったと思う。中川の大きな声が銭湯の壁に反響し、自然なエコーとなって耳に届く。楽器の音はぐわんぐわん響いて最初は聴き辛いと思ったんだけど、だんだん耳が慣れてきてこれでいいんだと思うようになってきた。
銭湯ってのは、もともといろんな人が集まる町の社交場だったわけでしょ?男も女も、老いも若きも裸で付き合う場。そこで歌われる曲ってのは真の大衆歌謡だったはず。こういうシチュエーションでSFUの楽曲を聴くと、彼らの楽曲にも古きよき歌謡曲を髣髴とさせるものがあることに気付かされた。ソウルフラワーの曲には、わざわざ電気楽器で増幅しなくても、鼻歌で口ずさめる親しみやすさが元々あったってことなのだ。

僕が印象に残ったのは、「crazy love」とか「そら」、それに「寝顔を見せて」とか。こういうさらりとした優しさの香る歌は、アコパルのような編成だと更に引き立つ。なんだか、今回のアコパルは去年よりもしっとり聴かせる曲が多かったような気がした。
リクオの方では、高木克のペダルスティールが入った「胸が痛いよ」が胸に沁みた。「機関車」はリクオの声が朗々と響いてとても気持ち良さそうだったなあ。
びっくりしたのは、ニューエスト・モデルの「もっともそうな2人の沸点」だ。これは歌詞に風呂場がモチーフの部分がある。中川は24歳の時にこれを作って、20年経って初めて風呂でやれたって喜んでいたけど、もしかしてこの日限定の曲だったんだろうか?ならば嬉しいんだけど。

後半に入るとアップテンポな曲も多くなった。風呂場のちょっと湿った空気の中で演奏された「死ぬまで生きろ!」は、リクオのキーボードがセカンドライン風のビートを刻んでカッコよかったし、「アイノウタ」は、コーラスをみんなが大合唱して最高にいいムード。

「満月の夕」もやったし、アンコールは時間を惜しんでステージを降りないまま「ラヴィエベル」に突入。時間は短かったけど、会場が一体になった忘れ難い一夜になった。僕はもちろん、お客さん皆がすごく楽しそうな顔をしいてたなあ。うん、やっぱりソウルフラワーのライブはこうでなきゃ!

それにしても銭湯に来たのって何年ぶりだろう…。僕は学生時代、寮に入っていた時期があるんだけど、その寮は2日に一回ぐらいしか風呂を沸かさなかったので、風呂のない夜はよく友達と銭湯に通ったものだ。久しぶりに訪れた風呂屋で、あたりに漂う石鹸の匂いに包まれ、板の間の脱衣場やら、貴重品入れのロッカーやら、入浴後用に売ってる牛乳(なぜか風呂上りは飲みたくなるんだよね、牛乳…)やらを見ていると、気ままな一人暮らしをしていた時代のことが思い出され、なんだか気持ちがふわっと和んでしまった。
この日は仕事帰りのライブだったんで、僕はスーツにコートっていう格好だったんだけど、それでタイルにどっかり腰をおろすと、もうライブっていうより花見にでも来たような気分になっちゃったよ(苦笑)。なんか、熱燗でも呑みたい気分だったなあ(笑)。
聞くところによると、風呂ロック、近々終わってしまうとのこと。もったいない!こんないいイベントなのに!
ライブだけでなく、銭湯という場の心地良さも再認識した。今度、子供を連れて近所の銭湯にでも行こう。でも、久々に入浴料金をチェックしてぶったまげた。大人一人450円!ちょっとそれって高過ぎないか?これで風呂上りにラーメンなんか食ったら1000円超えるぞ!

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2010年12月11日 (土)

ソウル・フラワー・ユニオン『「キャンプ・パンゲア」発売記念ツアー』」 / 2010年12月11日(土)赤坂BLITZ

いやはや今回のSFUは凄かった。見るたびスゲエ!と思っちゃうSFUだけど、この日のライブは僕がこれまで見た中でも、一番気合いが入っていたと思う。バンドはいつものメンツに加え、ヒデ坊(伊丹英子)とモノノケ・サミットの大熊亘を呼び寄せ、セットリストも新旧取り混ぜ3時間という磐石ぶり。やっぱ、これは会場が赤坂BLITZだったからなんだろう。外見に似合わず意外とビビりの中川敬(笑)、柄にもなく大きな会場でやることになって、ちゃんと人が集まるか心配だったんだろうなあ(苦笑)。
ところが、ところが、蓋を開けたらフロアはお客さんでぎっしり。これはメンバー、嬉しかったに違いない。中川もゴキゲンで終始ノリノリ(わかり易い男だ…(笑))。美保ちゃんもお客さんを煽りまくりで、まるで忘年会みたいな楽しい宴となった。

僕もこの日は騒ぎまくった。もう、冒頭の3曲で頭の中が真っ白(笑)。SFUナンバーの中でも超オキニの3連発、「サヴァイヴァーズ・バンケット」→「ラヴィエベル~人生は素晴らしい~」→「ムーンライト・ファンファーレ」の流れを轟音で聞くのは本当に気持ちよかった。

この日の僕はフロアの後ろのほうで観てたんだけど、最初から会場全体が波のように揺れていた。もう明日のことなんかどうでもいい。とにかくこの場を楽しめ!エネルギーを放ち、放たれ、思い切り唄い踊れ!そんな感じで、パンク小僧みたいにピョンピョン跳ねてる奴がいるかと思えば、沖縄民謡のように掌をひらひらして踊ってる人がいたり、決まりごとがなくてみんなそれぞれのやり方でライブを楽しんでいる。とにかく、SFUのファンのノリってすごく独特なのだ。最近は慣れてきたけど最初はちょっとびっくりしたな、オレ(笑)。でも、このフリーな雰囲気に身を置く快感を覚えてしまうと、SFUのライブはもう止められない、止まらない(笑)。

ニューアルバム「キャンプ・パンゲア」からの曲ももちろん演奏された。僕はこの日会場でアルバムを購入したから、新譜は未聴状態だったんだけど、いくつかの曲は今年春の闇鍋音楽祭や夏のツアーでも演奏されていた。っていうか、最近のSFUの曲は何を聴いても、前から耳に馴染んでいた曲のような気持ちになってしまう。それだけ楽曲としてのクオリティーが高いってことなんだろう。もともとミクスチャー・ミュージックなんて言われていたSFUだけど、僕はその範疇が前よりもっと広くなったように感じる。視野がワールドワイドになって、世界中の音楽のいいところだけをどんどん抽出してる感じだ。しかも、表面をなぞるんじゃなくて自分達で一回飲み込んで咀嚼しているから、曲がすごくこなれて誰が聴いても一発で楽しめてしまうようになってるんじゃないかなあ…。
カバーの選曲にしても、SFUのかっぱらい方は節操がないというか、とても大らか(笑)。だって、スタカンの「Mick's Blessing」とマーティン・デニーの(というか、これはYMOか?)「ファイアー・クラッカー」を同じライブ内で聴けるなんて考えられないでしょ、普通?(笑)でも、SFUだと全然違和感を感じないんだな、これが。
オレ、この日演奏された「ファイアー・クラッカー」のカバー、すごく気に入った!これはメインのメロを奥野真哉が弾き、ギターやベースが合いの手を入れるんだけど、ビートの刻み方がとてもとてもツボ。たぶん、中川も奥野も高校時代にはかなりYMOを聴いていたんだろう。この感覚は同世代としてとてもよくわかる。

ヒデ坊はむちゃくちゃカッコよかった。楽器はブズーキーとチンドン太鼓だったけど、エレキを弾かなくてもその佇まいは、超ロックっぽい。いやあ~あれほどカッコよくブズーキーを弾く人を、僕は初めて見た!(笑)ヒデ坊はモノノケのステージには出ていても、SFUでプレイするのはかなり久しぶりのはずだ。でも、全くブランクを感じさせないのはさすが。今年の秋には、いろんな困難にぶち当たりつつも、辺野古でのフェスを大成功させたみたいだし、ほんとにカッコいい女性だと思う。ロック姉ちゃんの正しい歳のとり方を見る感じ…。あ、こんなこと言ったらヒデ坊に怒られるか…(苦笑)。
ヒデ坊と一緒にやるのは中川たちもやっぱり嬉しいらしく、この日はNEWEST MODELの「こたつ内紛争」も飛び出した。もう何も言うことないです。カッコよすぎです!あとはアレでしょう。タイミングがあえば是非うつみようこ嬢も!SFU+ヒデ坊+うつみようこで夏の野音なんかでライブがあったりすれば、女房を質に入れてでも観に行きますよ、オレ!(笑)

アンコールはこってりと3回。この時は、なんか異様なおっさんがステージに現れてノリノリで踊り始めた。誰かと思ったらイラストレーターの八木康男。なんか酔っ払いのタコ踊りみたいだったけど、実はこの人、細野さんの名盤「トロピカル・ダンディ」のジャケットなんかも手掛けた大アーティストなのだ。どうやら、今SFUの本を手掛けているらしい。“じゃがたら、ボ・ガンボスと来てソウルフラワーをやれるのは嬉しい”って言ってたな。これは楽しみだ。

気がついたら3時間超えの長尺ライブ。でも、ほんと楽しかったなあ~。自分でも大人気ない…”と呆れてしまうぐらい騒ぎまくってしまった(笑)。大人気ないっていえば、この日フロアの後方には子供連れもけっこう多かった。アーティストによっては、子供の入場がそぐわないようなライブもあると思うが、SFUに関しては全然アリでしょう!小さい子供がピョンピョン跳ねるその隣で、お父さんが大きな声で唄ってる姿はとても微笑ましかった。うん、オレも今度は子供連れて来ようかなあ?(笑)

すべてのライブが終わって、会場に流れたのは「死ぬまで生きろ!」だった。メンバーはとっくにステージから去り、会場が明るくなっているというのに、お客さんはほとんど帰らずにそれを大合唱している。それぞれがそれぞれのやり方でライブの余韻を楽しんでいた。これもなんか、すごくイイと思ったなあ…。
人生一度きり。生きてるだけで丸儲け。オレもせっかくの人生なんだから、死ぬまで生きよう!強くそう思った。正に年の瀬にぴったりのライブ。来年もいっぱいSFUのライブを観に行きたい。

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2010年9月25日 (土)

ソウル・フラワー・ユニオン「“ダンスは機械均等!”ツアー」 / 9月25日(土)渋谷duo MUSIC EXCHANGE

2日続けてduoへ出勤してしまった(笑)。
今日はソウル・フラワー・ユニオンの「ダンスは機械均等!」ツアー千秋楽。面白いことに、HEATWAVEとSFUは同じ時期にツアーがあり、大阪と東京は同じ会場で2組が続けてライブをやる日程になっていた。実際、僕の友だちは2組を追い駆けて大阪まで遠征してたっけ。中川敬も昨日のHEATWAVEのライブに顔を出したそうだ。山口洋は中川から大阪でのSFUライブに誘われたらしいんだけど、ランニングで会場に向かう途中、迷ってしまって10キロ走り、結局ライブには行けなかったんだって。あはは、まったくもう…(笑)。

僕はこの日、なんと最前列の中央やや左寄りに陣取った。ジゲンの真ん前だし、中川はギターを弾きながらすぐ前まで踊りに来るし、もう迫力満点!
周りはコアなファンばかりだった。みんな我を忘れて踊り狂い、大声で歌いまくる。思うんだけど、SFUのファンってのは飛びっぷりが独特だよね。ほんとに音楽を全身で楽しんでる感じだ。そんな中、自分も我を忘れて踊ってしまった。こんな前で見ることなんてそうそうないし、いやあ~貴重な体験でした(笑)。

この日のSFUは、いつものメンツに加え8月のモノノケ・サミットでも加わっていたチンドン太鼓の人(すまん、名前忘れた)がゲストで入っており、いつも以上に華やかなステージだったように思う。
中川敬もいつも以上に気合入りまくり。オープニングが「エエジャナイカ」ってのは、僕的にはちょっと意表をつかれた感じだったし、そのまま「ブルーマンデーパレード」と続けて、長いインストへ突入していくあたりは、もう頭の中が真っ白になってしまった。
今回のライブは、いつも以上にインストやインプロビゼーションのパートが多かったような気がする。これは去年新加入した高木克が、よりバンドにフィットした事が大きいんじゃないのかなあ?実際、中川と2台のギターを絡ませる場面があったり、スライド・バーを使った印象的なソロを弾いたり、彼が前面に出てプレイする場面が昨年と比べると格段に増えていたように思う。

セットリストは、R&R、ブルース、アイリッシュ、沖縄、民謡、ブルース…。もう、世界中の音楽の美味しいところをごった煮にしたような、SFUミュージックのてんこ盛り状態。ただ、今回は「死ぬまで生きろ」や「ダンスは機会均等!」みたいな、新しめの曲の印象が強く、どっちかって言うとレゲエ調が多かった印象を受けたかな…。中川のことだから、夏に合わせてなんてことはないだろうけど(笑)、結果として今の季節にぴったりだった。

嬉しいことに、年末にむけて作成中という新作からの曲もやった。「移動遊園地の夜」がそう。これをやって「Human Nature」を挟み、「うたは自由をめざす」に突入したあたりのノリは凄まじいものがあったなあ…。大好きな曲だから僕もノリノリだったんだけど、観客の歌う“オーオ…♪”ってコーラスの大きいことと言ったら…。
オレ、SFUのライブに行くようになって間もないんだけど、このバンドのファンの大きな特徴は、こうやってライブでよく歌うことじゃないだろうか?他のバンドのライブだと、でかい声で歌ってると嫌がる人なんかもいるから、けっこう気を使ったりするものだ。でも、気持ちよかったら歌いたくなるし、のってきたら踊りたくなるのは人間の本能やん。そういう事がごく自然にできちゃうライブ空間ってやっぱしイイなあ、とつくづく思った。
中川も満足そうに“十分やね…”って言ってたし、ほんとは音楽ってこうやって楽しむってことを、改めて思い知ったような気がする。

中盤は「寝顔を見せて」みたいなじっくり聞かせる曲、ミホちゃんボーカルの浅川マキのカバー「かもめ」やジゲンの「秋田音頭」なんかを挟み、ついに「極東戦線異状なし!?」が始まる。スゲエ…。大汗かいてサイケなテレキャスターを弾きまくる中川は、なんか獣じみていて人間じゃないみたい(笑)。
新し目の「ホップ・ステップ・肉離れ」をやったかと思えば、ニューエストモデルの「雑種天国」が飛び出したりと、後半はもうなんでもござれの畳み掛け。こっちは“もうどうにでもして”状態だ(笑)。
「海行かば山行かば踊るかばね」では、興奮したファンがどんどん前に押し寄せてくる。本編最後「荒地にて」が終わっても、興奮したファンは声を出し続けていた。

当然アンコールでバンドが出てくると大拍手。
曲前のMCでは、10月開催予定で企画にヒデ坊が深く関わっているPeace Music Festa!の話が。中川の話では、嫌がらせなんかもあってなかなかヘビーな状況なんだそうな。それでも“二分後にはギャグにして話のオチをつける”っていうんだから、スゴイ女性です、ヒデ坊。そんな話の後に「辺野古節」。つなげて必殺の「風の市」。スゴイっす!ぐうの音も出ません(苦笑)。
更に2回目のアンコール「神頼みより安上がり」でまたまたフロアは大爆発。バンドが去った後も、会場に流れた「死ぬまで生きろ」を大合唱して、やっとファンは岐路についた。

約3時間。怒涛のライブだった。
HEATWAVEに続けて2日連続でむちゃ濃いライブを観たオレ、さすがに疲れました(笑)。
ただ、オレはSFU最前列はもういいかな…。目の前で見られるのは迫力だけど、あんまり前だとこのバンドのせっかくのバンドサウンドがあんまり分離よく聴こえてこないのがストレス。もみくちゃになりながら盛り上がるのは楽しいけど、フロアに響き渡るバンドサウンドに身を委ね、ちょっと余裕を持って踊るのが自分にはむいていると思った。

ともあれ、楽しい2日間だったなあ…。
実は今のところ、僕は今年後半、あんまりライブに行く予定がない。その代わりと言っては何だが、10月と11月には自分への挑戦としてハーフマラソンの大会が2本控えている。やっぱり、受け取った“光”はカタチにしなければと思うのだ。2本のライブで貰ったエネルギーを糧に、さあ走るぜ!

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2010年8月29日 (日)

もののけ盆ダンスツアー ~辺野古の海から世界が見える~ / 2010年8月29日(日) 吉祥寺・スター・パインズ・カフェ

もののけ盆ダンスツアー ~辺野古の海から世界が見える~
出演 知花竜海[from 琉球]
    上間綾乃[from 琉球]
    ソウルフラワーモノノケサミット
2010年8月29日(日) 吉祥寺・スター・パインズ・カフェ 18:00/19:00
¥4000+1dirnk *6才児以下は入場無料

いやあ~楽しかったなあ!モノノケは今年2月以来2度目のライブ体験なんだけど、今日は初回よりも更に楽しめた。
思ったんだけど、このバンドはあんまり先入観を持たずに臨んだ方がいいね。前回はシーサーズがゲストで来るから、きっと沖縄色の強い音楽になりそうだと予想してて事実そのとおりになったんだど、今回はそういうことをあんまり考えずに行った。でも、それが却ってこのバンドのごった煮的な嗜好をストレートに感じとれることになったと思うんだ。
共演者の上間綾乃は若い沖縄の島唄うたいで、彼女がモノノケのステージにもゲストで加わったから、もちろん沖縄色がまったく無いわけではなかった。だけど、それは前回よりは薄味であくまでもモノノケの持つごった煮的な音楽性の一部として表に出ていたと思う。これは、上間綾乃がまだ若く、民謡だけじゃなくてロックやポップスを聴く世代だからってことも大きいんじゃないかと思うけどね。

スタンディングで見れたことも良かった。疲れるけど(苦笑)、やっぱりこのバンドは座ってみるより立って見た方が断然良い。中川のMCに大笑いし、陽気なチンドンのリズムと中川の豪放な唄、それにヒデ坊の絶妙の合いの手に自然に身体を揺らす。そんな付き合い方がイイんじゃないでしょうか。なんだか民謡酒場にいるような気分だった(笑)。

ライブは「辺野古節」から始まり、戦前の流行歌や労働歌のオンパレードだった。「釜ヶ崎人情」、「有難や節」など、僕でも知ってる古い歌がチンドンのリズムで次々に奏でられていくと、自然と両手は拍子をとり始めてしまう。
今日のモノノケサミットは、元祖演歌士・添田唖蝉坊の曲をたくさん演ってたような気がする。それらの曲が今聴いても全然古びてないのにもびっくり。「ああわからない」なんて、まるで今の政治の混迷を皮肉ってるようだもんねえ…。
もともと大衆歌謡ってのは、色恋沙汰だけじゃなくてこういう社会風刺を得意としてたんだよね。その辺はレゲエやパンクとまったく同じ。だから、ロックを通過してきた僕らがこういうところに原点回帰していくのは、すごく自然なことのように僕は思う。ロックだって演歌だって流行歌だって、実はみんなレベル・ミュージック!
日本のR&B系はどうの、とか知った風なことを言ってる人がいるけど、こういうライブを観てるとつくづく小せえなあ~と思っちゃうね。音楽ってのはジャンルじゃない。とにかくヤルことなんだよ…。

モノノケサミットにゲスト参加している大熊ワタルさんもイイ味出していた。オレ、はっきり言ってこの人のファンですから(笑)。大熊さんはシカラムータというモノノケサミットと似たようなミックスチャー・バンドをやってて僕も一度ライブを観たことがある。ステージではチンドン・テイストのクラリネットを吹いてるんだけど、朴訥なMCがなんとも良い味なのだ(笑)。中川の濃いボーカルが続いてそろそろ胃がもたれてきたという時に挟み込まれる(笑)、大熊さんボーカルの「野毛節」は、モノノケサミットには欠かせない名物なんじゃないかなあ…。

名曲「満月の夕」や、「インターナショナル」・「さよなら港」で大いに盛り上がり、ライブは9時半に終了。うーん、欲を言えばもうちょっと観たいぜ…。
でも、ほんと楽しかった。今日のライブはモノノケサミットという雑食性のバンドの、何が飛び出すかわからないびっくり箱的な面白さが良く出ていたいいライブだったと思う。
なんか、田舎に帰って盆踊りに行ってきたような気分(笑)。機会があればこのバンド、ぜひ野外で見たいなあ。それも野音みたいなとこじゃなく、神社の境内みたいな土の地面のあるところがいい。そんな気がしてきた。

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2010年3月28日 (日)

『闇鍋音楽祭2010』ソウル・フラワーユニオン ゲスト:勝手にしやがれ / 2010年3月28日(日)Shibuya O-WEST

僕にとっては、今年初めてのソウル・フラワー・ユニオンのライブ。
いやあ~楽しかった!僕はこの日あんまり体調がよくなかったんで、後ろの方で静かに見てようと思ったんだけど、いざ演奏が始まったら、じっとしていられなくなってしまった(笑)。
この日のライブは「闇鍋音楽祭」というイベントとしてのものだったが、これは毎年彼らがこの時期に行っている、旬のバンドとの対バン企画。今回のゲストは「勝手にしやがれ」だった。このバンドは以前、野音で見たことがあったんだけど、昭和歌謡とロカビリーを合体させたような曲を、スカパラをもっと下世話にしたようなホーン隊を交えてプレイするのが面白く思えたことを憶えている。まずは彼らが先に出て一時間ぐらい演奏した。往年の日活映画に出てくる俳優みたいに、スーツをびしっと着こなしたドラマーがボーカルをとるってのが見た目にもけっこうなインパクト。会場は彼ら目当てで来てた人もけっこう多かったみたいで、ライブもそれなりに盛り上がっていた。

でも、それもソウルフラワーが出てきたら、雰囲気一変。一曲目の「神頼みより安上がり」からフロアは大盛り上がり大会だった。ミホちゃんの煽りにのせられ、O-EASTの狭いフロアを埋め尽くした観客がいっせいに踊り出すさまは壮観だった。
僕が立っていたのはPAブースの真ん前だったせいもあり、音響もとても良くて、各パートの音がはっきり聴き分けられたのも良かった。

ライブは新旧織り交ぜた選りすぐりのセットリスト。単独ライブよりは短かったけど、それでもアンコール含めて2時間近く演奏してくれ、個人的には大満足。「極東戦線異状なし」や「人生は素晴らしい!」みたいな最近の名曲もしっかりやってくれたのが嬉しかったなあ…。
6月に出るという新曲も披露された。これ、ちょっとタイトルを忘れてしまったのだが、奥野のキーボードがスティール・ドラムみたいな音色で、ちょっとトロピカルな雰囲気の曲調。カップリングで収められるもう一つの曲も演奏され、これは「ホップ・ステップ・肉離れ」というタイトル(笑)。高木克のスライドをフューチャーした曲で、これもカラフルなイメージ。うん、この2曲を聴く限り、今度のシングルは初夏のリリースにぴったりかもしれない。
レアな曲といえば、ミホちゃんがボーカルをとった「かもめ」だろうか。これは今年の始めに亡くなった浅川マキさんのカバー。確か、レゲエタッチのアレンジだったと思う。決して感傷的にならずに、歌そのものをしっかり聴かせようとする演奏が印象に残った。

それにしても、こういう音のいい会場で彼らのライブを堪能すると、このバンドはしみじみ演奏が巧いと感じる。ソウル・フラワー・ユニオンを“日本一のミクスチャー・バンド”なんていう人がいるけれど、ほんとそうだよなあ…。リズムパターンは多彩だし、奥野さんのキーボードもとてもカラフル。ちっちゃいワクに囚われず、世界中の音楽の出汁を煮込んで作ったようなサウンドには、ロック本来の雑食性の楽しさが溢れている。何よりも、彼ら自身が世界中の音楽を分け隔てなく楽しんでいることがよくわかり、見ているだけで嬉しくなってしまうのだ。
なんて言うんだろう、音は確かにロックなんだけど、頭で感じるノリはお祭りや宴会の興奮に近いものがあるような気がするんだよなあ…。

僕は今年も何回もこのバンドのライブに行くんだろう。
まずは6月に出るシングル、そして年末の完成予定だというアルバムが楽しみだ。

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2010年2月 7日 (日)

「つづらおりの宴~夜見のしまのカーニバル」ソウル・フラワー・モノノケ・サミット&シーサーズ / 2月7日(日)吉祥寺・スターパインズカフェ

「つづらおりの宴~夜見のしまのカーニバル」
ソウル・フラワー・モノノケ・サミット&シーサーズ
18:00/19:00 ¥4000+1drink

吉祥寺でソウル・フラワー・モノノケ・サミットのライブを観た。
実は、自分はこのユニットのライブに行くのは初めて。昨年秋にリリースされたソウル・フラワー・ユニオンのライブ盤をきっかけに、今更ながらのソウルフラワー熱にとりつかれてしまったオレ。中川敬は本体のソウル・フラワー・ユニオン以外にも、ソウル・フラワー・アコースティック・バルチザンと、このソウル・フラワー・モノノケ・サミットという2つの活動形態を持っているのだが、モノノケだけはライブ未体験だった。なので、この機会にぜひ観ておきたいと思ったのである。

そんなわけだから、このユニットに関する事前情報はほとんどなし。はっきり言って、アルバムも聴いたことがない。知っていることといえば、これはソウル・フラワー・ユニオンのメンバー達が、阪神・淡路大震災の直後に被災地で行なった演奏活動から始まったユニットだということ、子供からお年寄りまで幅広い聴き手に音楽を楽しんでもらうために、レパートリーは戦前の流行歌や、韓国・アイヌの民謡などだということぐらいかな…。

この日はゲストにシーサーズを迎えてのライブだった。シーサーズは沖縄の島唄を歌うユニットだ。10年以上前にソウル・フラワー・ユニオンの全国ツアーに参加したことがあるらしいんだけど、昨年オリジナルメンバーの一人が他界してしまったのを期に、再びソウル・フラワーと共演する話がまとまったそうだ。
ライブは、シーサーズが一時間ぐらい前座で演奏してから、モノノケ・サミットが出てくる形だったのだが、途中からはモノノケのステージにシーサーズも加わったので、全体的にとても沖縄色の強いライブとなった。

結論から言ってしまうと、すごく楽しかった!曲をまったく知らないから、ちょっと溶け込むまで時間がかかるかなあと思ったら、全然そんなことはなかった。まるでお祭りのお囃子に浮かれて道を跳ねる子供のように、あっという間に五感が開放されてしまった。なんだか、普段自分が聞いてる音楽とは、身体の別の部分で音を受け止めたような気分。
目覚めてしまったような感じがしたなあ…。何に目覚めたかって?自分がアジア人であることに、だ…。

ロックやR&Bは欧米からの輸入文化であることは明白な事実だ。オレが普段聞いてる8ビートや16ビートは、生まれた時から身についていたモノではなく、実は後から学習して学んだリズムなんだと思う。ロックコンサートで手拍子する時とかって、モミ手にならないように無意識のうちに気をつけてたりするでしょ?それは、心の奥でそういうのはダサいとなんとなく思っているからなんだよね。欧米に対するコンプレックスなのかどうかはわからないけど、ほんとは拍子のリズムなんて人それぞれ違ってたって全然かまわないはずだと思うんだ。
オレは、この日のステージのモノノケを見ていて、モミ手とか、民謡のリズムっていうのは、本来すごく気持ちいいものだと気が付いた。
っていうか、この日のオレの手拍子は、確実にモミ手になっていたはず(笑)。身体の反応もタテじゃなくてヨコとナナメにゆらゆらとゆれ…。そういう風に勝手に身体が動いちゃうんだもん。土着のリズムに血が呼び覚まされたみたいな感じだった。

民謡、カッコいいじゃん!戦前の流行り歌、イイなあ…。純粋にそう思った。知ってる曲はほとんどなかったけど、勝手に耳と身体が反応してしまう。「カチューシャの唄」にも「東京キッド」(これ、美空ひばりの唄だよね?)にも、自然に頬が緩んでニコニコしてしまった。

それと、この日のオレは、メインボーカルの中川敬以上に、太鼓を叩く伊丹英子、ヒデ坊に目を奪われてしまった。いやあ、この人はほんとに変わらない。沖縄に引っ込んでも、母親になっても、背筋の伸びたしゃんとしたところは昔のまんまだ。やってることも、昔からホントにブレがなく一貫してる。カッコいいよなあ~。
ロックな生き方をしようとしてそうなってるんじゃなくて、自然体なんだけど、結果としてどうしようもないぐらいロックになってる。ヒデ坊ってのはそんな女性だと思うんです。なんて素敵な女性なんだろうと改めて思った。
MCでの中川敬との掛け合いも最高(笑)。ソウル・フラワー・ユニオンの時は奥野さんとの掛け合いになるけど、そこにヒデ坊の鋭い突込みが入ると、いっそう喋りが楽しくなる。ヒデ坊の“えへへへ”っていう笑い声、オレ大好き!で、どっちにしても奥野さんはオチに使われるという…(笑)。

いやあ、初めて体験したソウル・フラワー・モノノケ・サミットは、予想以上にインパクトが大きかった。
留学で長く海外に出てた学生が日本に帰国すると、日本独特の文化が際立って見えてしまい、逆カルチャーショックを受けるっていうけど、そんなシチュエーションと近いかもなあ…。

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2009年12月12日 (土)

ソウル・フラワー・ユニオン「年末ソウル・フラワー祭」 / 2009年12月12日(土)恵比寿リキッドルーム

素晴らしいライブだった!久々に見たソウル・フラワー・ユニオンのライブは、底抜けに楽しいお祭りみたいな空間だった。中川敬も言ってたけど、今年の嫌なことがみんな吹き飛んじゃうような、まるで忘年会みたいなライブ。きっちり3時間。オール・スタンディング。ぎっしり入ったお客さんの放つ熱気、汗の匂い。鳴り止まぬコール&レスポンス。そして、溢れる笑顔、笑顔、笑顔!ほんと、最高だった。大満足!久々にロックのライブらしいライブに行ったような気がする。

実は、僕はSFUのライブはそんなにたくさん見た経験はないんだ。2002年に仙台で『ARABAKI ROCK CIRCUIT「多賀城ブルース」』っていうイベントのトリに出てきたのを観たのが最初(今思えば、この時のギターは山口洋だったんだよなあ…)。これでびっくらこいて、その年の年末に今は無き新宿リキッドルームでズボンズが前座で付いたライブを見に行ったりしてたんだけど、その後はなぜか遠ざかっちゃったんだよなあ…。

久々に観たSFU、やっぱりロックバンドらしい華があるとしみじみ思った。なんか、出てきただけでわくわくさせられてしまうオーラがあるのだ。
オープニングは「月光ファンファーレ」。これは嬉しかった。だって、この曲は昨年僕がSFUの素晴らしさを再認識したアルバム「カンテ・ディアスポラ」の初っ端にぶち込んであった曲だったから。
フロアは最初からお祭り状態。僕らは中央付近の鉄柵あたりでステージを見てたんだけど、それより前にいた観客は独り残らず跳ねまくっていた。いや~SFUのファン、凄い!若い人だけじゃなく、僕ぐらいの歳と思われる人もけっこういたんだけど、そんな人たちも前の方でガンガンに跳ねてるんだもん(笑)。
でも、確かにこれは身体を動かさずにはいられないや。中川の扇情的なボーカル&ギター、奥野の宙を舞うキーボード、JIGENのぶっといベース、ミホちゃんのお囃子、伊藤孝喜の千手観音みたいなドラム、もう何でもござれだ(笑)。なにしろ、SFUは曲のバリエーションがロックから民謡まで物凄く幅広いから、どこで何が飛び出すかわからない。まるで、どこかの村祭りに迷い込んだような楽しさだった(笑)。
新加入の高木克のギターも冴えまくり。先日のアコパルの時はブズーキなど、アコースティック主体の楽器に徹していた克ちゃんだけど、この日はバリバリにエレキを弾きまくっていた。中川とのツインギターの絡みはコンビネーション抜群で、そういう時のSFUはストーンズばりのカッコいいR&Rバンドになる。とても最近加入したメンバーだとは思えないほど、克ちゃんはバンドに溶け込んでいた。

セットリストは、これ以上何を望むの?って言いたくなる位にベストなもの。最近の「ルーシーの子どもたち」や「ラヴィエベル~人生は素晴らしい!」、それに新曲の「Aqua Vite」なんかに加え、「風の市」や「満月の夕」、「海行かば 山行かば 踊るかばね」みたいな定番もしっかり演ってくれた。JIGENがボーカルをとる「騒乱節」もあったし、奥野のキーボードを中心としたインストも幾つかやってたなあ。もう、大満足だ。お腹いっぱいになったぜ(笑)。
僕はコアなファンじゃないので良くわかんないんだけど、周りは「もののけと遊ぶ庭」の時が一番盛り上がっていた。中川も奥野も、“やっぱりモノノケの曲はやってて楽しいなあ~”なんて言ってたし、観客からも“もう一回やれ~!”なんて声援が飛んでたぐらいだ。
お囃子のミホちゃんも、“ヒデ坊が20年前に作った曲”っていう中川の前振りから「闇の波間」でボーカルを披露。男臭いSFUの中でミホちゃんの存在はすごく際立っていると思う。

僕が大好きな「極東戦線異状なし!?」や「うたは自由をめざす!」もちゃんと演ってくれた。「極東戦線異状なし!?」は、後半の中川敬と高木克のギターの絡みが最高にカッコいい!最近出たライブ盤にもこの曲は収録されていたけど、それよりも更に長い演奏。奥野のキラキラしたキーボードも含め、まるでローリング・ストーンズのストリート・ファイティングマンのライブ・ヴァージョンみたいなタッチ。興奮したなあー。
「うたは自由をめざす!」は、コーラスを観客が一緒に歌うんだけど、後半はそれがこだまするような大合唱になった。ロックのコール&レスポンスの理想系を見るようでちょっと感動したなあ…。

アンコールは2回。最後の名曲「荒れ地にて」は感動的だった。
SFUのライブは、観客をじっとしていられない気分にさせてくれる何かがある。僕も、次のライブからはTシャツ一枚でいいな、こりゃ。ちょっと前の方でギンギンになるのは無理かもしれないけど(苦笑)。
これはなんか、癖になりそうな予感だ。完全にハマってしまった。麗蘭の東京公演をキャンセルしてまで行ったライブだけど、全く後悔はしていない。満を持して出会ってしまった究極のR&Rバンドって感じだ。これは、2月のモノノケ・サミット、3月の闇鍋音楽祭も行くっきゃないなあ…。

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